テレアポ業務を行う人がほぼ百パーセント受ける洗礼として、顧客へのコールが繋がった後すぐに「結構です」と断られる事であると思います。
顧客へのコールがやっと繋がり、ここから話を展開させようと考えている矢先にいきなり会話のシャッターを閉められると心が「もやもや」しますよね。
そんな事で怒ってはいけません。相手の拒絶の向こう側には友好関係が待っています。
この記事ではテレアポで「結構です」と言われた時の切り返し方、断りの上等文句で終了にしないコツを掘り下げていきます。
この記事でわかる事
・なぜ足蹴に断るのか?その心理
・「結構です」への華麗な切り返し方
・断り文句で終了にしないコツ
なぜ足蹴に断るのか?その心理とシチュエーション
まだ顧客に対して提案すらしていないのに、なぜ電話が着信してすぐに断られるのでしょうか?
その心理は大きく分けて2種類考えられます。
断る人の心理①【面倒くさい】
自分に置き換えて考えてみてください。いきなりテレアポが掛かってきたらどうでしょう?
「今じゃないな…」「落ち着いた時なら良いけど…」「誰からの電話?」など要因は様々でしょうが、電話応対すること自体の行為が面倒くさいという気持ちが先行しますよね。
誰もが皆さん人と話すことが好きなわけではありません。電話が掛かってきたからといって「待ってました」と浮かれて対応することなんてありません。
断る人の心理②【欲していない】
顧客が何か新しい物を購入しようと比較検討しているタイミングであれば話を聞くと思います。それがたまたま欲している商品であった時限定ですが。
しかしながら何も検討していないブランクな状態のタイミングで何を提案されても、一般的には耳に入ってきにくいものです。興味がないものをこちらのタイミングで振り向かせるほど難易度が高く困難なものはありません。
断る心理をなんとなくご理解いただけましたでしょうか?
では具体的にどんなシチュエーションで断られている事が多いのでしょうか?
様々なパターンがありますので掘り下げてみましょう。
テレアポを断るシチュエーション
テレアポ断りシチュエーション①予算・費用がない
相手が企業であれ個人であれ「金銭的に余裕がない」と言われると諦めムードになり黙って空を見上げてしまいそうになります。費用を算出できないとわかると、この先話す意味があるのか悩みますからね。
言葉巧みに購入する気がない物を顧客に買わせることが出来たとして、その人は多分貴方からもう二度と色々なサービスや物を購入することはないでしょう。騙されてはいないでしょうが、それに近しい感情になると思います。
テレアポ断りシチュエーション②検討していない
テレアポ断りで「検討してない」は一番よく聞く断りワードです。
こちらから特定の商品やサービスをピックアップして一方的にご案内しているのですから「それが欲しくて探していた」とはなかなかなりません。
例え検討していたとしても既に別の製品を決めていたり、ただ単に時間が無かったりや本当に忙しかったりした際もこの断り文句はよく使用されます。
今回の返答が、どのパターンなのかを聞き分けるのは難しいです。
テレアポ断りシチュエーション③同等のものを持っている
せっかく電話がつながり、なんとか話を聞いてくれたのに「すでに提案品と同等のものを持っている」と言われた場合も気落ちしますね。
この言葉を言われた上で更に「現状品に満足しているから他の商品は考えていない」と畳みかけられるとがっかりを通り越してしまいます。
テレアポ断りシチュエーション④忙しい
忙しいのは当たり前のことです。電話の向こうの顧客は、皆さん色々な予定を日々こなしております。ずっとテレアポの電話が鳴るのを待っている人なんておりません。
本当に忙しいのか、面倒だから忙しいと言ってその場をかわしているのかは判断が難しいです。
テレアポ断りシチュエーション⑤騙されるかもとの心理が働く
知らない人間から急に電話が掛かってきて、警戒しない人は逆に怖いです。
普通の感性の持ち主であれば、まず「電話の向こうの人はどのような人なのだろうか?」「何のために電話を掛けてきたのだろう?」と警戒します。
目的もわからない人からの電話ほど不審なものはありません。
「結構です」への華麗な切り返し方
顧客がどのような心理とシチュエーションでテレアポ電話を断っているかご理解いただけたと思います。
改めて顧客の気持ちを考えると、会話の持っていきかたや気遣いを考えさせられるものがありますね。相手の気持ちがわかれば何を言われたくないかわかります。逆に言われても特に嫌ではない事もわかります。
思考がまとまってきましたね。後は「結構です」で終わらせない対策だけです。
さてここから挽回していきましょう。
「結構です」という人の真意を考える
「結構です」も様々な意味がありますが、考えたことありますか?
たとえ興味があったとしても「今は忙しいからこれ以上案内しないで欲しい」と考える場合や「全く興味がないからもう提案はいらない」という意味の場合もあります。
これは相手の声質等で判断するしかありません。
昭和な営業スタイルでよく聞くのは「結構ですと言われたくらいで引き下がってしまってはテレアポ業務務まらない」です。現在そのようなやり方でテレアポを行っていたら時代遅れです。やる気と根性でカバーだと意気込み過ぎては痛い目をみます。
目的を明瞭簡潔に伝える
「結構です」という言葉が電話向こうの顧客から出てきている時点で、少なからず貴方からの電話を切りたいと思って間違いありません。無駄に会話を長引かせてもよい印象を与えることはないです。
こちらの目的と真意を端的に伝えましょう。
内容を案内する前に「結構です」と否定の言葉で電話を終わらせようと考えている顧客の深層の意味は何なのでしょうか?
それを自分の中で明確にして電話を切りましょう。
タイミング的な問題であれば、時間を改めて確実にアポが取れるチャンスです。そうでない場合は次の電話に切り替えるタイミングです。
顧客の「結構です」を受け止める
「結構です」=心の扉閉鎖と考えてもらって構いません。
心の扉が完全に閉じているから「結構」となるのです。まずそれをあなた自身理解して言葉を素直に受け止めましょう。
例えば「忙しいので結構です」と言われた場合の返しとしては、
「お忙しいところ申し訳ございません」と一度相手に対する自分の非を認めましょう。
でもここで終わらせてはいけません。
続けて「申し訳ございません最後に一つだけ教えて頂けますでしょうか。」と言ってみてください。これを更に「結構です」という人は、ほぼいません。
逆に「一つ回答すれば電話を切るんだ」という思考が相手に生まれます。
ここで貴方が聞きたい情報を一つ聞いてみてください。かなりの確率で正直な話をだいたい教えてくれます。
その会話の中でさりげなく話を横展開してみてください。びっくりするほどさりげなく話の展開が広がります。ここで引っ掛かるものがあればアポに繋げましょう。
条件反射で切り返しはNG
すんなり相手のNGを無視して切り返してはいけません。
・いらないので結構です→ですよね。でもこちらなら~です
・興味ないので結構です→とはいえ、こちらはこんなサービスが~です
・持っているので結構です→わかりました。でもこちらのほうがもっと~です
このような返しを行っている人はいませんか?相手顧客の感情をすべて無視していますよ。
「切り返さずに電話を切るのはテレアポとしてダメだ」という人もいますが、前途の方法でしか切り返せないのであれば顧客の心には寄り添えません。もう一度自分のトークを見直しましょう。
相手の気持ちを尊重できない返ししか出来ないのであれば、顧客からの信用を掴むことは難しいです。
断り文句で終了にしないコツ
断り文句を言われると思わず電話を切って会話を終わりにしようかなと思っていませんか?
まだ早いです。最大限やり尽くしましたか?
ここからは断り文句で終わらせないコツをご紹介いたします。
断り文句とは…そもそもの考え方を変えてください。
皆さんの多くは断り文句をネガティブな事であると勘違いしておりませんか?すべては考え方次第なのです。
【予算がない・お金がない】
表面通り捉えると「購入する予算がない」とは「お金ないから買えない」となります。
これはお金をかける意味・価値・サービスがあるのですか?という事です。
例えば、顧客からの「お金がないから」という言葉を真に受けてサービスの価格や製品の価格を下げようとします。そうすると更にすべての価値が下がります。重要なのは顧客の真意を理解する事です。
製品の価値を理解していないようであれば何が問題なのか、どこが理解されていないのかを今一度掘り下げることが重要です。
本質を掘り下げた上で、本当に予算金額不足であれば深追いの意味はありません。予算にあった別サービスの金額を提示提案するとよいでしょう。
【必要性を感じていない】
直球で捉えるといらないので必要ないと考えてしまいがちです。
しかしこれは必要性を感じていないというよりも、必要性を理解できていない可能性があります。
顧客が自分にとってどれだけ有益なものなのかを調べきれていない場合と、誤って理解している場合があります。
しかし気を付けてください。本当に要らない場合もありますので、それは話の前後や流れをよく見極めて切り返してください。
【すぐには決定できません。検討いたします。】
これは様々な提案を聞いていただけた後に訪れる断りです。
話を聞いて頂けるシチュエーションを設けているにも関わらず最後のクロージングが出来ていません。
しかし顧客との人間関係は出来ているのでそう難しくありません。決定できない理由を明確にしましょう。
電話越しの相手が決裁権のない方の場合は決定できるはずありません。決裁権のある人物に繋いでもらいましょう。
決裁権があるにも関わらず、すぐに決定できない場合はそれは「根本的な危機感を演出できていない」場合があります。今すぐに顧客が判断する事でどれだけメリットがあるか、そして損失に繋がってしまうのかを理解して貰いましょう。
しかしながら駆け引きは必要です。あまりにも煽り過ぎは不信感に繋がります。
【今忙しくて時間が無い】
この断り文句も表面だけ受け取ったら電話を切るしかなくなります。ですが考え方を変えてください。
どれだけ忙しくても価値あることには時間は割けますよね?
自分や会社にとって今忙しいよりも上回る価値の創出が出来れば、相手にとってはメリット以外の何物でもありません。むしろ話を聞かないほうがもったいないとなります。
それでも忙しいのは本当に物理的に忙しいという事です。無理強いすると信頼を失うので気を付けてください。
まとめ
テレアポで断られたらまずは発想の転換を行ってください。杓子定規に表面的な言葉だけ受け取っていたら成功はありません。
まずはこれを実践してみてください。
- お金がない、予算がないと断られた場合
視点の切り替えを行う
買うことのメリットと買わないリスクの提示
お金を算出できる時期を聞く
- 今忙しいと断られた場合
時間をずらす
連絡手段の変更
短時間を提示して切り上げる姿勢提示
- 既に同等製品を所持していると断られた場合
その製品を褒めながらも満足していない点を確認
- 検討しますで反された場合
回答時期を明確にする
決断を促す
検討する理由を明確にする
これを行うだけでも相手と会話する時間は以前よりも遥かに長く行うことが可能です。
顧客との対話に慣れてきたら上記を複合的に組み合わせて質問してみてください。質問を行うことで相手の不満や問題点を抽出できるようになります。そしてすべてプラス思考で考えてください。
マイナス思考で会話すると負の感情が表情と言葉にも乗ります。貴方と顧客がどちらもマイナスな感情では話が広がりませんし、本来の相手の気持ちを察することは出来ません。
会話を行い何に不安を感じているか抽出して、そこに自然に寄り添うように共感してみてください。相手の不安に共感することで少しずつ信頼を得ることが可能です。
人の性格は様々ですが、多くの皆さんは共感すると自分のことをわかってもらえているのだという気持ちになります。そして閉じていた耳が広がってきます。
上記のように様々な切り返しを駆使して相手をコントロールすることで結果を出すことが可能です。
でも最終的には人と人ですので、小手先の技術ではなく人間関係の構築は必須です。きっかけを作るために導入は様々なパターンで自分なりのテンプレートを作成するのは間違いではありません。
その先には相手との信頼関係が生まれていると思いますよ。