ビジネス用語・営業用語60選|知らないと恥ずかしい頻出ワード

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ビジネスでは、業界によってさまざまな用語が使用されています。昨今は横文字の用語が多くなり、一度聞いただけでは、意味や内容を推測できない言葉もあります。

社会人1年目のビジネスマンにとって、なじみのない用語も多いため、上司や先輩からさらっと使われても理解できない場合もあるでしょう。一つ一つ聞き返せば「怒られるかもしれない」と思い、そのまま聞き流してしまうかもしれません。しかし、それでは仕事にデメリットとなります。

今回は、就職前にあらかじめ知っておきたいビジネスや営業で使う用語をピックアップしました。用語を知っておくメリットや留意点なども解説します。しっかり覚えてビジネスのスタートに活かしてください。

ビジネス&営業用語は知っておいた方がいい

前もってビジネスや営業に関する用語を知っておいた方が、スムーズに仕事ができます。

基本的な用語を知らず、上司や先輩あるいは取引先の担当者や顧客に対し「〇〇とは、どういう意味ですか」と聞いてばかりでは「何を勉強してきたんだ」と叱られるかもしれません。

インターンシップで現場で働く経験を重ねていれば、用語の意味を知る機会になるでしょう。しかし、なんとなく仕事をして、知ったかぶりをしているのはよくありません。

上司や先輩に意味をたずねる場合も、まったく知らないで聞くよりも、ある程度知ってから詳細を聞く方が理解度が高まります。理解するまでの労力と時間を減らし余裕をもってスタートできるため、新たな内容をどんどん吸収するのも可能です。

これを知らないと恥ずかしいビジネス用語

ビジネス用語には、英語由来のものが多くカタカナ用語が多い傾向にあります。英語が得意な方は、難なく覚えられるでしょうが、いま一度用語の意味を確認しましょう。ここでは、ビジネス全般で使う用語を中心に解説します。

アイミツ(あいみつ)

相見積もりの略語。1社だけでなく複数の業者から見積もりをとること。同じ作業を依頼するにあたって料金が安いのはどの社なのか、見積書を提示してもらって検討する行為をさす。

アジェンダ

会議で話し合う議題そのものや議題や日程をまとめた書類をさす場合もある。あらかじめ参加者にアジェンダを共有することで、会議を効率的に運営する目的がある。

アジェンダ(英語)と混同されるレジュメ(仏語)は「要約」の意。転じて論文や発表内容を要約した資料をさす。アメリカでレジュメといえば「履歴書」の意。

アウトソーシング

外注として業務の一部を業者に委託すること。日本語で「外部委託」。

イニシャルコスト

新規に事業を始めたり、設備投資をしたりするときに必要な経費をさす。初期経費。

MTG

Meating(ミーティング)の略語で、日本語では会議や打ち合わせを表す。昨今はオンラインで行われる場合も多い。

エビデンス

根拠や証拠という意味。医療や法廷、役所などで使われるが、最近はIT業界を中心にビジネスシーンでもよく使われる。ビジネスシーンにおけるエビデンスは、商品の効果を表す具体的なデータや情報を表す場合が多い。

OJT

On the Jop Trainingの略語で、実践的な仕事を通しておこなう研修をさす。たとえば上司や先輩の商談に同行して確認したり説明を受けたりしてもらうこと。

CtoC

ConsumerとConsumer(個人間取引)の略語。Consumerとは消費者をさし、消費者どうしで商品やサービスを販売する形態のビジネスを表す。メルカリはCtoCの一例。

セグメント

市場において、ある基準をもとに細分化した一つ一つの要素。要素に分けることをセグメンテーションという。マーケティング論で有名なコトラーが提唱したSTP分析は、Segmentation(セグメンテーション:市場細分化)-Targeting(ターゲットの設定)-Positioning(立ち位置の確認)を表している。

Segmentationは膨大な市場の顧客をいくつかの属性で分けることで、STPの場合は属性がセグメントといえる。

ターゲット

ターゲットは、セグメントと似ているが、セグメントをより細分化した一部分を表す。ターゲットを絞り込むことをターゲティングという。

デフォルト

デフォルトはビジネスシーンのほかに、さまざまな場面で使われる。「初期設定」「債務不履行」「標準」などの意味のほか、ビジネスでは、デフォルト設定(いつも通りの設定)、デフォルト値(何も指定されていない標準値)なども使われる。

BANT情報

後述するBtoBにおける案件に関する顧客情報をさす。Budget(予算)Authority(決裁権)Needs(必要性)Timeframe(導入時期)の頭文字でBANT。

BtoC

Business to Consumer(企業対消費者間取引)の略語。企業(Business)が消費者(Consumer)を対象に商品やサービスを販売することを表す。一般的なECサイトはすべてBtoCで、海外市場も含めて規模が拡大している。

BtoB

Business to Business(企業間取引)の略語。商品やサービスを販売・購入するのも企業という点が特徴。BtoB向けのECサイトも展開されている。

PREP法

PREP法とは、聞き手や読み手にとって分かりやすい説明の順番・構成を表したもの。

  • Point :要点(結論・主張を最初に伝えて興味づける)
  • Reason :理由(結論にいたる理由、そう主張する背景など)
  • Example:具体例(理由に説得力を持たせるための事例やデータ、状況説明)
  • Point :要点(最後にもう一度結論・主張を伝えて説得力を持たせる)

ペルソナ

企業や事業主にとって最も象徴的なユーザーモデルを表す。ターゲットを具体的にイメージしたのち、年齢や性別、学歴、家族構成、趣味など細かく設定した人物像をさす場合が多い。

ランニングコスト

商品やサービスを購入・利用したのちに、運用していくのに必要な経費をさす。維持費。

リード

見込み顧客の情報を表す。「リード」を使った用語には次のようなものがある。

  • リードクオリフィケーション…購入の可能性が高い見込み顧客を選別すること
  • リードジェネレーション…マーケティング活動で見込み顧客の情報を入手すること
  • リードナーチャリング…見込み顧客に継続的にアプローチし、将来的に購入へつなげること

リソース

資源または資産。ビジネスでは、お金や人、情報、時間や環境など広い範囲で捉えられる場合が多い。

ロイヤリティ

顧客ロイヤリティ。企業の商品やサービスに対する顧客の信頼や愛着などのポジティブなイメージ。ポジティブなイメージをもつ顧客が多いほど、商品やサービスをほかに宣伝してくれる可能性が高い。

営業マンが知っておきたい用語

ここでは、営業マンが仕事をする際に使える用語や営業方法に関する用語を順に解説します。なじみのある用語もあるでしょうが、知らない用語についてはしっかり内容を理解しましょう。

アイスブレイク

初対面の相手との商談や会議で、場の雰囲気を和やかにするために使う短い会話。スムーズに商談や議事を進行するために、アイスブレイク(雑談)は必要。

アウトコール

後述のアウトバウンド営業で、できるだけ多くの顧客リストに営業関連の電話をかけることをさす。

アウトバウンド営業

アウトバウンドは、電話、訪問などの形態を問わず、自社から外部(顧客)に行う営業活動全般を表す場合が多い。

アタックリスト

企業名や業種、住所、連絡先などの基本情報をもとに、商談の際に必要な情報をリストアップした名簿のことをさす。テレアポリストやターゲットリストを呼ばれる場合もある。

アップセル・クロスセル

既存の顧客に対して別の商品やサービスを紹介したり購入をすすめたりすること。アップセルは顧客にさらに上位の商品やサービスを提案し、クロスセルは関連商品の提案をさす。

アプローチ

ターゲットに設定した顧客に対して接触を試みる、実際に訪問するなどのアクション全般をさす。

アポイント(アポ)

アポイントメントの略語。訪問面会の予約を意味する場合が多い。テレアポ業務(テレフォンアポイントメント)は、電話で面会の予約を取り付ける業務をさす。

Yes,But法

イエスバット法とは、相手の発言に対して一旦「そうですね(yes)」と答えてから「でもね(but)」と自分の意見を述べる話法をさす。

顧客の話にまずは共感・受容したうえで話を進めるのが重要で、いきなり「でもですね」のように否定的な言葉で返せば、相手の心証を悪くする可能性もある。回避するには、Yes,But法の考え方を取り入れるとよい。

イニシアチブ

日本語では主導権という。営業担当者が顧客に対して主導権をもって商談を進め、顧客の課題を解決するための流れをつくるのが重要。

インサイドセールス

非対面型営業をいうが、企業によって内容は異なる。商談の場を設定したり面会を予約したりするまで、あるいは非対面(オンライン)で商談を行うまでを表す場合が多い。

インセンティブ

営業成績に応じて支払われる報酬を表す。近年導入が進む「インセンティブ制度」とは、成約数の成果に応じて報酬が支払われる制度。モチベーションを高める目的で給与システムに導入する企業が増えている。

インバウンド営業

インターネットで自社商品やサービスの情報を公開し、その情報をもとに顧客側から企業にアプローチするのを待つ営業方法を表す。プル型営業、反響営業ともいう。

SOL

Sales Opportunity Leadの略語。購買のタイミングが明確になった見込み顧客やそのリストを表す。

SQL

Sales Qualified Leadの略語。営業部がフォローやアプローチをしていくと認識した見込み顧客やそのリストを表すことが多い。

SQLには営業部が開拓した案件であるSGL(Sales Generated Lead)と、マーケティング部が作成したMQL(Marketing Qualified Lead)を採用したSAL(Sales accepted Lead)の2種類がある。

OMO

Online Merges with Offlineの略語。オンラインとオフラインの統合の意。たとえば店舗で商品を試してもらいECサイトで購入してもらうなど、両方からのアプローチで顧客の購買意欲を高めること。営業の場合は、対面営業(訪問)と非対面営業(オンライン)のハイブリッド型。

クロージング

顧客と契約を結ぶことをさすが、契約するか否かの判断をする最終段階をクロージングとする場合が多い。

ソリューション

問題の解決。ソリューション営業といえば、顧客とのヒアリングを通して顧客のニーズを引き出し、解決法を提案する営業スタイルをさす。

第三者話法

営業トーク法の一つ。商品やサービスを案内する場合、第三者情報(客観的データや情報、有名人使用など)を顧客に提供し購買意欲を高める話法をさす。

ヒアリング

顧客の話(悩み、願いなど)を聞いて、情報を収集したり現状を把握したりすること、その手法。

フィードバック

ビジネス上の行動評価を相手に伝えること。単に伝えるだけでなく、相手が成長するための助言やサポート的な内容が含まれる。たとえば上司が部下に、先輩社員が後輩に伝える際に意識したい視点。

フィールドセールス

企業や個人宅に訪問して、自社商品やサービスを案内する営業法。対して自社内でオンライン営業する場合はインサイドセールスという。

フェーズ

段階、過程の一区切りなどの意。あるプロジェクトの進捗状況や過程をいくつかの段階に分け、現状を把握する際の目安にする場合が多い。フェーズを明らかにし、きちんと評価や確認をしながら営業活動をすることで、業績の向上へつなげられる。

プロダクトアウト

企業側、つまり作り手の理論や経験から生まれた商品開発や生産、営業法をさす。対して「マーケットイン」は、市場や顧客の視点で商品やサービスの開発を行うこと。つまりプロダクトアウトは企業目線で、マーケットインは顧客目線といえる。

営業で知っておきたい心理的用語

ビジネスや仕事は人間どうしの営みのため、心理的な側面を念頭において進めた方が業績アップにつながります。ここでは、代表的な心理用語を解説します。

インサイト

洞察力、本質を見抜く力の意。ビジネスシーンでは、取引先担当者や企業、顧客自身が気づいていない本音や欲求を表す。後述する「潜在ニーズ」よりさらに深いニーズをさす。

ウォンツ

悩みを解決し、欠乏感を満たすために必要な商品やサービスに対する欲求を表す。「~がほしい」という強い思い。

顕在ニーズ

顧客がすでにもっている、あるいは自覚している欲求を表す。すでに顧客が認識しているため、悩みの解決に必要な商品やサービスの購入は直結しやすい。

ザイオンス効果

単純接触効果。人は同じ相手やモノと接触する機会が増えるほど、対象に対する好感度や親近感がアップするという心理的効果をさす。

潜在ニーズ

顧客自身が気づいていない自分のニーズ、欲求を表す。無意識であるインサイトとは異なり、ヒアリングを通して引き出すことが可能。

ニーズ

顧客の「~したい」「~してほしい」という要望や課題、あるいは市場が求めるもの、需要を表す。

ラポール

人と人の心が通じ合う関係を表す。お互いに信頼し合える関係を表すことが多い。営業でも信頼関係を構築は、成約につなげるための重要なポイントとなる。

営業システムに関する用語

最近は、業務を円滑に進めたり業績を向上させたりするために、業務改善システムを積極的に導入する企業が増えています。ここでは営業システムに関する用語を紹介します。

SFA

Sales Force Automationの略語で、営業活動を効率的におこなうためのシステム(営業支援システム)をさす。営業プロセスを可視化し、個人やチームの営業力の向上に役立つ。

MA

Marketing Automationの略語。既存顧客や見込み顧客の属性や行動履歴、閲覧ページの情報を分析できる。顧客に合うアプローチが可能になり、商談数の増加が見込める。

よく使われるのはメール配信で、顧客とコミュニケーション履歴や顧客行動に応じてメールの文面を変えられるため、個別的に対応ができる。

CRM

Customer Relationship Managementの略語。顧客関係管理のことで、顧客の名前や連絡先、購買履歴やコミュニケーション履歴などの情報を記録できる。

※MAとCRMの違いは、顧客情報の活用方法。MAは顧客情報を活かした効果的な販促、CRMは顧客情報の最適な管理を表す。しかし、実際はセットで活用される場合が多い。

セールステック

営業活動を効率的にしたり、業績を向上させたりするためのサポートデジタルツール。SFAやCRMなどのシステム全般を表す。

営業マンが知っておきたい用語(法則)

営業マンが知っておきたい法則とは、営業で使える考え方です。本章では6つの法則を紹介します。

AIDMAの法則

アイドマの法則。消費者が商品を認知してから購買するまでの行動を示した法則。

  • Attention(注目)…商品を認知し注目している段階
  • Interest(興味・関心)…商品に興味や関心を抱く段階
  • Desire(欲求)…商品の特徴が分かり購買意欲が高まっている段階
  • Memory(記憶)…商品を覚え購入のタイミングを検討し始める段階
  • Action(行動)…購入を決断し、具体的な行動におこす段階

カラーバスの法則

カラー(color)は色、バス(bath)は浴びる。「色を浴びる」となるが、転じて「何かを強く意識すると、それにかかわる情報が飛び込んでくる」という意味。

たとえば消費者が「新しいバッグが欲しい」となれば、チラシやCMなどの広告、通勤途中の店舗などあらゆる事物事象からバッグの情報が舞い込む状況を表す。

PDCAサイクル

Plan(計画) Do(実行 )Check(分析・評価) Action(改善)頭文字を合わせた略称。計画を練り、実際に行動をして結果の分析し、分析をもとに改善点を洗い出して新たな行動におこす意味。冒頭にG(ゴール:目標)をつけてG-PDCAサイクルという場合がある。

パレートの法則

統計モデルの一つ。ビジネス界では全体数値の大部分(8割)が一部分(2割)によって生み出されるという理論。「80:20の法則」「8:2の法則」などと呼ばれる場合もある。

たとえば全体の2割が全体の8割に利益をもたらしていると捉えると、2割の消費者にヒットすれば残り8割の消費者にもプラスに波及すると考えられる。

ジラードの法則

どのような人であれ、平均して250人とつながっているという法則。一例として一人の顧客を怒らせると250人を同時に敵に回すということ。

近年は、ちょっとしたことがきっかけでSNSで大炎上となるケースが多い。企業側は、ジラードの法則を意識せざるを得ないといえる。

メラビアンの法則

コミュニケーションには視覚情報、聴覚情報、言語情報があり、初対面では最も影響を受けるのは視覚情報である、という法則。人に何かを伝えたい場合は、言葉以外の見た目、姿勢、声などにも注意を払う必要がある。

ビジネス&営業用語を覚えて使う場合の注意点

ビジネス用語や営業用語をあらかじめ覚えておくのはメリットになります。しかし、知ったかぶりをしないように気をつけましょう。

社会人になって最初のうちは経験が浅いため、用語からずれていたり別の用語と取り違えたりして理解しているかもしれません。また同じ用語でも「インサイドセールス」のように、会社によって定義が異なる場合もあります。

丁寧に用語を解説してくれる会社であれば確認もしやすいのですが、たとえ教えてくれなくても上司や先輩に自分の理解が正しいか確かめます。

確認する場合は、事前に分からない用語を調べ、難解な点や補足部分のみ教えてもらいます。ゼロからすべて教わろうとする姿勢は、上司や先輩にとって迷惑になるため控えましょう。

また、横文字を並べて話をする営業マンに不信感を抱く年配の顧客がいるかもしれません。顧客に用語を使って説明する場合は、相手の様子を見ながら別の言葉に換えたり補足説明をしたりするなどの工夫が必要です。

まとめ

ビジネス用語や営業用語を知らなくて苦労する場面はありますが、知っていて損はないでしょう。しかし、言葉を知って使えればいいというわけでもありません。

大切なのは、用語の意味を知るだけでなく、意味を理解して営業に活かす姿勢です。本質を分かるのは、実際に行動し成果を出してからなのです。

経験を重ねながら、ビジネス用語や営業用語を自分の体にしみこませ、本当の営業力を向上させましょう。

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