信頼の構築は人間関係を良くするために必要な要素です。ビジネスにおいては社内外で人間関係を良好に保っていたほうが、生産性や業績に良い影響を与えます。
しかし、自分自身わかっていてもなかなか実践や成果につなげるには、難しさを感じるケースもあるでしょう。
そこで今回は、信頼関係を構築する意味やメリットを確認するとともに、信頼関係を築くことが上手な人の特徴を紹介します。より良い人間関係を形成するためのポイントがわかりますので、ぜひ最後までお読みください。
ビジネスにおいて信頼を構築するとは?
信頼を構築するとは、相手に対して信用と安心感を与える関係を築くことを指します。相手に信頼をもつ場合は、約束を守ったり自分のために行動してくれたりする姿を見て「この人は信用できる」と思うときです。
ビジネスシーンでは、社内と社外で対象者が異なります。社内で信頼関係を築く場合は上司や同僚が対象者であり、社外においては取引先企業や顧客、ユーザーなどが該当します。
信頼関係の構築が必要とされる場面は、会議や商談、ときにアイスブレイクなどが当てはまります。取引先企業や顧客からのクレームに対応する際は、信頼関係を壊さないように細心の注意を払わなければなりません。
自分と関わる人々とより良い関係を築くことは生産性や仕事の効率性を高め、最終的にビジネスを成功へ導くための重要な要素といえます。
信頼関係を構築するメリット
信頼関係の構築は、社内外における人間関係を良好に保つだけでなくさまざまなメリットをもたらします。ここでは、顧客との信頼関係づくりと上司や同僚との信頼関係づくりにわけて解説します。
メリットその1:顧客との関係性
顧客との信頼構築は、自社商品やサービスの売上や利用率を高めるうえで重要です。たとえば、次のような効果をもたらします。
- 長期的なビジネス関係を構築できる
- 口コミや紹介によって新規顧客を獲得しやすい
- 信頼にもとづく柔軟な取引が可能になる
顧客との信頼関係を築くのは簡単ではありません。しかし、一旦信頼関係を構築できればその後のビジネス関係を長く続けられます。つまり、安定的な経営や事業展開につなげられるのです。
また一人の顧客との信頼関係が構築できると、その顧客から新たな顧客を紹介されたり、SNSやサイト上で自社商品やサービスの良いレビューを投稿してもらえたりする可能性が高まります。
このほか、信頼関係が構築されれば価格交渉や契約条件の調整など、双方にメリットのある取引が可能になります。
メリットその2:上司や同僚との関係性
社内における人間関係をより良くできれば、次のようなメリットを得られます。
- チームの生産性が向上する
- チームワークが強化され成果を獲得しやすくなる
- 自身のキャリアップにもつながる
信頼関係があれば、オープンで効果的なコミュニケーションが可能になり、意見やアイデアを出しやすくなります。問題解決や業務の進行が円滑になれば生産性を高めることにつながるでしょう。
さらに信頼関係のある環境においては、フィードバックやアドバイスを適宜受けやすくなり、自己成長やスキルアップの機会が増えます。信頼されている実感が仕事に対する責任感を高め、結果として仕事の質や効率性を向上させるのです。
以上のメリットから分かるように信頼関係の構築は、より良いビジネス環境を創出し成功へ近づくために必要な要素といえます。
信頼を構築するにはココが大事!うまい人の特徴5選
前章までの信頼関係を構築する重要性を理解したうえで、ここでは、信頼を構築するために必要な視点を紹介します。信頼構築が上手な人の特徴を以下の5点にまとめました。
- 自分の見た目や印象を整えている
- 共感的態度と傾聴の姿勢をもっている
- さりげない会話を適度な自己開示ができる
- 自分の考えを伝えて頼りがいを示している
- 過ちやミスは素直に認めて責任を果たしている
これらはビジネスシーンのみならず、家族や友人との関係性やプライベートなやり取りの場面でも大切です。人間性を培うためにも日ごろから意識して行動する姿勢が求められます。
以下より5つの特徴について順に解説します。
自分の見た目や印象を整えている
信頼関係を構築するためには自分自身の見た目に気を配ることが重要です。人との信頼関係を構築しやすい人は見た目に配慮しています。たとえば、次のような姿勢を指します。
- さわやかな笑顔
- 身なりを整える
- 良い姿勢を保つ
どのような相手であれ、笑顔で接したりさわやかな印象を与えたりするのは、とくに第一印象を良くするために大切です。服装や靴、持ち物、ヘアースタイルなどにも気を配り、シーンに応じた身なりを整えるの基本といえるでしょう。
笑顔や身なりが良くても、姿勢がダラッとして前かがみになっていれば印象が悪くなります。猫背にならないよう背筋を伸ばして対応する姿勢を日頃から心がける必要があります。
清潔感と自信が感じられる外見は、相手に良い印象を与えるとともに「この人は安心だ、信頼がおける」と思ってもらうために必要なポイントです。
共感的態度と傾聴の姿勢をもっている
他者と信頼関係を築くのがうまい人は、相手の感情や立場に共感し傾聴する姿勢を保っています。信頼関係を構築したい場合は、まずは相手の意見や感情に対して共感や理解を示さなければなりません。相手が「自分は受け入れられている」と感じれば、信頼関係の構築へとつながりやすくなります。
逆に否定的な態度をとられ話の途中で切り返される場合は、相手に不快な印象を与え信頼関係の構築は難しいでしょう。関係をより良くしたい場合は、まず共感を理解の姿勢を示すことは重要です。
また、自分が話す場合は声の大きさやスピードにも配慮します。過度に声が大きかったり早口であったりすれば、聞いている側が疲れてしまいます。せっかく話をしても話の内容を理解してもらえない可能性があります。
威圧的でまくし立てられるように話されれば、相手がへきへきして「早くこの場を立ち去りたい…」と思ってしまうでしょう。こうした状況に陥らないために、自分自身の話し方やスピードに注意を払い、相手が本音を話したり質問をしたりする間を与えるようにします。
さりげない会話と適度な自己開示ができる
さりげない雑談から会話をスタートしたり適度に自己開示をおこなったりする姿勢は、相手に興味をもってもらい心を開かせるために有効です。お互いの関係性をより深めることにつながります。
逆に、いつも仕事の話ばかりでまったくプライベートな話をしない人に対しては「この人と会話するのは緊張するし疲れる」あるいは「何を考えているのか本音がいま一つ見えない」といった印象を与える可能性があります。プライベートな話題や雑談を適度に取り入れ、相手に対してオープンでリラックスした雰囲気を提供しましょう。
ただし、雑談や自己開示が過剰である場合は注意が必要です。口が軽いと思われたり、プライベートな情報を不適切に漏らしてしまったりするのは好ましくありません。適度なバランスを保ちながら雑談や自己開示をおこなる姿勢が、信頼関係構築に良い影響を与えるといえます。
自分の考えを伝えて頼りがいを示している
人と信頼関係を築くのが上手な人は、単に人の話を「そうですね」「うん、うん」と聞いているだけではなく、自分自身の信念や考え方を明確に伝えています。
自分の考えを伝えたり適切な質問をしたりすることで、相手に対して頼りがいのある人だと思ってもらえます。ただしこれは、自分の原則にかたくなになるという意味ではありません。その人なりの信念や価値観を伝える姿勢が相手に信頼してもらえる要素となるのです。
顧客から「(この営業パーソンは)自分や会社、顧客のことをしっかり考えてくれるから安心して任せられる」と感じてもらえるような態度で臨みましょう。
過ちやミスは素直に認め責任を果たす
信頼される人のほとんどは、過ちやミスを認め責任をとる姿勢を保っています。前述までの要素をしっかり身につけていても、いざというとき逃げるような態度をとれば一気に信用を失うでしょう。
普段から自分の言動に責任を果たすことで、他者から信頼され頼られるようになります。
ただ、自分は悪くないのにすぐに「すみません」を連発するのはよくありません。口癖のようになってしまっている人は信頼関係を上手に築くのは難しくなります。頻繁に「すみません」といわないよう気をつけましょう。
紹介した5つののポイントをもとに、日ごろから意識して話したり行動したりすることでビジネスや人間関係で信頼を構築する力を高められます。
信頼関係をより良くしていくために
信頼関係を築くのが上手な人は、関係構築のあともずっと他者に対する配慮を継続しています。信頼関係をより強固にするための努力をしているのです。
ここでは、信頼関係をより良くするための視点を解説します。
約束を守ること
約束を守ることで、相手に対して信頼性と責任感を示せます。自分が伝えた内容や約束事について責任をもつ姿勢は、相手に安心感を与えると同時に信頼関係づくりに効果を発揮します。
逆に立派なビジョンを示すだけで実行が伴っていなければ、ビジネスパーソンあるいは人として信用してもらえません。たとえ良い関係を築けていても、たった1回の約束破りで取引が中止となる場合もあります。
信頼関係を長期的に築くためには「常にこの人は信用できるし安心だ」と思ってもらう姿勢を常に念頭におきましょう。
一貫性を保つこと
一貫性のある姿勢は、信頼関係を維持するうえで欠かせない要素といえます。
逆に言った内容がころころ変わるようでは、周囲を不安にさせるだけでなく「どうせ、また変わるだろう」といった不信感へとつながります。これは顧客との関係性だけでなく社内においても避けたい状況であり、方針に一貫性がなければ業績を上げにくくなります。
自身の考えや方針を明示する前に「本当にこれでいいのだろうか」と念入りに精査し、自信をもって伝えられるようにすることが重要です。
相手に関心を持ち続ける
相手の状況やニーズを理解し、共感やサポートを示すのはいっときだけではありません。相手に関心を持ち続ける姿勢が相手との信頼関係をより良くし、お互いの関係を強化することにつながります。
たとえば自社商品やサービスを購入してくれた顧客に対して、アフターフォローをまったくしないのはよくありません。顧客によっては「買ったらそこで終わりなのだろう」と感じ、その後の取引を躊躇するかもしれません。
あるいは、チームメンバーから相談されてアドバイスしたのち、その後の取り組みについて何も関心を示さない場合も同じように信用を失います。信頼関係をより良くするためには、助言をした相手に「その後はいかがでしょうか?」と声をかける姿勢が大切です。
つまり、企業経営や業績を高めていくためには、購入してくれた顧客へのアフターフォローを継続的におこない、かかわりをもった人のことを常に気にかける姿勢が大切なのです。
以上、3つの要素を意識していくとビジネスや人間関係において持続的な信頼関係の構築につながります。
まとめ
ビジネスや人間関係において信頼は不可欠な要素です。信頼を得るためには自分自身の言動や態度に注意を払い、相手に対して信頼できる存在であるように努めましょう。
信頼関係を築くためには外見や第一印象を整えることも大切ですが、相手に共感しサポートする姿勢も重要な要素です。相手がリラックスできる空間を提供しながら、自身の考えも適切なタイミングで伝える姿勢が求められます。また自分の言動に対して責任をもつのは、確固たる信頼関係の構築に重要です。
日ごろからお客様やチーム、会社のために自分ができることを考え実際の行動に移しましょう。周囲や顧客との信頼関係を築きながら自己成長も促進できます。地道な取り組みが業績や企業・社会への貢献度を向上させると信じ、日々の努力を続けましょう。