逆営業で営業に営業を!Win-Winのチャンスを見逃すな!

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近年、営業のスタイルが多様化する中で注目を浴びているのが「逆営業」です。逆営業は通常の営業活動とは逆転の発想で、相手方が主導する営業の場において、逆に自社の提案を行う手法を指します。

営業の現場では既に取り入れられています。しかし、注意が必要なのは露骨な逆営業が信頼関係に悪影響を与える可能性があることです。

本記事では、ビジネスの成功に寄与する「逆営業」の基本的な概要から、効果的な活用法までを詳細に解説します。新たな営業の可能性を引き出し、相互に利益をもたらすWin-Winの関係を築くために、ぜひ最後までお読みください。

逆営業とは


近年、ビジネス環境の激しい競争の中で、逆営業が新たな営業戦略として注目を集めています。この手法は通常の営業スタイルとは一線を画し、相手が営業を行っている際に逆に提案を行うことで、効果的なコミュニケーションを生み出します。効果的なコミュニケーションとは一方的なアプローチではなく、双方向のやり取りが重視されるもので、相互の利益を促進する仕組みです。

逆営業は場の雰囲気に頼るだけでは成果を生まないため、まず相手先の事業やニーズを十分に理解し、その上で自社商品やサービスの価値を伝える必要があります。その視点をしっかり理解し、次章に紹介する逆営業のメリットを確認していきましょう。

逆営業のメリット


逆営業は、従来の営業と比較して以下のようなメリットがあります。いずれもWin&Winの関係性を築くうえで重要なポイントとなります。

  • 相手先の商品・サービスに関心があることを明示できる
  • 自社商品やサービスの価値を自然な流れで提示しやすい
  • 返報性の原理を取り入れて話をスムーズに進めやすい

3つのメリットについて、詳しく解説します。

相手先に商品やサービスに関心があることを明示できる

逆営業の価値を認識していれば、相手から商品やサービスの案内を受けた場合、たとえ初対面であっても相手企業に関心を示せます。逆営業といえば自分本位に受け止める方もいるでしょうが、実は相手に心を開いている証拠でもあるのです。「あなたと取引してみたい」といった前向きな姿勢を示すのは、相手に良い印象を与えます。

しかし、相手の意向を無視したまま逆営業を仕掛けるのは逆効果です。たとえば「うちの商品○○は▢▢において最適なパフォーマンスを実現します」のように一方的に話をすれば、相手は「自分のことばっかり話してなんだかなあ…」と不信感を抱くでしょう。

相手に対する気配りを忘れず適切な対応をとれば、逆営業は相手に対する関心度を示すチャンスと捉えることが可能です。より良い関係性を構築し、双方にプラスの効果を発揮すると考えられます。

自社商品やサービスの価値を自然な流れで提示しやすい

逆営業では相手先が自社に対して既に関心をもっているケースが多いため、自社商品やサービスについても紹介しやすい雰囲気があると予想されます。

相手の話を注意深く聞くなかで、相手のニーズや課題などを瞬時に把握できれば、逆に自社商品を紹介してメリットを感じてもらえるかもしれません。

そのためには、いつでも提案できる準備を整えておくと同時に、相手の話によく聞きアンテナを張り巡らしておく姿勢が重要です。

返報性の原理を取り入れて話をスムーズに進めやすい

逆営業では、相手の話を前向きに聞く姿勢を示したり良い反応を見せたりする場合、返報性の原理が働きやすくなります。先方にメリットをもたらす状況をつくり、相手にとって自社が「ありがたい存在」と意識される可能性を高めます。その過程で「自分もあなたのために何かしなければ…」といった思いを引き出しやすくなるでしょう。

返報性の原理が働く状況をつくれば、商談のなかで自社商品やサービスの魅力を伝えるチャンスを得られます。Win&Winの雰囲気が生まれ、商談が発展して両社にとって最大限のメリットをもたらす結果につながります。

逆営業は通常の営業手法を超えて、互いに利益を生む良好な関係性を築く手段です。営業の機会を自社側から設定しなくても、自然に訪れる機会を活用できるのは、営業の効率化という面でメリットといえます。

逆営業の現状と課題


逆営業にメリットがあるとはいえ、実際は簡単なものではなく、課題があるのも事実です。

ここで、逆営業の実態を知るためにオンリーストーリーが2020年に行った「営業に関する調査」を紹介します。20代~59歳までの会社員に行った調査で、法人営業を受ける際に逆営業をした経験があるかと聞いたところ「複数回ある」と答えた人が39.0%、「一度だけある」6.9%を含めると45.8%に逆営業の経験があることがわかりました。

また、この調査では、営業パーソンが「どのような営業担当者をダメだと思うのか」についても伝えています。そのなかには、ビジネスパーソンとして重視される要素が欠ける内容が含まれています。たとえば以下のとおりです。

  • 良い点しか説明しない
  • 一方的な商品説明を行う
  • こちらの話を聞かない
  • マニュアル化されている感じがする
  • 専門知識はあるがマナーがなっていない
  • だらしがない

このように人の話を聞かないというように自社にばかり優位に進めようとする姿勢は、Win&Winの関係に課題を残します。商談の結果、自社に優位になったとしても、いずれマイナス要素を受けることになるため、注意が必要です。

また、身だしなみや話し方、一般常識など、ビジネスパーソンとして最低限身につけておくべき要素を軽視するのは良くありません。通常の営業であっても逆営業であっても、どのような状況であれ、基本的なビジネスマナーを重視することを念頭におきましょう。

逆営業をWin-Winのチャンスに!その方法


実際に逆営業を実践し、どのような結果が得られるのかについて紹介します。

なお、先ほどの調査によると、電話営業を行っている営業パーソンが57.4%、訪問営業に関しては71.7%が実施しているといった結果があり、なかでもBtoB営業を行う人々が多いことがわかっています。

今回はまず、訪問営業における逆営業について解説したのち、電話営業とメール営業における逆営業のコツについて紹介します。

訪問営業に対して

訪問営業において逆営業を成功させるためには、4つのポイントが鍵となります。

事前の情報収集

訪問営業の前に、相手企業や担当者についての情報を充実させることが肝要です。相手の事業モデルやニーズ、課題、強み・弱みなどを徹底的にリサーチします。その上で提案内容を具体的かつ効果的に構築します。

提案の用意

情報収集を基に、相手のニーズや課題に対応する具体的な提案を用意します。相手にとって価値のある解決策やサービスに焦点を当て、その効果やメリットを分かりやすく説明できるように準備を整えます。相手企業が抱える課題に対して、自社が提供できる解決策を簡潔に示せる内容が望まれます。

積極的な対話

訪問営業の際は積極的で相手を尊重した対話を心掛けましょう。相手の期待や要望を把握し、その場での質問にも丁寧に答えることで信頼関係を築きます。また、相手の反応や感想に対して柔軟に対応し、提案内容を最適化するよう心がけます。

アピールのチャンスを見逃さない

商談や面談の場では、相手に逆営業するチャンスが生まれる場合があります。相手の事業や課題について的確に語りかけ、自社が持つ価値をアピールできれば、相手の関心を引けます。逆営業の機会を見逃さず、自社の強みを積極的に伝えましょう。

営業電話に対して

電話営業において逆営業を成功させるには、相手が無理なく対話に参加できるよう心がけることが重要です。冒頭で相手に対して興味を示し、相手企業に対して穏やかなトーンで質問します。具体的なアプローチとして、相手企業の事業や製品に対する関心を表明し、同時に自社の強みや特徴に触れます

たとえば、「弊社では貴社の最新の製品に興味をもっています。共同のビジネス機会があるのではないかと考えております。ただし、お忙しいところ恐縮ですが、貴社のビジョンや課題についてお聞かせいただければと思います。」といった具体的なアプローチが効果的です。

このような姿勢で質問することで、相手は自社に対する興味を示し、同時に逆営業が無理なく進行できる環境が整います。

メールに対して

逆営業のメールにおいては、相手の興味を引くために情報提供が鍵となります。一般的な商品やサービスの単なる説明だけでなく、業界の最新トピックや課題に関する深い洞察を伝えることが重要です。メールに返信する際は、冒頭で相手の事業や業界の特定の課題に触れ、それに関連する興味深い情報を提供しましょう。

この際、具体的なサービスやセミナーの提案、協力の可能性をさりげなく盛り込みます。迷惑メールを避けるため、相手のニーズや関心に合致する形で提案を行うことを念頭におきます。

たとえば、「貴社の課題に関連する最新の業界トピックをお届けいたします。また、弊社では関連セミナーを企画しており、ご興味がありましたら一報ご連絡いただけますと幸いです」といった提案を含めましょう。相手にとって魅力を感じる機会を示唆することで、逆営業の成功につなげられます。

これらのポイントを組み合わせ、自社と相手企業の両者にとって有益なWin-Winの関係を築くための戦略を展開していきましょう。

逆営業のチャンスを結果につなげるコツ


逆営業をするだけでなく、しっかりと成果へつなげるためには、以下の3点を考慮しましょう。

相手中心のアプローチ

逆営業の成功において最も重要なのは、相手中心のアプローチです。相手の立場や視点に立ち、真摯に向き合うことで信頼を築きます

一方的なアプローチではなく、相手の事業や課題に理解を示し、そのニーズや期待を具体的に把握していきましょう。相手が感じる価値を重視し、双方がWin-Winの関係を築くために、相手中心のアプローチを徹底する姿勢は成功の鍵となります。

具体的な戦略策定

逆営業が成果を生むためには、具体的な戦略の策定が不可欠です。たとえば、以下に分析ツールなどを活用したアプローチを紹介します。

ターゲット企業の絞り込み

BtoBに特化した分析ツールを活用して、市場動向や企業のデータを分析し、最も見込みのあるターゲット企業を絞り込みます。業界や地域、企業規模などの要因を考慮して逆営業の焦点を絞るのは、的確なアプローチとして有効です。

ニーズの把握とカスタマイズ

アナリティクスツールを通じて相手企業のニーズや課題を理解したのち、それに基づいて個別化された提案を用意します。相手のビジネスにどのように価値を提供できるかを具体的に示し、相手の関心を引く要素を組み込みましょう。

コミュニケーションの取り方を把握

アナリティクスはコミュニケーションの好みやスタイルも把握します。これに基づいて、相手が好むコミュニケーション方法や情報提供の形式を選定し、効果的なコミュニケーションの構築に向けて準備を整えます。これにより、相手がより関心を持ちやすい情報や提案を届けることが可能です。

競合他社との差別化

分析を通じて競合他社の動向やマーケットポジションを把握し、逆営業において差別化を図ります。相手企業にとって他社と異なる付加価値や特徴を強調し、自社の独自性をアピールします。

これらのアプローチは、分析ツールの有効活用によって逆営業の効果を最大化し、相手企業との信頼関係を築く上で重要な手段となります。

焦りや圧力は禁物

逆営業は時間と精神的な余裕を要するものです。相手に対して焦りや圧力をかける姿勢は避けましょう。ゆっくり、じっくりと相手との信頼関係を築く姿勢が重要です。

急いで成果を求める姿勢は相手に不安や抵抗感を与え、逆に協力的な雰囲気を損なう場合があります。

長期的な関係構築を重視し、相手が自発的に提携したいと感じる状態を作り出すことが、逆営業の成功への近道です。

まとめ

逆営業は営業の新たなアプローチであり、Win&Win関係の構築によって営業効果を相乗的に高める可能性があります。しかしこの過程には、地道な分析、効果的なコミュニケーション法、そして話すタイミングなど、多岐にわたる要素が影響します。

逆営業を成功させるには、日々の市場分析を欠かさず行い、相手に対して真摯なコミュニケーションを築く方法を模索しなければなりません。また、話すタイミングや相手の状況を的確に把握し、適切な提案を行うことで、相手との信頼関係を構築します。

紹介したアプローチをもとに、逆営業を通じた新しいビジネスの機会を見つけてください。取引先との良好な関係を築き上げて、より持続可能な成長を達成していきましょう。

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