営業パーソンのなかには、新規開拓営業が辛く感じる方もいるでしょう。新規顧客に関わる情報分析をおこなってアプローチしても成果を得られない状況では、どんどん追い込まれてしまいます。
結論からいえば、新規開拓営業に対する辛さを「楽しさ」に変えるための方法はあり、やはり心持ちのあり方が営業のアプローチに影響を与えます。
本記事では新規営業に向かいづらくなっているあなたに、営業に対する前向きさを取り戻す方法についてくわしく解説します。自分に当てはまる背景を確かめながら、ポジティブな営業のアプローチを見つけていきましょう。
新規開拓営業が辛いと考えてしまう理由
新規顧客を開拓し、成約につなげるまでの過程が辛いと考えてしまう理由について整理しましょう。要因としては、以下の3つが挙げられます。
- 営業の業績になかなかつながらず、焦りと不安でいっぱいになる
- 顧客から断られるプレッシャーに耐えられない
- 毎回同じようなアプローチや断られ方によって意欲が続かない
次から順に解説します。
成果がなかなか出ない不安
毎日一生懸命努力しているのに、成果がなかなか見えないと、焦りや不安が募ることがあります。最初から成約に繋がらないと理解していても、日々の連続した失敗や断りには、ついモチベーションが低下してしまいます。
営業パーソンのなかには「失敗に囚われず、じっくりと長期的な視点で努力し続ければ、いつかは成功するはず」と自分に言い聞かせている人もいるでしょう。しかし、それが実践できない場合も少なくありません。
連続した失敗や断られる状況が続いても、どうやってモチベーションを維持するかが鍵となります。
顧客から断られるプレッシャー
新規顧客を見つけ、成約に結びつけるまでのプロセスは、最初から挫折感を味わいやすく、非常に困難なものとなります。一筋縄ではいかず、断られることが多いのが当たり前と割り切っていても、成果がなかなか得られない場合は、ポジティブな気持ちを保つのが難しくなるでしょう。このプロセスで徐々にプレッシャーが増し、不安やストレスが蓄積される状況が予想されます。
さらに、上司や先輩からのプレッシャーや、同僚が成功を収めている姿を見ると、自身に対する余計なプレッシャーが生じる可能性があります。このプレッシャーにどう対応してモチベーションを向上させるために何をすべきか考える必要があります。
毎回同じようなアプローチで意欲が下がる
同じアプローチや仕事のパターンが続くと、新規開拓営業を担当している営業パーソンたちのなかには、モチベーションが低下してしまう傾向があります
この背景には「仕事の単調さに耐えられない」「新しいアイデアを実践に移しにくい」といった気持ちを増幅させ、小さな成果に気づきにくい状況を引き起こします。変化があまりない毎日が続くと、楽しさを感じにくく業務に対する意欲はますます低くなってしまうでしょう。
ただし、毎回同じような状況を良しとせず、新たなアプローチを試してみることで打破できる可能性はあります。また、営業活動を単調にせず、さまざまな手法を取り入れる姿勢は、モチベーションの維持や業務の向上に役立ちます。
辛い!無理!を楽しいに変えるコツ
以下に、辛い、無理といった感情を「楽しい」「がんばった」といったポジティブな感情へつなげるためのコツを4つ紹介します。
失敗は成功のもと!ポジティブに考える
努力しても時には失敗したり顧客から強い態度で拒絶される場面はあるでしょう。その際に「失敗」や「拒否」に注視するのではなく、成功に向かう1ステップとして捉える姿勢が重要です。自分のしたことを反省するのは大切ですが、常に目標は何かと捉え直し、少しでも前に進む気持ちのあり方が望まれます。
マイナス思考の方にとって非常に難しい思考転換かもしれませんが、たとえば「失敗→学び直し→実践→成功」といった思考を重視し、「失敗」のみに留まることのないよう注意する姿勢が大切です。この姿勢が営業に対する前向きな気持ちにつながります。
顧客に断られてもフィードバックに活かす
顧客から初めてのアプローチを一方的に拒否される、あるいは期待していた結果を得られない回数が増えるほど、モチベーションを保つのは困難です。しかし、失敗に見える状況には必ずといって良いほど「学び」の要素が含まれています。
断られることでショックを受けるのは自然な感情ですが、感情に振り回される状況は避けなければなりません。可能な限り「客観的な捉え方」ができるよう努めましょう。
たとえば、感情が高ぶったときは深呼吸をして冷静になり、顧客の立場に立ってなぜ断られたのかを考えてみます。冷静な分析によって効果的なアプローチを考え、実践に移すことも可能になります。
日々の成果を小さな成功と捉える
たとえ小さな目標であっても達成したら喜び、まだ道半ばであっても日々の努力と進歩を認める姿勢は、モチベーションの維持につながります。何事もネガティブに捉える傾向がある営業パーソンにとっては、難しい取り組みかもしれません。しかし、毎日意識していくことで、確実にマイナス思考からプラス思考への転換が起こります。
たとえば、結果として新規顧客に断られた際も「電話で断られるのではなく実際に会ってくれたのだからOK!」「今は必要ないってことは今後の見込みはあるということ!」と判断します。この際、電話から面談へのアプローチ法の成功例として自身の営業記録に残したり、見込み顧客として絶妙なタイミングで再度アプローチをおこなったりする方向へつなげられれば、営業力を磨く機会となります。
小さな成功を積み重ねる思考の転換は、営業活動に対するポジティブな感情を生み出します。
他人を比較せず、自分の行動に注力する
他者との比較は、自身の成長を妨げる場合があります。他者との競争にフォーカスしてしまうと、営業活動が辛いと感じる場面が増える可能性があるため、自身の取り組みに集中するように努めましょう。
たとえば、日々の営業活動を振り返る際も他者との比較によらず、自分の進捗や目標に着目します。自身にフォーカスすることで、個々の進捗を前向きに捉え「がんばった!」「良かった!」「楽しい!」と感じる要素を見つけられます。
他人との比較や競争ではなく、自分自身と向き合う姿勢を重視し、成長の喜びをたくさん見出す姿勢は、仕事に対するモチベーションや充実感を高める際に役立ちます。このアプローチを通して、営業活動がより楽しく、前向きに感じられることでしょう。
新規開拓で成果を上げるための具体的な手立て
心の持ち方や向き合い方を変える習慣をつけると、少しずつ自分の感情をコントロールしやすくなり、より前向きな姿勢や行動をとれるようになります。ここでは、実際に営業活動の成果につなげるための具体的な方法として、以下の3つを紹介します。
- 顧客ニーズを徹底的にリサーチする
- 個別的なアプローチをおこなう
- 信頼を築くために対話を重ねる
以上について次から順に解説します。
顧客ニーズを徹底的にリサーチする
新規開拓営業を成功に導く鍵は、顧客ニーズを深く理解することにあります。市場動向やトレンド、顧客情報の掘り起こしなど丁寧なリサーチを通じて、実際にアプローチすべき顧客層や課題などが可視化されます。
具体的な手立てとして、以下の要素が挙げられます。
- 特定地域における顧客層の詳細な分析をおこなう
- 顧客層の購買行動や購買履歴など傾向を調べる
- Web上の検索状況を分析する
- 直接的なアンケートやインタビューをおこなう
- 競合他社の顧客ニーズを分析する
このような取り組みを経て、顧客のニーズに対する理解を深めることが重要です。リサーチを通じて得られた情報をもとに見込み顧客層を選定し、リサーチで得られた情報をもとに見込み顧客層を選定し、それに合わせた価値提案を生み出す必要があります。
個別的なアプローチをおこなう
それぞれの顧客に合わせてカスタマイズされたアプローチは、営業活動において結果を出すために非常に重要です。ターゲット層でおおざっぱに傾向を掴んだとしても、実際に個々は異なるニーズや要望をもっているため、より精度の高いアプローチ法を取り入れなければなりません。
見込み顧客から新規顧客へつなげるためには、ツールを活用したりアンケート調査で得た情報を確認したりするなど、さまざまな手段を駆使する必要があります。た、法人顧客の場合は企業WebサイトやECサイト、SNSの活用状況をベースに戦略的なアプローチが求められます。。
顧客が求めている商品やサービスは何か、抱えている課題はないかなど、詳細を分析し、顧客にとって最適な商品やサービスを選定します。その上で、実際のアプローチにつなげていくことで手ごたえを感じられる瞬間が訪れると認識しましょう。
信頼を築くために対話を重ねる
顧客との積極的なコミュニケーションは信頼関係の構築につながり、ビジネスの成功に直結する手立てです。積極的なコミュニケーションには以下の要素が含まれます。
- 顧客のニーズや悩みの把握を丁寧におこなう
- 顧客にとって最適な商品やサービスを提案する
- 顧客に対して適切なタイミングでフォローアップをおこなう
- 定期的に連絡をとったりセミナーを開催したりする
積極的なコミュニケーションは自社からの一方的な伝達だけでなく、顧客の立場に立って対話を深める姿勢が重要です。また1回で終わるアプローチではなく、地道で継続的なつながりを求める姿勢も新規顧客の獲得につながる大切な要素です。
以上、3つのポイントは、新規顧客を開拓して実際の成果につなげるために常に考慮したいポイントです。それぞれの顧客を意識した取り組みは毎回同じようなアプローチになることはありません。小さな成果や気づきを事後に活かす姿勢を大切にして、日々の営業活動をブラッシュアップしていきましょう。
前向きさは重要!ポジティブな姿勢を保つには
繰り返しになりますが、前向きな姿勢を保つためには失敗を受け入れつつ、それを学びに変えるメンタリティが欠かせません。失敗を受け入れるとは「失敗」に感情を入れ込み過ぎず、客観視する姿勢を指します。学べる要素を抽出する姿勢に転換することが重要です。
また、同僚や上司のなかで信頼のおける人に相談したりアドバイスをもらったりして、少しでも苦境から脱出するための要素を見つける姿勢も大切です。話を聞いてもらって安心し、営業活動を前向きに捉えるコツを得られればモチベーションをキープできます。
さらに、自分をいたわる習慣を積極的に取り入れていきましょう。日々の小さな成功を書き出したり、目標設定の見直しを図ったりして可視化する取り組みも有効です。とにかく自分の気持ちを前向きにさせるものを取り入れるようにします。
自分の好きな時間を思いきり楽しむ、家族や友人と旅行に出かける、美味しいものを食べる…など、モチベ―ションを保つために有益な策をリストアップしておくのもおすすめします。
まとめ
新規開拓営業が辛いと感じる背景には、成果の出ない不安やプレッシャー、単調なアプローチによるモチベーション低下などさまざま要因が挙げられます。辛い状況を少しでも「楽しい」といった気持ちに変えるためには、今回紹介したコツや方法を地道に実践する姿勢が大切です。
前向きさをキープするには、失敗を学びに転換し、周囲とのコミュニケーションや自己対話を重ねながら一歩一歩前進していきます。成功体験や自身の成長を振り返り、それを励みに未来への期待感を育てるイメージで取り組みましょう。自身の成長を自覚するように努め、周りと比較しないことを重視する姿勢も求められます。
本記事を参考にして、気持ちが少しでも軽くなるための行動を積極的におこない、ポジティブな変化を手に入れましょう。