テレアポを行う上で学ばなくてはならない基礎は沢山あります。
話し方・相槌・断られた時の切り返しやアポの取りやすい時間帯の把握など、数えるとキリがない程にあります。
ここで取り上げますのは、意外と認識していない方が多い「電話勧誘時間にルールがある」という事です。
この記事で学べる事
・電話勧誘でしてはいけない時間帯
・ルールを守らないと罰則も
・電話勧誘以外のマナー違反もある
電話勧誘を行ってはいけない時間帯
顧客が電話に繋がり易い時間帯は、日常的に試行錯誤行い数々業界別に勉強を行ってきたと思います。
しかしながら電話勧誘を行ってはいけない時間帯があることをご存じでしたか?
一般的なマナーの範疇での電話なら何時でもよいと言う訳ではないようです。電話勧誘を行う上では大事なところなのでしっかり一緒に学んでいきましょう。
特定商取引に関する法律
特定商取引法とは「事業を行っている者による違法かつ悪質な勧誘行為等を防止する事」と、「消費者の利益を守ること」の2つを主目的とする法律です。
具体的な例を挙げると、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルが生じやすい取引類を対象にしております。
電話勧誘を行う業務はこれに準じます。
内容としては事業者が守るべき基本的なルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを細かく定めている法律となります。電話勧誘もこの法の下活動を行う事を義務付けられております。
特定商取引に関する法律施行規則では、
「第七条法第七条第一項第五号の主務省令で定める行為は、次の各号に掲げるものとする。
一訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をし、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除について迷惑を覚えさせるような仕方でこれを妨げること。」
特定商取引に関する法律施行規則で明確に「迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をし」とあります。
勧誘電話での営業で顧客が不快感を与える時間帯に連絡してはいけない事になっております。
当然の法律ですよね。販売側が時間無制限に連絡しまくったら迷惑以外のなにものでもありません。しかしながらこの法律を読まれてすぐに疑問を持たれた方は多いと思います。
法律上明確な定義はない
規則で書かれている「迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘を行ってはならない」時間帯とは具体的に何時なのでしょうか?
法律上記載しておきながら実は明確な時間はありません。
では何時までなのでしょう?
定義している具体的時間が無いと言ったら少し語弊がありますが、明確な時間を定義しずらいといった方が良いのかもしれません。明確な時間の定義が無い以上顧客に対して不快を与えてはいけない時間を推察するしかないです。
何時であろうと顧客が不快と判断した時点で勧誘活動を停止しないといけない事になります。
世の中は朝方の生活スタイルの方もいれば夜型の生活の人がいるのも事実です。夜勤や夜仕事の人に朝電話を掛けると就寝中ですのでご迷惑になります。
あくまでも一般的な万民が思うところの夜9時から朝8時までの時間は割けることが無難です。
宅地建物取引業法でも!?
特定商取引法だけ勧誘時間を制限しているわけではございません。不動産関連業の電話勧誘も実は規制があります。
宅地建物取引業法施行規則第十六条の十二‐ホでは、
「迷惑を覚えさせるような時間に電話し、又は訪問すること。」
これを禁じております。
特定商取引法同様に具体的な時間は明記していないものの、迷惑を覚えさせる時間帯に電話勧誘を行ってはいけません。
不動産関連の勧誘を行う方々も気を付けましょう。
違反すると何が起きる?
社会のルールは守らなくてはなりません。法規で決まっている以上違反すると罰を受けます。
ちなみに特定商取引法に違反すると消費者庁から法律上で様々な措置が行われがちです。
措置の段階ごとにご説明致します。
業務改善指示
販売業者の業務方法に問題がある場合、問題点を指摘しその改善方法を指導・指示することにより業務改善の機会を与えるものとなります。
主に指示書や面談等で行われることが多いです。
違反を行う行為をすると、まず業務改善指示を受ける事になります。自分に不手際がある場合はここで必ず改善しましょう。
業務停止命令
行政に改善の余地なしと判断される悪質な場合は、改善できるまで一時的に業務停止命令を受けることになります。
度重なる業務改善指示を受けると、改善できるまで業務停止です。
自分では悪いと思っていなくても、受け手が不快に感じる行為を慢性的に行ってはいけません。業務停止命令は会社にも迷惑を掛けてしまいます。
個人で責任をとれるなら自己責任ですが、会社に迷惑を掛けるとそこには複数の同僚・上司などもおり、社員全体の生活まで脅かす事になりますので早急に考え方含め改めましょう。
業務禁止命令
改善すら不可能と判断された場合の対応は更に重く、業務自体を行う事を完全に禁止されます。
無意識にここまでの命令を受けるような方々は本記事を読まれている人にはいないと思いますが、ここまでくると作為的な詐欺行為を行うようなレベルの話です。
罰則もあるので注意
改善命令や指導・停止の処分だけであれば責任は希薄になりがちです。
「少し業務内容を変えればよいだけだ」などと思う人もいるかもしれません。なかには業務を停止した事にして、同じ事を繰り返す悪徳業者もいる可能性もあります。
これを防ぐため重罪とみなされると担当者及びその法人が処罰を受けます。
罰則といたしましては下記の2つです。
・個人は3年以下の懲役刑又は300万円以下の罰金
・法人として訴えられると、なんと3億以下の罰金刑を支払う
最大の3億円の罰金を受ける事はよっぽどの事案でなければ請求されませんが、そのくらいの覚悟をもってルールを守り電話勧誘を行わなければなりませんね。
軽はずみの行為が原因で多額の罰則を受けることになります。知らないでは済まされない金額ですのでルールは確実に把握しましょう。
時間以外にもあるマナー違反の種類
マナーは価値観で判断する人もいて、なんとなく今までの経験値などで判断する事も多いかと思います。
実際には時間以外のマナー違反も多くありますのでここであわせて覚えておきましょう。
①事業者名・販売業者名又は役務提供事業者名の開示を行わない
電話勧誘を行う業者は、まず勧誘の前に業者名の告知を行う事が義務となっています。
普通の感覚ですと顧客に伝えるのが当たり前ですが、詐欺等を目論んでいる悪質な人は名乗らないケースが多いです。
②電話勧誘主の名前を告知しない。
通常は①の流れから「~商事の〇×です」とアプローチを行うのが基本です。
③虚偽の案内を行う
販売を行おうとする予定の商品や権利の内容が事実と異なるサービスの種類を案内・説明する。
虚偽の内容を案内して購入を促す行為を行ってはいけません。
虚偽とわかればクーリング・オフで解約・返品できますが手間になりますからね。
④勧誘電話である事の開示
電話を行っている本来の目的が売買契約もしくは役務提供契約の締結について勧誘している電話である旨を予め先に開示しておかなくてはなりません。
流的には簡単に示すと
自己紹介→勧誘案内→サービス案内→契約
このような流れにならなくてはいけません。
⑤断り後再勧誘の禁止
最後は一度断りを入れられたら再度電話勧誘を行えない。
これは皆さん気づいていないケースが多いです。
「一度断られたくらいで諦めるな」なんてよく聞きますがこれは実はNG。
特定商取引に関する法律で明確に禁じております。
(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止)
第十七条販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。
電話勧誘では一度購買契約を行わない旨の意思を表明すると、その相手には再度営業電話を掛けてはいけないことが法律で決められております。
拒否を遮って提案し続けたら違法行為となりますので気を付けましょう。
都合のよい時間を聞く
相手の都合が良ければ、それが例えば昼食時であろうと夜中の1時だろうと構いません。
顧客の意向であればそれは迷惑を覚えさせる時間ではないです。
自分にとってではなく相手にとって都合の良い時間だときちんと確認して対応できていれば全く問題ありません。
アポどりを効率よく行う
アポどりを効率よく行うとは何を主体として考えるかによっても異なります。
上記で上げたようなマナー違反を行う事で発生する顧客との問題は間違いなく無駄な時間です。
それに付随する2次災害なども含めて無駄を削ぎ落していく事で自然と効率は上がってくるでしょう。
失敗から得る事も、もちろん多々あります。ミスを最小限に留めて、そこから得る効果は最大限に発揮させる為の予備知識の習得は忘れずに行いましょう。
まとめ
電話勧誘は何時までよいものなのか、それに関連した法律なども今回学んできました。
勧誘時間に関しましては具体的に「何時から何時まで勧誘電話を行ってはならない」と決まっていない事が意外でしたね。
それは人それぞれの生活スタイルにて不快に思われる時間帯が異なるため明記できないという事でした。
どのような顧客に対して電話勧誘を行うかにより、その都度考えながら電話を行う必要があります。
その時のTPOをわきまえて相手の立場になり考えて勧誘を行いましょう。自分がされて不快になるような時間帯は相手も同様のリアクションとなる可能性が高いです。
常に様々なシチュエーションでのアンテナを張り巡らし活動を行いましょう。