営業で「紹介したくなる人」に共通する5つの特徴|心を掴む技術

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営業で成功するためには、単に商品やサービスを売り込むだけでなく「紹介したくなる人」になることが大切です。ただ、営業マンのなかには次のような悩みをもっている人もいるでしょう。

「Aさんは人からすぐに紹介してもらえるのに、自分はどうしてダメなのかな」

顧客からすぐに紹介してもらえる営業マンは、労力をかけず成約率を上げているように見えますが、実は見えないところで営業力を磨く努力をしているケースは多いのです。

今回は、営業で「紹介したくなる人」に共通する5つの特徴や心を掴むコツを紹介します。まずは紹介営業の概要やメリット、デメリットを確認しましょう。

紹介営業とは?そのメリットとデメリット

紹介営業とは、既存顧客や社内の人脈から見込み顧客となる人を紹介してもらう営業を指します。通常の営業で見込み顧客を開拓するには、相当の時間やコストがかかります。

しかし、紹介営業によって既存顧客や信頼できる人から紹介を受けるのは、見込み顧客をスムーズに獲得するうえで有効です。

紹介営業の3つのケース

紹介営業に関わる人やルートなどは、「既存顧客」「社内の人脈」「知り合いや友人」の3つのケースに分けられます。

BtoB営業であれば、既存顧客から取引先企業や担当者を紹介されます。社内の人脈では、自分の担当部署に関連する職種の人を紹介してもらえるでしょう。

BtoC営業の場合は、知り合いや友人から見込み顧客となる人を紹介される可能性が高いといえます。
紹介営業は、成約率を高める際の有効な手段として企業が積極的に採用している営業法といえます。

次に、紹介営業のメリットとデメリットを紹介します。

紹介営業3つのメリット

紹介営業を企業が採用するのは、メリットが大きいためです。ここではメリットを3点取り上げて解説します。

効率的に成約へつなげられる

紹介営業は、効率的に成約率を上げられる方法といえます。

営業でもっとも高いハードルが「信頼」を獲得することです。紹介営業は通常の営業と比べて当初から「信頼」を得られるため一気に成約に進む場合があります。

手間や時間、コストを大幅に削減できスムーズに商談を進められる点が、企業にとって大きなメリットになります。

他社と比較されにくい

「他社と比較されにくい」とは、見込み顧客となる企業や顧客が他社商品やサービスとの比較にかける時間を削減できることを指します。

信頼のおける人から紹介を受け、ニーズがマッチしているケースが多いことから、他社との比較検討の時間をもたずに成約に進めやすいといえます。また、たとえ比較する必要があっても視点が明らかであるため効率的に検討できます。

顧客も安心できる

初めて会う人に信頼を寄せられるのは、よく知っている人からの紹介である場合です。紹介営業はその条件が整っているため、顧客が安心して話を聞いたり契約へと進んだりできます

通常の営業ではまずは信頼関係を築くことが第一目標で、会ったその日から成約につながるケースは稀です。つまり、紹介営業は信頼関係を築くまでの時間を短縮でき、より強い関係をつくるチャンスになるといえます。

また、知っている人から紹介される場合は、商談の場で有益な提案を受けたり特典をつけてもらったりしやすい点もメリットといえるでしょう。

紹介営業3つのデメリット

紹介営業はメリットばかりではなく、デメリットもいくつか挙げられます。その内容を知り営業方法に工夫をこらせば、デメリットと感じる場面は減らせます。

ここで3点のデメリットを確認してみましょう。

受け身の営業スタイルになりやすい

通常の営業は自社から積極的に働きかける手法で、見込み顧客の獲得に向けて情報収集&分析をしたり戦略にもとづいて攻勢をしかけたりします。

しかし、紹介営業は既存顧客や知人から実際に紹介してもらうまでは「自分から動けない」営業法です。突然紹介される場合もあり、営業戦略に組み込みにくいデメリットがあります。

また紹介者は、類似する業種あるいは既存のニーズにもとづいて紹介してくれるため、新規顧客を開拓したい場合は紹介営業が必ずしも良いとはいえません。

断りづらい場合もある

「いつ誰を紹介するのか」について紹介してくれる人が決めるため、顧客がどのような人であれ自分が選ぶことはできません。一度紹介されて「ちょっと自社の考える顧客とは違う」と感じても断りづらいのがデメリットです。

既存顧客や知人から顧客を紹介してもらう場合、自社商品やサービスに関する理解を共有できないため、見込みの薄い顧客を紹介される可能性もあります。

とはいえ「せっかく紹介してくれた顧客だから…」と思い、安易に断れず対応などで時間をとられてしまうケースもあるでしょう。

顧客との信頼関係に影響する

紹介営業の場合は、営業マンと顧客に加えて紹介者が関わるため、三者の関係性を良好に保つ努力をしなければなりません。通常営業では”自分と相手”の二者関係ですが、三者となれば想像以上に難しいと感じる場合があるでしょう。

このため紹介営業で成約率を上げるには、営業マンに質の高い営業力が求められます。

営業で「紹介したくなる人」の特徴5選

デメリットをあまり感じないようにするには、ここで紹介するコツを実践する必要があります。紹介営業のメリットを最大限感じられるように、今回は「紹介したくなる人」を5つに絞って解説します。

第一印象が良い人

やはり第一印象は大切です。外見はもちろん、所作や話し方などから清潔感が伝わるように努めましょう。

第一印象をよくするポイントとしては下記の5点が挙げられます。

  • 外見(さわやかな笑顔・清潔感のある身だしなみ)
  • 所作(良い姿勢・あいづち・会話に応じた表情)
  • 話し方(挨拶・目を見る・落ち着いた声のトーン)

話し方については「相手の話を聞くこと」と「自分からアピールできること」のバランスを大切にできている人が「紹介したくなる人」といえます。

顧客の気持ちに寄り添える人

顧客の気持ちに寄り添う姿勢は、紹介営業であっても営業の基本スタイルです。紹介したくなる人は、話をよく聞いて共感や質問などで気もちをくみ取れます。

また「話をよく聞く」とは、単に「はい、そうですね」を連発することを指しません。相手の話を折らず最後まで聞きながら、ときには顧客にとって最適な解決策を提供する姿勢も必要です。

コミュニケーション力の高い人

コミュニケーション力の高い人とは、下記の3点を指します

  • 相手の話を聞き、自分の話をスムーズに進められる
  • 思いやりや配慮を示せる
  • 笑顔や会話から信頼関係を築ける

営業活動において思いやりのある言葉を伝えていても、実のない話は嫌がられるかもしれません。顧客は気持ちに寄り添ってもらうのを歓迎しつつ、自身のためになる話を求めています。

営業マンを紹介する人も紹介を受けた人も「この営業マンと話すと勉強になるし、〇〇してみようと前向きになれる」と感じるような会話力が求められます。

知識や経験が豊かな人

紹介したくなる人は、商品やサービスに関する知識や営業経験が豊富である人です。

逆に紹介されても商品やサービスに関する知識に乏しく、経験上の話をされない場合は「大丈夫だろうか」と不信感をもたれるでしょう。

顧客の質問にもエビデンスをもとに回答でき、自信をもって商品やサービスを提案できる営業マンが「紹介したくなる人」として信頼してもらえます。

ポジティブ思考&行動力の人

自分の目標を設定し行動力を発揮できる人は、相手にポジティブな印象を与えるため、顧客に紹介してもらいやすくなります。

こうした姿勢は第一印象でも伝わり、見た目や話し方で「この人はエネルギッシュだなあ」「考え方がポジティブでいいなあ」と感じてもらえます。

単に調子がよくその場限りの話をするような人、ポジティブだけれど顧客目線でない人は紹介してもらえません。信頼関係を築くにはやはり「顧客のために自分は何ができるか」考え行動することが大切です。

顧客の心を掴むために

紹介営業で成約につなげるためには、通常の営業と同様に「信頼関係づくり」が重要である点を覚えておきましょう。

ただ、紹介営業の場合は三者が関わっています。このため、本当の信頼関係を築いたり続けて関係性を保ったりするのに、通常の営業以上に神経をつかう可能性があります。

高度な営業スキルを身につけるにも「何に注意すべきか」悩むところでしょう。ここでは顧客の心を掴むために知っておくべき点を3点紹介します。

紹介営業のタイミング

紹介営業をおこなう際は「タイミングをしっかり計る」必要があります。タイミングを計るポイントとして、下記の3点を紹介します。

  • 紹介者に対する配慮
  • 初めて会う顧客に対する配慮
  • 季節やシーズンに対する配慮

各ポイントについて簡単に解説します。

紹介者に対する配慮

「紹介者に対する配慮」は、自身が「紹介したくなる人」と認められ、先方に紹介してくれる旨を伝えてもらったときから始まります。うれしくてもすぐに会わせてもらう約束をせず、まずは自社商品やサービスが相手にとって必要かどうか吟味しましょう。

吟味せずに商談の場が設定された場合、実際にやり取りして「自社商品とニーズがマッチしない」となれば時間の無駄になるだけでなく、紹介してくれた人の立場も危うくなるでしょう。

初めて会う顧客に対する配慮

「初めて会う顧客に対する配慮」とは、実際に会う顧客のニーズをしっかり把握したり商談の場でうまくいかない場合の提案を示したりすることを指します。

ニーズが合致するだろうと予想して商談の場に持ち込めたとしても、実際は見込み顧客になりえない場合もあります。違う商品やサービスを案内したり、今後の見込み顧客と考えてつながりを保ったりするなどの配慮も必要です。

季節やシーズンに対する配慮

「季節やシーズンに対する配慮」とは、たとえば夏に需要が多くなる商品であれば、少なくとも数ヶ月前には商談を設定することを指します。せっかく商品やサービスを紹介しても「もっと早く紹介してほしかった」となるのはタイミングが合わないケースです。

逆に「もう少し後でないと予想が難しい」とされる場合もあるでしょう。紹介営業でも通常の営業と同じように顧客ニーズをしっかり考えなければなりません。

このように「紹介したくなる人」として既存顧客に認められたとしても、その時点で営業の見通しをもちタイミングを見計らう姿勢が顧客の心を掴むことにつながります。

顧客に信頼してもらう

通常の営業と同様に、紹介営業であっても顧客に信頼してもらわなければ成約につなげられません。紹介者から顧客を紹介される前に、いかに紹介者との関係性を築けるか…ここが重要ポイントとなります。

紹介者と信頼関係を築ければ、紹介営業で成約させる率を高められます。信頼関係づくりに必要なポイントを下記にまとめます。

  • 顧客にとってよりよい提案をしてくれる
  • 顧客の悩みや世間話にも耳を傾けてくれる
  • 自分の経験を交えて話し共感を得る

顧客の話を聞くだけでなく、顧客にとって「よりよい提案」をしてくれる営業マンは信頼されます。また「実は今、資金が足りない」「〇〇のことで困っている」などの悩みを理解し、顧客とともに解決策を探る姿勢も大切です。

ときにはフランクな話もできる営業マンは顧客の本音を聞き出すのも上手です。また実際に商品やサービスを購入してもらって終わりではなく「その後はいかがでしょうか、お気づきの点がございましたらぜひお知らせください」と、事後に連絡をくれる営業マンも顧客の心を掴みます。

このように「聞く」「話す」のバランスがとれ、気遣いのできる明るい人を「紹介したくなる」のは当然といえるでしょう。

”いい人にいい人を紹介してもらえる”率を上げれば、営業全体の効率化や企業の業績向上につながります。

まとめ

「紹介したくなる人」になるには、日々研鑽する姿勢が大切です。たしかに生来もっているコミュニケーションのセンスや対応力などは、営業姿勢に反映されます。

しかし、本当の意味で営業の質を上げるには、目的を明確に持ち「何をどうすればいいのか」考えながら行動する習慣が必要でしょう。その経験や知識が実際の場で生きてくるのです。

今回の記事を参考に「紹介したくなる人」として自分に足りないものは何かを見極め、磨くためにはどうすればよいのか考え行動に移していきましょう

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