見込み客へのアプローチを効率的に行うための超実践的手法

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見込み客とは、自社商品やサービスに興味があり、購入する可能性のある顧客を指します。資料を請求したり公式LINEやWebサイト会員登録を済ませたりしている人々も見込み客に含まれます。

自社商品やサービスの販売数を上げるには、見込み客に対する適切なアプローチが必要になります。そこで今回は、見込み客や潜在顧客との違いを明らかにしつつ、企業の業績アップに欠かせない見込み客の育て方について解説します。

営業を効率的かつ効果の上がる手法に変えるための視点が明確になるため、ぜひ最後までお読みください。

見込み客とは?潜在顧客との違い

見込み客は、冒頭でお伝えしたように、自社商品やサービスに対する関心があり、企業に問い合わせたり会員登録などで情報を入手したりしている顧客を指します。将来的に企業や商品のファンもしくはリピーターになりうる存在です。

見込み客のほかに、潜在顧客と呼ばれる層があります。潜在顧客とは、企業や自社商品・サービスのことをまだ知らない顧客を指します。ただ、自分のなかにある潜在ニーズに気づいていないだけであって、商品やサービスを知りその価値が分かれば、一気にリピーターへつながる可能性があります。

つまり、見込み客と潜在顧客の違いは、その人自身が自分のニーズを把握しているかしていないかの違いといえるでしょう。

業績を上げるには両者に対するアプローチが必要になります。見込み客には実際に購入してもらうアプローチ、潜在顧客には見えないニーズを顕在化するアプローチが求められます。

本記事は、見込み客に商品やサービスを購入(利用)してもらい、リピーターにつなげるための方法を解説しつつ、潜在顧客の発掘も視野にいれてお伝えします。その理由は、潜在顧客のニーズ喚起を念頭においたアプローチは、見込み客の引き上げにつながるためです。

ではまず、見込み客を優良顧客に引き上げるための視点を確認しましょう。

見込み客を優良顧客へ引き上げるとは

見込み客を優良顧客へ引き上げる際、潜在顧客に対するアプローチ法が有効に働く場合があります

たとえば、見込み客がなかなかアクションを示さない場合を想定しましょう。この場合、潜在的なニーズを掘り起こして適切なアプローチに変えることで、難なく購買につながるケースがあります。

また、SNSなどで顧客との関係を密にできる機会が増えたとはいえ、紙媒体のDMを送って顧客と良好な関係を築いている小売店があるのも周知の事実です。

つまり、見込み客を優良顧客へ引き上げる際は、潜在ニーズを喚起するアプローチを試みながら、顧客との信頼関係をいかに築けるかが重要なポイントになります。

次章で紹介するアプローチ法はあくまでも一例です。組み合わせたり、自社に合うアプローチ法を新たに開拓したりして、常に情報分析と実践をくり返していきましょう。

見込み客への具体的なアプローチ

本章では、自社商品やサービスをチェックしている見込み客が購入(利用)してくれるにはどうしたらよいか解説します。

実は自社を知る見込み客のなかにも、さまざまな顧客がいます。たとえば次の2種類の顧客層が挙げられます。

・MQL(Marketing Qualified Lead):マーケティング活動で得た見込み客
・SQL(Sales Qualified Lead):商談につながる見込みの高い顧客

MQLを獲得する方法やMQLからSQLへ引き上げる方法などは、インバウンドやアウトバウンドによって異なります。簡単にいえばインバウンドは顧客側から、アウトバウンドは企業側から仕掛ける営業やマーケティング方法です。

両者は密接にかかわり合っており、インバウンドのように顧客からアプローチがあっても、企業がその後どのように対処し顧客に返すのかによって結果は変わります。

ここではまず、企業から仕掛けるアウトバウンド営業から解説します。

アウトバウンド営業の場合

アウトバウンドは、企業が潜在顧客にアプローチして見込み客を獲得する方法といえますが、見込み客に対して実際の購買につなげるために必要なアプローチも含まれます。

顧客の反応を探ったり新たな情報収集・分析をおこなったりすることで、実際に購入してくれる顧客層を見極めることが大切です。

また、アウトバウンド営業はもともと潜在顧客を顕在化させる目的があるため、見込み客を引き上げるだけでなく、潜在顧客の発掘にも役立てることができます。

DM

ここでのDMは、ダイレクトメールを指します。SNSで使われる個人アカウントにメッセージを送るDMは「ダイレクトメッセージ」とは区別し、紙媒体のダイレクトメールについて解説します。

ダイレクトメールは、企業から個人宛てに送付されるもので、新商品の案内やキャンペーンに関する印刷物です。たとえば、「新規店舗オープンのお知らせ」「クーポン付きの商品販売広告」などです。

店舗近くの個人宅にチラシを配布したり、以前にアンケートに答えてくれた顧客にクーポン付きのはがきを送ったりして潜在顧客を発掘すると同時に、見込み客へ魅力的なアプローチを仕掛けることができます。

展示会・イベント

新商品の販売を促進するために、商品案内を兼ねて展示会やイベントを開催するのも有効です。自社や商品に関心のある顧客が集まるため、アプローチの仕方によっては、その場で購入手続きへ進められるでしょう。

強引な勧誘は避けるべきですが、企業のコンセプトや商品の魅力を直接伝えるチャンスであり、その後の関係を維持する要素を残しておきたいところ。そこで、資料請求や会員登録などの申し込みを通じて見込み客との接点をつくる工夫が必要となります。

テレアポ

テレアポは、商談アポイントを取るために必要なアプローチ法です。電話口で断られるケースの多いスタイルですが、顧客情報を分析して見込み客を絞ってテレアポをおこなえば、アポイントを獲得できる確率は上がるでしょう。

テレアポでは、顧客の話に耳を傾ける姿勢と自社商品のよさを適切に伝えるトーク力、話の内容から本音を引き出す洞察力などさまざまなスキルが求められます。ニーズ喚起を顧客との協働作業でおこなうアプローチ法といえるでしょう。

メルマガ

メールでおこなうアプローチ法としてメルマガ(メールマガジン)があります。メルマガでは、すべての顧客(あるいは特定の属性)に対して一斉にメール配信をおこないます。

先ほど紹介したテレアポは、情報収集や分析をもとにあらかじめ見込み客を絞っておくのが通例です。しかし、「本来は見込み客になるはずなのにカウントされずテレアポを受けない顧客」がいるかもしれません。

こうした取りこぼしを起こさないためにメルマガがあるといえます。メルマガを受けた人が「あ、これ何だか良さそう」と思ってアクションを起こせば、潜在顧客から見込み客へ変容したことになります。

メール(ステップ・セグメント)

ステップメールとセグメントメールは、メルマガとは異なるアプローチ法です。ステップメールは「アクションがあった日付から〇日後に配信する」もので、セグメントメールとは「ある条件で絞り込んだ顧客に配信する」メールを指します。

”ある条件”は、企業のマーケティング戦略やねらいによって変わります。個人に関しては年代や性別などで、法人であれば業種や規模などで絞り込みます。見込み客の引き上げをねらう場合は、検索や問い合わせといった行動履歴を把握し活かす方法があります。

訪問&飛び込み営業

訪問営業や飛び込み営業は、インサイドセールスの割合が高まる昨今でも企業が継続しておこなっている営業法です。テレアポと同じように、話を聞いてもらえないケースは多いのですが、飛び込み営業ならではのメリットがあります。

飛び込み営業のメリットは、直接顧客と会って話を聞いたり伝えたりするなかで、事後につながる信頼関係を築ける点です。つまり、訪問・飛び込み営業には、”潜在顧客を見込み客に、さらには優良顧客へ”と引き上げる要素をもっているといえます。

インバウンド営業の場合

インバウンド営業は、顧客から自発的に媒体を通じて企業にアクションをとるスタイルを指し、自社や商品に関心の高い顧客とのやり取りが多い傾向にあります。

インバウンドは、顧客の購買意欲を一気に高めて実際の購買につなげることが可能であり、その後も顧客に合うアプローチをおこなうことで、継続して購入してもらえるチャンスが広がります。

ホームぺージWebサイト(オウンドメディア)

見込み客であれば「○○が気になるなあ、できたら買いたいけれど一度確かめよう」と思っているため、自発的にWebサイトを訪れます。

Webサイトのキャッチ―なコピーや画像を見て商品のよさがわかれば、すぐ購入画面にアクセスするでしょう。あるいはお問い合わせフォームで気になる商品について質問をするかもしれません。

このため、Webサイトが見込み顧客の購買意欲を高める魅力的なコンテンツ、検索や閲覧のしやすいサイト設計で整えられていることが重要になります。

オンorオフラインセミナー

企業が案内するセミナーに参加を申し込む人の多くは、もともと会社や商品に関心のある見込み客と考えられます。「セミナーで商品やサービスの価値があるとわかったら購入(利用)してみようかな」と思っているケースです。

企業がセミナーを開催する場合は、見込み客の属性をしっかり把握したうえで「オンかオフのどちらにするのか」「開催時刻や時間は?」「オフラインであれば場所や交通事情、定員数をどうするか」を考える必要があります。

属性に合わない開催方法では、せっかくの見込み客を逃してしまう可能性があるため、よく吟味しましょう。

SNSの運用

昨今はSNSを活用したマーケティングが当たり前になっています。若い世代はSNSを日常的にフル活用しているため、若者をターゲットにする場合はとくにSNSによるアプローチを仕掛ければ業績の向上につながるでしょう。

たとえばインスタグラムで映える画像を投稿したり、ショップ機能から簡単に商品を買える仕組みを作ったりするなど、SNSの円滑な運用で収益化させられます。また、SNS投稿で”バズ”れば、企業や自社商品・サービスの知名度が上がり、潜在顧客を見込み客につなげられます。

電話・メール

もともと商品に興味があり「これは良さそうだな」「買ってみようかな」と思う見込み客は、質問があればWebサイトの問い合わせフォームやSNSのメッセージを通してコンタクトを求めるでしょう。

ほかに、電話やメールを使って直接企業に問い合わせるケースもあります。あるいは継続して情報提供を求める場合は、顧客みずから公式LINEやメルマガ登録をするでしょう。

企業側としては、サイトの問い合わせフォームを分かりやすく設定したり、公式LINEやメルマガの配信日時や内容を吟味したりして、顧客満足度を上げる必要があります。

アウトバウンドとインバウンドの両輪で

企業からから仕掛けるアウトバウンドと顧客からのインバウンドの内容から、両者の視点で営業活動をおこなう必要があることがわかります。

「見込み客」と呼ばれる客層のなかでも、どちらかといえば潜在顧客に近い客もいれば、一気に優良顧客へ引き上げられる客もいます。

このため、たとえば公式LINE登録についても、企業からのアプローチがなくても登録している見込み客もいれば、Webサイトで存在を知って初めて登録する見込み客もいるでしょう。

いずれにしても公式LINEの内容を充実させるのはもちろん、Webサイトのアプローチ法を工夫する必要があります。また、見込み客の”温度差”に合わせたアプローチや購入後の継続したフォローアップをおこなうことが優良顧客の増加へとつながります。

この点については、次章でもう少し詳しく解説します。

見込み客を育てるには信頼関係が重要

見込み客を優良顧客へ引き上げるには前章で紹介したようなアプローチ法が必要ですが、やはり「顧客との信頼関係の構築」を忘れてはなりません。

信頼関係を築くうえで重要なのが以下の視点です

  • 接触する回数を増やす
  • 情報提供をする
  • 実物や証拠などを示す

見込み客のニーズを明確にしたり信頼関係を高めたりしながら、じっくり関わることで実際の購買へつなげます。購入後のサポートも大切で、フォローアップをおこなうとリピート顧客へ育てられます

アフターフォローサービスや情報提供を継続しておこなうには、メルマガの発行やアンケートの実施、フォローアップの電話などが考えられます。

また、販売やプロモーション方法を考える過程で顧客の声を適宜拾ったり、顧客のニーズをもとに新たな商品を開発したりする姿勢も大切です。このような地道な取り組みが顧客との関係性を良好にし、ゆくゆくは商品の購入につながるのです。

アプローチや育て方で意識したいこと

見込み客と逃がさず顧客にするためには、営業支援や顧客管理ツールを活用するのも有効でしょう。

営業支援や顧客管理ツールを活用

見込み客へ効率的にアプローチするには各種ツールの活用が有効です。ツールを使えば見込み客ごとに営業状況や営業効果などが把握できるため、最適かつ個別的な営業法が可能になり、ほかの見込み客との差別化につながります。

また、ツールによっては地図上に見込み客の所在地や現在の進捗を把握できるため、最短最適な営業ルートで効率的に業務をおこなえるでしょう。

そのほか、消費者全体の動向や潜在顧客の発掘も可能になり、わざわざ”見込み客担当”や”潜在顧客担当”などに分けて仕事をする必要もなくなります。営業報告もすべてスマホやタブレットでできるため、時間的なゆとりも生まれるでしょう。

浮いた時間やコストで、より多くの顧客にアプローチできるようになるため、企業にとっては大きなメリットになると考えられます。

マーケティングスキルを磨く

マーケティングスキルを磨くことも重要です。営業だけに特化した視点では、それはそれで強みになりますが、現在は情報やつながりが交錯しています。全体を見る視点と個を見る視点など、多様なスキルを身につけなければ時流に乗れません。

たとえば、次のようなスキルアップをめざしたいところです。

  • 情報収集・分析スキル
  • 集客スキル
  • SEOスキル
  • コンテンツ制作スキル
  • SNSマーケティングスキル
  • マネジメントスキル
  • プレゼンテーションスキル
  • コミュニケーションスキル

このほかライティングスキルやオンラインツールスキルなど、多岐にわたります。これらすべてを完璧に習得するには難しいでしょう。チームで得手不得手を補いながらやる方が、効率的で成果も上がりやすくなります。

「じゃ、別にマーケティングスキルなんていらないのではないか」と思われるかもしれませんが、チーム力や企業力を上げるためにも個の力は重要です。一人ひとりのアプローチがよりよくなればマーケティング戦略の成功度も上がります。

そうなれば、見込み客を優良顧客に引き上げる率も向上するのです。

まとめ

見込み顧客は、将来的に企業に利益をもたらしてくれますが、適切にアプローチしなければ優良顧客にできずリピーターを増やしていけません

またツールの活用も有効ですが、全体を見通しつつツールから得られる情報をしっかり分析する力と「これだ!」と思った方法については試してみる行動力も重要になります。

そして忘れてはならないのは、すべてのアプローチが顧客のよりよい生活や幸福のためにあるという目線です。この視点は忘れずに、情報収集や分析、見込み客へのアプローチ法を考え実践に移していきましょう。

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