商談後のお礼メールはこう書く!好印象でプラスに作用するメッセージ

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商談後におこなうお礼メールは、営業パーソンが顧客との関係を築きながらビジネスを円滑に進めるうえで重要な手段です。

昨今は対面によるやり取りだけでなく、メールやオンライン会議など非対面ツールを通じて取引先とのコミュニケーションを図るケースが増えています。そのなか、顧客との信頼関係を構築するために、お礼メッセージの内容やタイミングなどを吟味する必要性が高まっています。

そこで今回は、商談後のお礼メールの役割や内容、気をつけるべき点について解説します。また記事の後半では、好印象でプラスに作用するメッセージの書き方についても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

まずは、商談後のお礼として考えられる方法やツールについて解説します。

商談後のお礼を伝える方法

商談後に先方へお礼を伝える場合は、電話やメール、チャットなどの方法を用います。状況や相手に合わせて、もっとも適した方法を選ぶ必要があります。以下のように、3つの方法にはそれぞれ特徴があります。

電話のメリットは、直接相手の声を聞けて信頼関係を築きやすい点です。すぐに連絡をとれるため、急ぎの用事があるときに便利といえるでしょう。ただ、相手の都合を伺う必要があり、時間帯によっては連絡がとりにくい場合があります。また、電話で話した内容を事後に確認しにくい点がデメリットといえます。

メールはいつでもどこでも連絡を取れる点がメリットといえます。さらに、文章で連絡するため誤解を招くリスクを減らせます。デメリットとしては、電話に比べて親密さを感じにくい点が挙げられます。課題を解決するためには「顧客にどのようにして信用や親近感をもってもらうか」を考え、好印象を与えるための工夫が求められます。

昨今頻繁に利用されるビジネスチャットは、リアルタイムでやり取りができ、文章だけでなく画像や動画を添付できる手軽さがメリットといえます。しかし、長期的な情報の保存としては扱いにくく、細かいニュアンスやお礼の意図が伝わりにくい点がデメリットです。

以上の点から、今回のテーマであるメールは、電話やチャットのデメリットを減らしたり解消したりする役割を果たすといえます。しかし、メールは親密さを感じにくいといったデメリットがあるのも事実です。顧客との信頼関係づくりには意図的にメッセージを送る姿勢が求められます。

次に商談後のお礼メールが果たす3つの役割について解説します。

商談後のお礼メールが果たす役割

商談後のお礼メールには大きく3つの役割があります。それは以下のとおりです。

  • 商談時に話した要点を確認する
  • 迅速で丁寧な対応で信頼関係を強化する
  • 顧客が商品やサービスの検討を進めるための後押しをする

以上の3点について順番に解説します。

商談時に話した要点の再確認

お礼メールを通じて商談時に話した要点や合意事項を再確認することで、認識の不一致を防ぐ効果があります。具体的には、お礼メールのなかで商談で話した内容を要約して伝えたり、お互いの理解や次回の日程などを確かめたりします。また、商談で共有した資料や提案内容の補足事項を添えることも効果的です。

以上の確認を怠れば、商談をスムーズに進めるのが難しくなり、場合によっては顧客に不信感を抱かせる結果となるでしょう。

認識の不一致を防ぐためには、以下のポイントに留意します

  • 要点の共有:商談の合意内容を明確にまとめて共有する。相手の理解度も確認できる。
  • 誤解の解消:商談のなかで情報の不足があったり疑問点が生じたりした場合、メールで補足説明をおこなう(顧客が正確な情報をいつでも得られるようにする)
  • コミュニケーションの円滑化:顧客とのコミュニケーションを丁寧かつ明確におこない、わずかなギャップを埋める

以上のようなポイントを念頭におくと、お礼メールを送る効果が高まります。

迅速で丁寧な対応で信頼関係を強化

商談後の迅速な対応や的確なフォローは、信頼関係の強化につながります。お礼メールを丁寧に作成してすぐに送信することで、相手に好印象を与えられます。つまり、電話や対面でお礼を伝えるメリットと同様に信頼関係の構築につながるのです。

メールの内容については、のちほど伝える「メールの書き方や留意点、好印象が残るメッセージ」を参考にして適宜工夫を加えましょう。

顧客が検討を進めるための後押し

メールを作成する際は、商談時に質問された内容を盛り込み、顧客の要望に沿った追加資料を提示しましょう。顧客の自社商品やサービスに対する関心を高めながら、購買における判断を後押しできます

顧客が、商品やサービスの良さを認識しつつも「わが社にとって本当に必要だろうか」と悩んでいたり、予算の関係で導入をためらったりしている場合は、もう一押しが必要です。

押し売りは逆効果となりますが、お礼のメールのなかに「ニーズの再確認」や「不足情報の提供」などがあれば顧客の心を動かすきっかけとなります。

このため、メールの内容はテンプレートをそのまま用いるのではなく、顧客に合わせた内容やメッセージを盛り込むと効果的です。

商談後お礼メールの基本的な手順と内容

ここでは、お礼メールを送る場合の基本的な流れやポイントを解説します。

お礼メールの作成ポイントや例文を紹介する前に、顧客のメールアドレスを登録について解説します。相手に好印象を与える要素となりますので、ぜひご確認ください。

まずはメールアドレスを登録する

お礼メールを送る前に、まず顧客のメールアドレスを登録しましょう。商談時に受け取った名刺などに記載されているメールアドレスを使うのが一般的です

営業パーソンとして一歩リードするためには、相手のメールアドレスを一旦アドレス帳に登録することをおすすめします。アドレスを登録する際に「社名」「部署名」「役職」「氏名」に様をつけて情報を入力し、アドレス帳に表示されるように設定しましょう。

アドレス帳に登録すれば、メールを受信した顧客はあなたの所属や名前を確認できます。一般的な「無記名」や「差出人不明」のメールよりも、相手に信頼性を感じてもらえます。さらに、再度の連絡や返信を円滑におこなえる点もメリットといえるでしょう。

続いて商談後に一般的に用いられるお礼メールを提示します。基本的な内容について解説しますので、ご確認ください。

①件名は必要事項を簡潔に

仕事をしていると、日々多くのメールをチェックすることでしょう。メールの件名は伝えたい主旨をなるべく件名の前半にくるように記載するのがマナーといえます。たとえば、次の例を参考にしてください。

  • A件名:ご面談の御礼【株式会社◯◯◯◯の鈴木です】
  • B件名:【株式会社◯◯◯◯の鈴木です】本日◯◯サービスでお時間を頂いたご面談の御礼

件名は、メールにおけるタイトルです。タイトルで優先して伝えたいことはメールの主旨であり、今回は商談のお礼となります。

Aの件名は、主旨が最初に書かれているため、メールを受け取った相手に親切といえるでしょう。しかし、Bのように長々と記入してしまう件名も見受けられます。長すぎると相手に趣旨が伝わりづらく、あまり良い印象を与えません。Aのように簡潔で分かりやすい件名を意識しましょう。

➁会社や役職、氏名など

会社や役職、氏名などは「株式会社〇〇〇 〇〇部長 〇〇〇様」のように表記します。1行にまとめて表記する場合もありますが、一般的に株式会社を1行目に、役職や氏名を2行目に置きます。2行にわけたほうが相手によって見やすく、個人としても尊重されている印象を与えるでしょう。

③メール本文

メールの前半に、商談の機会をいただいたことへのお礼を記述します。商談が成立した場合や具体的な進捗があった場合には、それらに対するお礼も含めると良いでしょう。また、質問に答える必要性があれば詳細を回答するのがマナーといえます。

また、商談において顧客が興味をもった内容やコンテンツを盛り込むようにします。商談のなかで自社商品やサービスに関する質問への回答や、顧客が購入検討に役立つと思われるコンテンツの紹介をしましょう。

必要に応じて次回のアポイントや予定、今後の課題などを確認します。なお、アポイントの日時や連絡については、あらかじめ商談の終わりに提案し予定をすり合わせておくと効率的です。再確認することで認識の不一致を回避し、お互いに安心して取引を進められます。

④自社の情報&連絡先

末尾には自社の社名や連絡先などを含めた署名を必ず記載しましょう。明確に提示したほうが取引先に信用してもらいやすく、また直接連絡を取りたい場合にいつでも活用できます。電話やメールの宛先は営業パーソン個人宛になるように設定し、迅速な対応が可能になるようにしましょう。

お礼メールを送る際に気をつけるポイント

お礼メールを送る際には、以下のマナーに気をつけることが大切です

  • できるだけ早めにお礼メールを送る
  • 簡潔で読みやすいメールを作成する
  • 誤字脱字や文章表記に注意を払う

以上の3点について次から順に解説します。

できるだけ早めにメールを送る

お礼メールは商談後、できるだけ早めに送信しましょう。特段の事情がなければ、その日の営業時間内に送付することが基本です。勤務時間内に送れない場合は、翌朝に送るようにすると良いでしょう。

時間が経てば経つほど好印象を与える確率が低くなり、お礼メールを送ってもプラスに受け取られない可能性があります。「できるだけ早め」は鉄則と捉え、迅速に対応するように心がけてください。

もしも即日送信が間に合いそうにない場合は、テンプレートを活用したり事前にある程度作成しておいたりする方法もあります。ただ、実際の送信前に修正あるいは追加をするなど、客観的な視点でメール内容のチェックをしましょう。

簡潔で読みやすいメールを作成する

一文が短すぎても相手に伝わりにくく、逆に長すぎても読みづらい文章となってしまいます。顧客の立場になって読み返し、理解できる文章の長さ(50~60字)を心がけましょう。

また、適宜改行をおこなったり行間を空けたりして、読みやすい文章になるように見た目も整えます。顧客に合わせてメッセージを入れるなど、より感謝の気持ちが伝わるようにしましょう。

誤字脱字や文章表記に注意を払う

誤字脱字があるだけで印象を悪くしてしまうケースがあるため、メール作成後は一語一句をしっかり確認します。

意外に見落としがちなミスは、相手の役職や氏名です。サイトウさんの「サイ」の字も斉、齊、斎、齋があります。「そこまでこだわらなくてもいいだろう」といった安易な考え方をせず、名刺に書かれているとおりの漢字かどうか確認しましょう。

お礼メールで好印象を与えるメッセージとは

ここからは、お礼メールにおいて良い印象を与えるためのコツを紹介します。

お礼の気持ちを伝えるだけでは顧客の検討は進まない場合は多いといえます。お礼メールには、顧客が本当に知りたい情報を伝え、自社商品やサービスを検討してもらう材料として提供することが大切です。

具体的には、問い合わせへの回答や追加資料の提示などが挙げられます。また、顧客によっては「予算上、購入が難しい」といった事情も抱えている場合もあるかもしれません。この場合は、顧客にとって費用対効果を感じられるコンテンツを紹介するなど、契約締結に少しでも近づけるようなアプローチをおこないましょう。

以上のような工夫は、商談中の対話で確認できた顧客の声をしっかり把握しているかどうかで決まります。つまり、顧客とのコミュニケーションのなかで有益な情報を察知できる能力が必要なのです。

効果の上がるお礼メールを作成するためには、商談時の取り組みや姿勢が重要です。たとえば、商談内容をもとにメールを作成する場合は、次のポイントを参考にしましょう。

  • 問い合わせへの回答:「ご質問いただいた〇〇について以下のように回答いたします」として具体的な情報や解決策を提供
  • 追加資料の提供:「ご要望いただいた〇〇の資料を添付いたします」として詳細な資料を添付
  • コスト削減や購入のメリットを説明:「ご検討いただいている〇〇はコスト削減や生産性向上に大きく貢献するものです」「具体的な成功事例や特典についてご案内しますので、ぜひご確認ください」
  • 顧客との対話から得た有益情報の共有:「商談の際にお話しいただいた〇〇に関する市場動向について、以下のように情報を共有いたします」として最新データを提供
  • サポートや相談の申込:「ご検討の際にお困りごとがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください」として顧客の安心感や信頼を高める

以上のようなメッセージをお礼メールに盛り込むことで、顧客に対して有益な情報やサポートを提供できます。

ただし、具体的なメッセージは商談の内容や顧客の要望に合わせてカスタマイズすることが重要です。とくに3つ目の費用対効果や成約のメリットについては、押し付けがましい印象を与える可能性があるため、適切な言葉を選択して慎重に文章を作成しましょう。

まとめ

商談後のお礼メールは、顧客との関係を築きながらビジネスを進めるうえで重要です

お礼メールは、単にお礼の気持ちを伝えるためだけでなく、顧客が求める情報を記載し、顧客の検討を進める材料として提供できる利点があります。質問に対する回答や追加資料、顧客にとって有益な情報などを提供しながら、好印象を与える要素を盛り込みましょう。

必要に応じてフォーマットや文章をカスタマイズし、相手に心地よい印象を与えるよう配慮してください。本記事を参考にお礼メールを効果的に活用し、顧客との関係性をよりよくして事業の成功につなげましょう。

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