商談メモの必要性とタイミング|メモる技術を身に付けよう

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顧客のニーズを把握し事後の流れを円滑に進めるためには、商談メモが重要な役割を果たします。

まずは商談に向けて事前にメモの準備をし、商談中は重要な情報を落とさないように注意します。また商談後も、メモを活用して戦略を立て直したり次の商談メモを準備したりします。

つまり、単に顧客の話を聞いて備忘録のようにメモるといった姿勢ではなく、能動的なスタイルを保つ必要があるのです。

しかし実際には、商談メモに関して次のような悩みや質問をもつ人はいるでしょう。

「商談メモをどのタイミングで取るのがいいのか」
「有益な商談メモをとるにはどうすればいいのか」

今回も、上記の悩みや質問の答えになる内容で進めます。商談メモの必要性を確認するとともに、メモのメリットが最大限発揮されるための”メモる技術や活用方法”について確認しましょう

商談メモの必要性とは?

はじめに「商談メモとは何か」を確かめましょう。ここではおもに、商談メモの必要性やメリットなどを紹介します。

商談メモとは何か

商談メモとは一般的に、商談中に取り扱った内容や合意した事項をまとめたメモを指します。商談中に得られる情報のほか、事前に調べた顧客情報や商談の目的、進捗状況、アクションプランなどが含まれます。

商談を成功に導き成約へとつなげるには、商談メモによる情報収集&整理が重要であり、メモの取り方で商談の流れが変わる可能性があります。

商談メモの”質”が営業や企業の業績に影響を与えると認識して、効果の上がるメモの取り方を把握しておかなければなりません。

商談でメモをとるメリット

商談でメモを取るメリットは、下記のとおりになります。

  • 商談の目的を常時認識できる
  • 商談中のやり取りやアイデアを明確にできる
  • 事後に見返すことができる
  • 情報を記憶する負担を軽減し取りこぼしを防ぐ
  • スピーディな業務処理が可能になる

まず商談前に必要な内容をメモることで、顧客情報や商談の目的を意識するのに有効です。事前に「商談で何を明確にしたり質問したりするのか」をメモに取っておけば、実際の商談で有益な情報を獲得しやすくなります。

商談後の振り返りもスムーズにおこなわれ、今後の戦略を立てる際にも役立つでしょう。

また時間が経てば印象が薄れてしまう話も、メモを取ることで念頭におきやすい点もメリットです。聞き逃したり取りこぼしたりする確率が低くなり、顧客との関係性にプラスに働きます。

さらに商談メモによって営業マン自身の業務処理が円滑におこなえる点も見逃せません。メモに残せば、事後に営業チームで共有したり顧客管理システムに入力したりする際もすぐに対応できます。

このように商談メモはビジネスにおいて重要な役割を果たしており、メモによって商談で得られる情報を最大限に活用できるのです。

商談メモのタイミングをつかもう

商談で顧客の話を折らないように注意しながら、最適なタイミングでメモを取る必要があります

ただ、商談中だけメモを取ればいいというわけではありません。商談メモは、商談前ー中ー後の3つのタイミングで作成し、より効果を発揮しやすいメモにしていく必要があります。

つまり「振り返り」「課題整理」「進捗管理」などを通して戦略に活かす姿勢が大切なのです。

ここでは、商談メモの準備段階から実際の商談、商談後の管理や対応について解説します。

商談前にメモの準備

商談前にメモを準備するとは、会議の目的や議題、顧客情報などをぱっと見て分かるように示したメモを用意することを指します。事前のメモは、まさに商談の計画メモといえるでしょう。

たとえば、次に紹介する事項が重要なメモ項目として挙げられます(ただ、1回の商談で下記の内容が決まるわけではありません)。

  • Needs(必要性・ニーズ)
  • Competitor(競合他社)
  • Budget(予算)
  • Timeframe(導入や購入を予定する時期)
  • Authority(決裁権)

予算や導入時期、決裁権などについては、商談の終盤である(テスト)クロージングで顧客にたずねる場合が多いでしょう。しかし、商談の終盤になって「そういえば…」といった感じで慌てて顧客にたずねるより、商談の流れのなかでタイミングを図る必要があります。

いざというとき慌てないために、あらかじめメモに取っておくとベストなタイミングで顧客に質問できます。何より聞き取る内容がわかっていたほうが、顧客の話を聞きやすくニーズの整理もしやすいでしょう。

商談中のメモの取り方

商談中のメモ取りは、顧客が話している最中ではなく会話の「間」を利用しておこないます。その理由は、顧客が話しやすい状況をつくる必要があるためです。

顧客が話す間にペンの音を立ててメモ取りに没頭するのは、顧客に圧力がかかると同時に不快な思いをさせます。メモを取る際に顧客の目を見て話を聞かない状況であれば、良好な関係を築けないでしょう。

よって商談中にメモを取る場合は、商談で顧客が話した情報やポイント、議論した内容を「最適なタイミングですばやく」とらなければなりません。

たとえば下記の内容を念頭におき、タイミングを見計らってメモを取りましょう。

  • 顧客の目を見て集中して聞く
  • これだ!と感じた内容をすばやくメモに取る
  • うなずいたり、なるほど、そうですね…と一言二言入れながら取る

このように、メモを取るだけでなく聞く姿勢も含めて、集中力と俊敏さが必要となります。

商談のポイントになる話を得たりアイデアがぱっと思い浮かんだりしたときに、すばやく記述する技術を身につけるのです。また、想定していた内容でなくても、顧客の好みや興味に関する話は書き留めておきましょう。効果的に営業を仕掛ける場合に役立つ可能性があります。

商談後のメモで成果を分析

商談は1回で終わることもあれば複数回続く場合もあります。回数にかかわらず、商談後に顧客情報の修正や戦略の練り直しなど、商談の質を高めるためにメモを活用しましょう。

たとえば下記の内容を商談後にメモに取って整理します。

  • 顧客の要望や意見
  • 自分が商談中に提案した内容
  • 提案に対する顧客の反応
  • 決定事項や懸案事項

この際、次回の商談で話題に取り上げたい内容を抽出して再度メモに取ります。再度取ったメモは「事後メモ」でもあり、次の商談へ向けた「事前メモ」として活用できます。

このようにメモを取るタイミングは商談中にとどまらず、商談の前後にもあります。いつでも「商談メモ」を取る習慣をつけることで、営業そのものの質を向上させられるのです。

商談メモを効果的に書くための技術

営業マンにとって重要なスキルが「メモる技術」です。ここでは、商談を順調に進めて成約へとつなげるための商談メモの取り方を解説します。

内容を確認して、高い成果を出せるメモの取り方を習得していきましょう。

わかりやすく整理する方法

商談メモは、あとで見返してわかりやすくするために工夫を加えます。文字の大きさやマーカーの入れ方など、営業マンごとに”見やすさ”が異なるため、独自のルールを設定します。

たとえば次のような方法がメモを取る際に役立ちます。

  • 箇条書きで記す
  • 重要なキーワードは目立たせる
  • 紙の端に重要ポイントを書き留める
  • 相手の話や意見は引用符などで区別する

「重要なキーワードを目立たせる」とは、色を付けたりマーカーを入れたりする方法を指します。

また、「紙の端に重要ポイントを書き留める」とは、顧客との対話のなかでとくに重視したい事項を余白に記すことを示します。顧客と目線をあまり離したくない際に、すばやく書き留める方法としておすすめです。

相手の話や意見に引用符を用いたり囲んだりすると、自分と相手の話を区別でき事後の整理に役立ちます。

あらかじめ質問事項をメモに書く場合は、商談時に顧客の回答を追加できるように余白を残しておくと良いでしょう。

このように一定のルールをつくると、商談内容をもれなく且つ簡潔に記述できます

話を聞きながら書くポイント

商談の進行中にメモを取る場合、顧客の話を折ったり目線を離しすぎたりするのはよくありません。次のポイントに注意して顧客との会話を滞りなくおこないましょう

  • 顧客の話を集中して聞く(目を見て聞く姿勢)
  • 簡単な言葉で記述、箇条書きする
  • 場合によっては図式化したり矢印を使ったりする
  • 一項目についてできるだけ短く書く

メモを取るのに慣れると、相手が話し終えたのちに自分の言葉で整理し直すゆとりも生まれます。また、商談の終了後はすぐにメモを整理しましょう。別の仕事をする前に見直す方が、記憶や印象などホットな情報をそのまま書き留められます。

次のアクションをどうするか考える

メモを取って終わりではなく、常に「次に活かせる視点は何か」「目標達成までに何がどのくらい足りないのか」などを見直す姿勢が大切です。

商談で顧客が話した内容を整理し、進捗状況や課題を見直す過程で、次のステップに進むためのアイデアを思いつく可能性があります。

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今回は商談メモの取り方、メモる技術について紹介しました。実際は、営業マン自身が事前ー中ー後ともに頭の中を整理しやすいスタイルでやるのが良いでしょう。

顧客の話にしっかり耳を傾けるのは鉄則で、メモを取ったのちに即整理することも忘れずにおきます。

このような習慣を身につければメモの取り方やタイミングがわかり、顧客との対話をより円滑に進められます。また、メモを取ることで顧客の思いを正確に把握したり、新たな視点に気づいたりできるため、成約につながる商談をおこなえるようになります。

商談メモの有効活用と注意点

商談メモを有効活用すれば次回の商談に備えられ、見えづらい顧客ニーズや課題を整理できます。

ただ、商談メモを書くだけでなく、管理や共有するのを忘れてはなりません。ここでは商談メモを効果的に活用するためのポイントを解説します。加えて、考えられるリスクに備えて何をどうすればよいのか紹介します。

商談メモの管理と整理をする

商談メモを取るだけでなく、その管理や整理をしっかりおこなってこそ商談全体の価値が上がります。事後につながる要素が多くある商談メモは、商談の進捗に良い影響を与えます。

たとえば下記の内容が、めざしたい商談メモといえます。

  • 顧客名や関係する商品名、売上高などが明記されている商談メモ⇒事後のアクションにつなげたり新たな分野を開拓したりする際に使える。
  • Q&Aが整理されている商談メモ⇒後から見返して内容がわかりやすく、次に何をどうすればよいか見える。
  • 図式化された商談メモ⇒視覚的に理解しやすく、事後に戦略を立てる際にイメージしやすい。
  • 重要なポイントはマーキングされた商談メモ⇒見返すときに重要事項を見落とすリスクを減らせる。また、商談時のリアルな印象をそのまま残しておける。

上記のように管理と整理をしっかりおこないましょう。また、顧客や自社の情報が含まれている商談メモの扱いには厳重な注意と管理が必要です。

営業チーム内で共有する

商談メモは整理したのち、チーム内で情報共有に活用します。とくに、同じ顧客に複数の営業マンがかかわっている場合は必ずおこないます。

共有に関しては、下記の点に留意しましょう。

  • 共有場所を設定⇒社内の共有ファイルサーバー、クラウドストレージ、SNSなどが利用される場合がある。
  • アクセス管理⇒アクセス権限を設定し、外部に情報が洩れることのないよう細心の注意を払う。情報セキュリティについてはしっかり管理・遵守する。
  • 共同編集の環境設定⇒商談メモを共有する際は、可能な限り共同で編集できる環境を整える。

最後の共同編集の環境設定に関しては、チーム一丸となってリアルタイムで更新できるシステムを整えるのが理想です。時間や労力を節約でき営業の生産性もアップします。

まとめ

商談メモは、営業の目的を達成したり顧客のニーズを的確にとらえたりする際に重要な役割を果たします。商談メモの取り方によって、営業の質や商談内容、進捗がプラスに転嫁するととらえましょう。

「たかがメモ」ととらえずメモの取り方を習得して営業戦略に有効活用すれば、ビジネスをスマートかつスムーズに、しかもスピーディに成功へ導けます。

今回紹介したように、商談前ー中ー後の一連のタイミングで効果的なメモ取りを習慣化させ、営業やビジネスをエネルギッシュに進めていきましょう。

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