売れない理由を分析「売れる」ために足りない要素を徹底的に把握せよ

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「自社商品やサービスがなかなか売れない」
「自分の営業トークが悪いのかな…」

など悩みや疑問を感じている営業マンはいるでしょう。商品が売れなければ会社の利益にならず、自分のモチベーションをキープしにくくなります。

今回は、売れない現状を打破するために必要な要素を洗い出し、売れるために必要な分析力を整理します。売れない状況を「売れる」に変えるポイントが分かりますので、ぜひ最後までお読みください。

売れない理由を分析すると…

「売れない、どうしても売れない…」。この言葉をつぶやいてしまい、常に頭の中で繰り返してしまう方はいるでしょう。そもそも売れない理由はどこにあるのでしょうか。さまざまな要因が考えられますが、ここでは3つに絞って解説します。

顧客が商品やサービスを知らない

顧客が「会社の名前を知らない」「商品を知らない」状態では、いくらよい商品やサービスであっても売れません。SNSでの周知が可能な時代であるにもかかわらず、会社や商品の名前さえ認知されていない状態はどうしても避けたいところです。

この背景に、集客や販売促進などマーケティングがしっかり機能していない点が挙げられます。売れるようにするには、自社商品やサービスでメリットを受けるであろう顧客層を開拓し、的を射た集客や効率的な販促をかける必要があるでしょう。

顧客が商品やサービスに魅力を感じない

見込み顧客を絞り込んだり集客がうまくいったりしても、顧客が自社商品やサービスに魅力を感じなければ購入しません。

顧客は自分にとってメリットがあるかどうかで商品やサービスを選びます。選ぶ際は、次のような基準で選ぶことが多いでしょう。

  • 商品やサービスの質と価格とのバランスがよいか
  • 商品やサービスを購入(利用)したのちの利便性はどうか
  • ほかの商品やサービスにはない特別感があるか
  • 自分にとって本当にメリットがあるか

これらを総合的に判断して、顧客が「うん、これはいいね!」と納得できれば商品やサービスに手を伸ばします。

そもそも商品やサービスが良くない

たとえ営業トークが抜群であっても、そもそも商品がよくなければ売れません。「どうして売れないのか」と原因を探って、この理由に行き当たる場合は商品やサービスの改良を考える必要があります。

顧客から直接「A社の〇〇は安いし使いやすいんだよね」と言われたり、買わない理由として「もう少し操作が分かりやすい方がいいね」と教えてもらったりする場合があるでしょう。顧客から”ヒント”をもらっているのに、ただひたすらに営業を続けても「売れる商品」を生み出せません。

顧客からのヒントを商品改良のチャンスと捉え「売れる商品」を開発する方向にもっていければ、売れない状況から抜け出せます。

「売れない」から「売れる」に転換する要素

売れない理由をとことん追求すると、改善点が見えて売れる要素を探し出せます。つまり「売れない」から「売れる」に転換する要素が見えてくるのです。

本章では、前章の理由追求から洗い出した要素を紹介し、改善の糸口を探っていきます。

マーケティングができていること

マーケティングとは、自社商品やサービスに興味をもつ人(見込み顧客)を見つけて、その人たちに周知し購入までの仕組みをつくることです。商品やサービスを売るためには、マーケティングができているのが条件となります。

集客するにもやみくもにするのではなく、商品やサービスのよさを”しっかり届ける”必要があります。しっかり届けるとは、顧客の心を揺さぶり購買行動に向かわせる意味を指します。

たとえば、市場と顧客情報を丁寧に分析して見込み顧客を選定し、効率的に営業や販促をかけたりしましょう。

この過程では、営業活動をする営業マンだけでなく、SNS発信やECサイト運営、販促動画制作などさまざまなスタッフの連携が欠かせません。また、企業ブランディングや商品ブランドの周知を達成するために、IT技術やサービスを有効活用します。

認知から販売、実際に商品やサービスを購入(利用)してもらうまでの動線づくりは地道な作業ですが、商品を売るためには重要な取り組みなのです。

常に顧客目線であること

営業の目的は自社商品やサービスを売ること、顧客に商品を気に入ってもらい成約につなげることです。会社や自分目線がなければ、ここぞ!というときの一歩やひとことは生まれないでしょう。しかし、単なる押し売りにならないよう、顧客の利益や幸福を常に考える顧客目線は重要です。

「売れればいい」「売っておしまい!」と考える営業マンは一時的には業績を伸ばせるかもしれませんが、顧客と信頼関係を築けず長くはもたないでしょう。

それよりも商品やサービスを”買っていただいたのちまで”の思いで顧客のその後にまで気を配ります。徹底した顧客目線をもつ営業マンは、多くの顧客に継続して商品やサービスを購入してもらえるようになるのです。

顧客に「これじゃなきゃ!」と思わせること

たとえば、A社の洗剤ではなくB社の洗剤を買うとき「これじゃなきゃ!」の思いが含まれている場合が多いでしょう。商品やサービスを売るには顧客に「これじゃなきゃ!」と思わせるのが重要です。

顧客が無意識に買い続けているとしても、ほかの商品と区別している場合があります。類似商品で価格が同じであれば「やっぱり今までのB社が洗剤が残らないからいい」となるケースも特別な思いがあります。

そこに価格が安かったり、ほんのり香りが付いていたりする商品を目にしたら「こっちを試してみようかしら」となります。実際に使ってOKならば、新たな「これじゃなきゃ!」となるのです。

つまり、商品の差別化は顧客に「これじゃなきゃ!」と思わせることといえます。差別化をいかに図れるかが、売れる商品の重要な要素。この点を分かって営業するのが大切であり、分かって説明できないのであれば商品改良の時期にあると捉えましょう。

売れない商品を売るために必要な分析力

売れるための要素が分かったところで、本章では売れない商品を実際に売るにはどのようなスキルがいるのか解説します。ここでの前提条件は「いい商品であること」とします。商品やサービスに課題があり改善が必要だと社内で認知した場合は、まずは改良に着手しましょう。

マーケティング力

マーケティングには「誰に何をどう伝えるのか」を明確にする力が必要です。ターゲットとなる顧客層を絞り込み、ペルソナを具体的に描きましょう。ペルソナとは単なる「30代主婦」をイメージするのではなく、たとえば次のような人物を指します。

  • 営業エイコ(32歳)
  • 地域(政令市 駅から車で15分)
  • 家族(夫・小1長男・年少長女)
  • 職業(契約社員として食品工場で働く)
  • 年収(100万・世帯500万)
  • 住居(賃貸アパート※夫の会社で家賃補助)
  • 使用アプリなど(LINE・Twitter・Instagram・アメブロ)
  • 使用サービス(楽天やYahoo!ショッピング)など

くくりの大きな顧客イメージより、一個人の姿が浮き彫りになります。市場や顧客調査を経て、さらに具体的なペルソナを描きましょう。

具体的になればなるほど、顧客層が使うメディアや行動範囲や履歴などが選定でき、効率的に販売促進活動を行えます。顧客に最適なキャンペーン活動をすれば、効率的な集客につながるのです。

市場や顧客リサーチ力

情報化の時代に商品やサービスを売るためには、顧客の情報収集や市場リサーチは欠かせません。また、競合他社はどのような商品を展開していて、集客や販売方法にどんな工夫をしているのか確かめます。

市場が求めているものをキャッチしペルソナを明確に設定したところで、競合他社と自社の立ち位置を把握しましょう。たとえば、先ほどの30代女性のペルソナをもとに、ファッションに求める要素を「機能性」「価格」「生地の質感」「デザイン」とするとします。

4つの要素に関して自社や競合他社(数社)ごとに評価し、競合他社より優位な要素として「生地の質感」「デザイン」をピックアップします。ここから「生地の質感」と「デザイン」を2軸としてマトリクスを作成するのです。

  • 縦軸:「生地の質感」…洗いざらし・やわらかさ
  • 横軸:「デザイン」…トレンド・コンサバ

マトリクスに競合他社数社と自社の立ち位置を設定しましょう。他社と重ならず、自社のポジションが明確になれば、自社商品の勝算が見えるというわけです。このように市場や顧客のリサーチを徹底して行うのは、売れる商品を見極めるだけでなく効率的な売り方の選定につながります

顧客目線で考える力

常に「顧客は何を求めているのか、どう考えているのか」とみる顧客目線が重要です。電話対応だけでなく、メール返信やレスポンスの早さなど、顧客との接点では誠心誠意尽くす姿勢を大切にしましょう。

自社商品やサービスの価値と顧客のニーズの合致がうまくいけば、売れない商品から売れる商品に変わります。顧客の潜在ニーズを引き出しながら自社商品の購入へつなげるには、営業トークが重要な役割を果たします。

また「売って終わり」ではなく、顧客が商品やサービスを購入したのちのフォローが大切です。「喜んで使ってもらっているだろうか」「もしかしたら不具合や困ったことがあるかもしれない」と思い、電話や訪問で確認します。

購入後も気にかけてもらえていると知れば、顧客はうれしいはずです。決して「売って終わり」ではなく、アフターフォローも含めて顧客目線が大切なのです。

売り込まないトーク力

押し売りと受け取られるようなトークをしないようにしましょう。

営業活動では一押しが足りなかったりタイミングが悪かったりして、成約につながらない場合もあります。とはいえ、しつこいセールスで嫌われてしまっては商品は売れません。

売りたい気持ちを押し付けて「売り込む」のではなく「お客様が喜んで買っていただけるように」という顧客目線を忘れないようにしましょう。

また、直接会うのに抵抗感を抱く方がいるため、SNSやメールによる情報発信を併行して行うと効果があります。表情が見えないやり取りでも充分に真意を伝えられます。

売り込まない”トーク力”を表現力と解釈すれば、SNSやメールを有効活用して信頼関係を築くのもコアファンをつくる要素といえるでしょう。

ライティング力

前述のように、営業トークだけではなく、ブログや投稿、メールなどを通して自社商品やサービスのセールスを行うことが可能です。そこで必要なのがライティング力です。

いくらSNSやメールで自社商品やサービスの強みをアピールしても、顧客に読んでもらえなかったり読んでも心に響かない言葉を羅列したりしては、売れる商品を生み出せません。

「顧客に読んでもらえるにはどうすればいいのか?」「心に訴えるキャッチコピーはどうすれば生まれるのか?」など、ライティングを磨く姿勢が問われます。書く力は話す力につながるため、営業マンは書く力もしっかり身につけましょう。

売るには自社商品やサービスの強みを

商品やサービスを売るには、自社の「強み」になる部分を明確にする必要があります。

それは、他社の売れている商品を調べたり競合他社のリサーチをしたりして、比較から分かる場合もあるでしょう。逆に、今回の記事のように自社の「売れない理由」を分析することで、弱みを見つけて強みに移行させる方法があります。

たとえば「売れない理由」を分析する過程では、下記のポイントを確認しましょう。

  • マーケティングの方法やプロセスは間違っていないか
  • 顧客目線の営業力を身につけているか
  • 商品やサービスの質がよく顧客の心をキャッチできるか
  • 顧客情報や市場状況などを詳細に把握しているか

これらのポイントをチェックすることで、場合によってはマーケティングや営業スタイルの見直し、商品改良などが可能になります。

売れない理由をしっかり分析すれば弱みが明確になるため、改善を重ねて自社の商品やサービス力をより強固にできるのです。

まとめ

商品を売るために必要な要素はマーケティング、顧客目線、差別化といえます。この3要素の改善点を洗い出し、改善に必要なスキルを身につけたり磨いたりすれば、商品やサービスの購買につなげられるのです。

今回のように分析をすることで、見えなかった強みが分かったり、弱みを強みに変える視点が見つけたりできます。視点が明らかになれば、何をすべきか自分で考えたり社内で話し合ったりしましょう。アイデアが生まれたところで、まずは試しにやってみるのをおすすめします。

見えていないものを見えるようにする…。売れない理由の背景にあるものを探ることで、マイナスをプラスに転換するチャンスを得られます。改善の視点を得られたところで行動に移し、ビジネスや自分自身を成長させていきましょう。

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