「スキルやノウハウを磨いていても結果に表れない」「どうがんばっても契約がなかなか取れない」と悩む営業マンはいるでしょう。
契約件数をどれだけ取れるかが、自分や会社の業績アップにつながります。「営業力とは人間力」と話す人もいますが、人間力は単に”人のいい人”ではありません。契約を取り続けるにはコツがいるのです。
今回はまず、売れない営業マンの特徴を洗い出してみます。自分に思い当たる節があれば改善への道筋をつけましょう。そのために営業で契約を取るためのコツを解説します。
後半以降で「それでもやっぱり弱気になってしまう」という方へ対処法をお伝えします。ぜひ最後までお読みください。
ナゼか契約が取れない営業マンの特徴とは?
商品やサービスが売れないのには理由があります。ここでは、がんばってもナゼか売れない営業マンにはどのような特徴があるのか解説します。自分に当てはまる項目が1つでもあれば、改善すべき点として覚えておきましょう。
時間や身なりにルーズ
時間にルーズ、生活態度や姿勢もルーズ…あらゆることにルーズな営業マンは、お客様からマイナスに受け止められます。
見た目はルーズでも、自分の考えをしっかりもっている方がいるのは事実です。しかし、初めての商談に遅れたり、だらしない髪型や服装だったりしたら「第一印象」はよくありません。
第一印象が悪いと、営業マンの話を最初からシャットアウトしてしまったり、商品やサービスの説明内容に耳を傾けなかったり…など悪い影響を与えます。
人や環境のせいにする
人や環境にせいにしがちな方は、営業成績を上げるのは難しいでしょう。
- そもそも自社商品・サービスが良くないせいで、契約が取れない
- 会社や上司の考え方ややり方が悪いせいで、やる気も生まれない
- 先輩や同僚が優秀過ぎるせいで、比較されて余計に落ち込んでしまう
他者や環境のせいにする方は、自分自身に目を向けていません。他者や環境による生き方で、主体的でないといえるのです。
自社商品・サービスのファンではない
自社商品やサービスの詳細やよさを、自分自身が理解しているかどうかがポイントです。商品やサービスがお客様にもたらす効果や特徴が分からないのに営業しようとするのはNGです。
自分が好きでないものを、お客様に押し付けるようなものです。お客様は営業マンの姿勢や真意を敏感にキャッチし、商品やサービスにまったく興味を示さないでしょう。
また、たとえ興味をもってお客様が質問したとしても、営業マンに知識がないため適切に答えられないことになります。
ほかの人の話を聞かない
売れない営業マンの3つめの特徴は、人の話に耳を傾けないことです。お客様に「何かお悩みはございますか」と単刀直入に聞いたとします。
お客様は「実はね…」と詳しい話をしようとしているのに、営業マンが途中で話を遮り「自社商品は、お悩みを即座に解決いたします」と案内を始めるのはよくありません。
また、営業の基本を教えてくれる上司や先輩がいるのに、アドバイスや指摘に耳を傾けない営業マンは、営業スキルを身につけるのに苦労するでしょう。
目的をもっていない
何となく仕事をして帰宅する毎日を繰り返しているだけの営業マンは、なかなか契約を取れないかもしれません。
ほかに「できるだけ営業件数を伸ばす」「お客様には笑顔で肯定的な言葉から始める」ことを念頭においているのに、成約率を上げられない営業マンもいるでしょう。
何が原因と言えば、戦略的に仕事をしていない点にあります。会社や上司に任せきりか、数値目標を設定しない営業マンは結果につなげられず、やる気も下がってしまいます。
行動力が足りない
「自分は結局ダメ人間だ」「戦略的とかマネジメントとか無理…」と思っている営業マンは、行動に移すのをためらいます。
ダメだ、無理だという言葉で、問題から逃げてしまっているのです。実は人や環境のせいにしたり、人が〇〇してくれるだろうと頼ったりしている人は、行動につなげられず契約も取れない…となってしまいます。
営業マンが成約率をアップさせて契約を取るためのコツ6選
前章の内容は、営業で契約を取れない方にとって、厳しい言葉だったかもしれません。しかし、まずは自分の弱点、改善点をしっかり把握することが重要です。
改善点がわかったところで、成約率をアップさせるためのコツを解説します。自分の弱みを強みに変えるための方法です。
生活習慣や外見を整える
生活習慣や外見を整えると、自分の気持ちがすっきりします。まずは朝の習慣から変えてみましょう。
決まった時刻に起きる、朝食ととる、身支度をする、髪型をセットするなど、です。鏡で自分の表情を確かめ、暗い顔をしていたら笑顔の練習をしてみましょう。
会社では、姿鏡、ガラス越し、トイレなどで自身の表情や姿勢を確かめます。人目もあるでしょうから、さりげなくがポイントです。大げさですが、自分が自分のプロデューサーになるのです。
この習慣がつけば、お客様の前に自信をもって臨め、第一印象をプラスに転じられます。
自分の見方や考え方を変える
うまくいかなくて他者や環境のせいにしがちな方は、自分の見方に焦点をあて、考え方を変えるようにしましょう。
自分の見方や考え方を変えないと、転職や退職をしたとしても、結局は〇〇のせいにしてしまいます。どこに移っても最終的に同じ結果となるのです。
〇〇のせいを自分のせいにしなさい、ということではありません。契約を取れないのはなぜか、と自問し、自分が改善できる点にフォーカスするのです。
自分の内面に目を向けること、見方や考え方を変えることで、おのずと他者や環境に対する見方や姿勢が変わってきます。
※こちらの考え方については『7つの習慣』(著者:スティーブン・R・コヴィー氏)が参考になります。
自社商品やサービスを研究する
自社商品やサービスの営業マンですから、まずは自社の商品やサービスを研究し尽くし、よさをピックアップする姿勢が重要です。
徹底的に行えば、その時点で改善点が見つかります。解決に向けたアイデアを創出するチャンスかもしれません。お客様へ説明する際も、メリットだけでなく新しい使い方を提案できます。
また、自社商品やサービスのよさをアピールするためにも、業界の動向を調べる必要があります。競合他社の商品やサービスと比較して「特徴や強みは〇〇です」とお客様に伝えられるようにするのです。
ほかの人の話に耳を傾ける
ほかの人の話には必ず耳を傾けます。お客様の言葉は、ときに自分や会社にとって耳をふさぎたくなるような内容かもしれません。
まずは受け止めましょう。受け止めるというより、客観的に捉えるという意味です。嫌なことをいわれたら感情が先に入ります。しかし営業の場面では、お客様と自分との間にスペースをおくつもりで客観性を担保します。
言われた内容を会社に持ち帰り上司や同僚と共有しましょう。互いに考えやアイデアを出し合えば解決につながる要素が発見できます。お客様へ新たな提案ができ、契約へつながる可能性も生まれます。
営業とは、人々とのコミュニケーションのなかで存在・発展していくものであり、契約を取れるかとれないかもまた、自分次第なのです。
目的や目標を決め計画を立てる
やる気ややりがいは、営業の目的を定めて計画・実行することで生まれるものです。つまり「やる気がない」場合は、目的が明確でない場合が多いといえます。
やりがいを感じたい場合は、次のようにしてみましょう。
- 営業の目的を明確にする:1日3件回り5名/社の方と挨拶を交わす
- 目標を設定する:朝の時間を有効活用/1日3回姿勢のチェック/営業日誌をつける/夜は筋トレ
- 実行と改善:営業日誌に会社情報(特徴や悩みなど)と挨拶した方の名前の記録/営業トークや流れの反省点や言われた言葉を記録
目的がはっきりすると、目的を達成するためにやるべきことが明確になってきます。またやるべきことが分かれば、行動しやすくなり、行動したのちの達成感を抱きやすくなるでしょう。改善点の洗い出しも可能で、営業の質が自然とアップします。
DO(実行)を意識する
PDCAサイクル(Plan計画→Do実行→Check評価・分析→Action改善)のDOをやらなければ、分析や改善もできません。
実行しやすくするためには、目的や目標を明らかにする必要があります。ただ、慎重で心配性な方で、行動になかなか移せない場合もあるでしょう。
慎重で心配性な人は、さらに細かな行動設定をしてはいかがでしょうか。他者に公表の必要はありませんから、自分が行動するのに必要な事項を洗い出すのです。
行動数を増やすのは、いきなり大きなことをやりなさい、というものではありません。どんな小さな項目でもいいので、できることは即行動に移しましょう。
契約が取れなくてモチベ―ションが下がり続けるときは?
前章のコツを読んで実行に移したとしても、なかなか営業成績の向上や成約率アップにつながらない可能性があります。「やっぱり自分はダメだ」と思い、モチベーションが下がってしまうかもしれません。
ここでは、モチベーションが下がり続けてしまった場合の対処法を解説します。普段から意識したい視点です。ぜひご活用ください。
趣味を楽しむ
趣味を楽しめるというのは、仕事を続けるうえで重要な要素です。趣味がないという方は、気分転換になるモノやコトがあればいいので、大げさに考えすぎないようにしましょう。
たとえば温泉に入る、ドライブをする、カフェでまったりする、何も考えずに散歩をする、映画鑑賞や読書をする…などなんでもいいのです。ただ、ゲームのように夢中になりすぎて次の朝…とはならないようにしましょう。
ほかにも日光浴、森林浴などもおすすめします。自然のなかに身を置くだけ、眺めるだけで気持ちが安らぎ英気を養えるでしょう。日ごろからスマホやPCにどっぷりつかっている方ほど、自然に還るのは必要かもしれません。
人に話をする
営業では自分が話をするより、他者の話に耳を傾けることが重要です。しかし「いつも聞いてばかりでは疲れる」のも事実でしょう。
家族、友人、恋人など職場以外の人に自分の話を聞いてもらいましょう。ただし、単なる愚痴の会とななり、事後に疲労感をおぼえるようだとよくありません。
その場合は、たとえば心理カウンセラーや産業医などの専門家に相談してみましょう。営業や仕事に関する悩みをもっている場合は、専門家に相談した方が具体的な指針や改善点が見えてきます。
また、信頼のおける上司や先輩営業マンに話すのもいいでしょう。トップ営業マンは、苦い経験をもっている場合が多いのです。乗り越え方のコツを教えてくれる可能性もあります。体験話を聞いてポジティブな気持ちを共有できたら、先輩との関係性もよくなり、その後の支えになるはずです。
ポジティブ言葉を集める
悩みを深くすると、ネガティブな感情や思考でいっぱいになってしまいます。負のスパイラルに陥りそうな場合、どこかで断ち切る必要があります。
外に出かけたり人に相談したりする気になれない方は、読書の時間を設定しましょう。図書館や書店に入るだけでも、ほっとするかもしれません。ポジティブなビジネス言葉を仕入れ、良書を見つけたら借りて(買って)みましょう。
また、ネットにもポジティブな言葉を紹介しているサイトがあります。仕事に悩むのは世の中にあなただけではありません。いつでも見直せるMyノートを作成し記録に残しておきましょう。
職場や業種を変えてみる
どのような策を講じても、なかにはやめようと思う方がいるかもしれません。実際に、転職サイトや転職エージェントで相談を始めている方もいるでしょう。
職場や業種を変えればモチベーションを上げて働ける可能性はあります。自分の見方や考え方を変えたり自分の内面を分析したりした結果、業種変更で可能性が広がると判断する場合もあります。
転職エージェントに相談したところ、自分に見えない視点を教えてもらい、モチベーションを上げる機会となるかもしれません。あらゆる可能性を拾い集め、挑戦してみるのも貴重な経験となります。
乗り越えた先には契約を取れるトップ営業マンになれます
「いろいろな悩みを抱えながら仕事をしている営業マンは多い」と考えましょう。いいときもあれば上手くいかないときもあり、それぞれが学びのチャンスです。
目の前の状況を鑑み自分自身に目を向けて、改善できる点を探っていく姿勢、あるいは乗り越えた先に、トップ営業マンの道がある!と信じる姿勢は重要です。
- 営業は楽しく、自分がやっただけの報酬をもらえる仕事
- 営業はお客様に近く、直接お礼を言われる仕事
- 営業は多くの人や考え方に触れ、自分を磨ける仕事
こんなふうに、営業職を笑顔で語れるようになれます。後輩にあなたが培ったノウハウを伝え、育てるのも新たなやりがいにつながります。
まとめ
今回は、営業の成約率がなかなか上がらず、モチベーションダウンの営業マンに向けてお伝えしました。営業マンに向いていないのではなく、営業に向かう考え方や姿勢を変えれば、改善できます。
自分のマイナス面をまずは自覚し、何をどうすればいいか改めて自分に問いかけてみましょう。そして、確実に実行し改善し続けます。その習慣化が、トップ営業マンへつながる最良の方法なのです。