休眠顧客の掘り起こしメール例文|高確度の顧客リストを徹底活用

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休眠顧客とは、自社商品やサービスを購入(利用)したのち、なんらかの理由で購入(利用)を控えている状態の顧客を指します。

顧客が続けて商品やサービスを購入(利用)してくれなければ、企業の業績を順調に伸ばせません。業績を上げるには休眠顧客を掘り起こし、適切なアプローチをする必要があります。

そこで今回は、休眠顧客の掘り起こしに使われるメールを例に挙げ、メールを作成する前の準備やツールの活用方法について解説します。

記事を読むことで「休眠顧客の見つけ方」から「高確度の雇用リストを徹底活用」するまでの流れがわかります。ぜひ最後までお読みください。

※なお「高確度」とは、誤差が少なく確実性が高いことを指します。

休眠顧客へのアプローチにメールを使う理由

休眠顧客を見つけてアプローチする際には、電話やDM(手紙)、メールが使われます。ここでは、メールでアプローチをおこなう理由やメリットについて解説します。

比較的コストを抑えられる

メールで休眠顧客にアプローチするのは、電話やDM(手紙)などと比べてコストを低く抑えられるためです。仕事の効率化を図るためには、適宜AIツールを活用するとよいでしょう。

ビジネスの場では「メール配信ツール」と呼ばれるサービスが活用されており、月額数千円~数万円で契約できます。また、メール自体は公私ともによく使われるため、メール配信ツールの扱いにもそれほど困らないでしょう。

なお、メール配信後のアフターフォローや販促活動を視野に入れるのであれば、メール配信ツールのほかに「マーケティングオートメーションツール(以下MAツール)」の使用をおすすめします。

ツールを導入する際は初期費用がかかりますが、効果の上がるメール作成&送信が可能になるため、結果として営業におけるコストを削減できます。

効果を測定しやすい

「メール配信ツール」を活用してメールを送信すると、開封率やクリック率を把握でき、自社がとった行動の効果測定が可能になります。

また「MAツール」には、Web解析機能や顧客管理機能が備わっている場合が多く、休眠顧客がメール開封後にとった行動を記録できます。休眠顧客の反応に応じたアプローチやタイミングを設定しやすくなるでしょう。

各種ツールを上手く活用すれば休眠顧客の掘り起こしの質を高められ、業績向上につなげられるのです。

顧客リストを作りやすい

メールの活用は、AIツールの蓄積を活かして作成した高確度の顧客リストを利用できる点にメリットがあります。

AIツールには、企業で導入が進む「営業支援管理システム(以下SFA)」や「顧客管理システム(以下CRM)」も含まれます。

たとえばSFAは、顧客とのやり取りが可視化できるため、アプローチ法を考案したり商談までの流れや成約率を調査したりできます。

また、CRMを使うことで具体的な顧客情報(性別や家族構成、居住地、職業、年収、購買行動、趣味など)が把握できるため、顧客リストをより具体的に作成できます。

SFAやCRMのほか、先に挙げた「メール配信ツール」に業界や地域、役職などの属性情報、購入に関する行動履歴などの記録があれば、休眠顧客のリスト作成に活用します。MAツールであれば、顧客リストに応じた数種類のメールテンプレートを用意できます。

これらのAIツールをすべて活用する必要はありません。企業の状況に応じてツールを選択し、より精度の高い顧客リストを作っていきましょう。

休眠顧客の掘り起こしメール例文

ここでは実際の例文を紹介したのちに、メール内容について簡潔に解説します。

上記のメールを送る場合の方法やコツなどを紹介します。たった一文であっても、その背景に顧客に関する情報分析や休眠顧客に応じた対応が含まれていますので、ぜひご確認ください。

①件名とあいさつ   

「アフターフォローと新サービスのご案内|〇〇株式会社▢▢」のように、どのような内容でどこからのメールなのか一目でわかる件名にします。

あいさつについては、休眠顧客が自社とお付き合いがあったことがわかる書き方をおすすめします。より親しみをこめて「その後いかがでしょうか」と表記するのもよいでしょう。

また本文の書き始めでは、以前に〇〇の商品をご購入いただいた謝意を伝えます。

②以前のお付き合いを提示

購入した〇〇の機能について「その後は滞りなく運用ができているかどうか気遣う姿勢を示しましょう。

あるいは他社との取引に関する話を盛り込みつつ「自社としては〇〇の商品がご提案できます」のように伝えるのは効果があります。ただ、厚かましく感じられないように細心の注意を払いましょう。

やはり大切なのは、顧客情報から顧客ニーズや悩みの抽出を丁寧におこなうことです。単にテンプレートを利用するメール配信とは異なり、顧客に特別感をもってもらいやすくなります。

③メールを送った理由とベネフィット

メールを送った理由を具体的に伝えます。その際、前回の相談内容を再提示することで、顧客に「この営業マンは自分の話をしっかり覚えている」と良い印象をもたれるでしょう。

つまり休眠顧客へメリットを伝える際は、自社目線の伝え方ではなく、顧客の購買履歴や当時の商談内容などに応じた対応が重要なのです。メールを作成するときも、顧客に満足感やうれしさといったベネフィットを与えられるようにします。

この点を意識してメールを作成すれば、休眠顧客は前回の相談内容に応じた新サービス案内とわかるため、単なる押し売りと受け取りません。「うちの会社のことを気遣ってくれているのだな」と理解してくれるでしょう。

④顧客に寄り添う一文を

メールを作成する際に重要なのは、いつでも顧客に寄り添う姿勢です

しばらく前回の購入から時間が経っている場合は、休眠顧客によっては「久しぶりだし、なんだか気まずいなあ」と連絡を躊躇する場合もあります。

休眠顧客の気持ちを見通して「ご質問や相談などがございましたら、ぜひ、お気軽にご連絡ください。」の一文を添えるだけで、顧客の気持ちが少し和らぐでしょう。

⑤休眠顧客に行動を促す

メールを送る理由は休眠顧客に行動を促すためです。行動を促すには「興味のある案件あるいは要望の合うサービスに関する詳細を紹介する」といった流れでメールを作成すると効果的です。

行動を促すにも、顧客情報をもとに高確度のリストにもとづいたメールを作成しなければなりません。高確度のリスト作成と顧客ニーズの把握がしっかりできれば、メール送信を露骨なセールスとして受け取られないでしょう。

また連絡先に関しては、電話やemailなど、先方が利用しやすい方法をいくつか提示しておくのも顧客目線の対応といえます。

適切なメール例文を作成するために

より複雑化する現代では、営業マンの経験だけで多様で膨大な顧客情報を分析するのは難しいといえます。効果の上がるメールを作成するには、AIツールやシステムを有効活用する必要があります。

AIツールやシステムを活用すれば、顧客情報を収集→整理→分析して、休眠顧客を類型化できます。たとえば次の流れにそって高確度のリスト作成へとつなげていきましょう。

1:休眠顧客を見つける
2:休眠顧客を分類する
3:類型化をもとに高確度のリスト作成

ここでは上記2点について解説します(3つめについては次章で紹介)。

休眠顧客を見つける

休眠顧客を見つける方法としてここでは、下記の5点が挙げられます。見つける際は、休眠顧客の類型化を意識しながら「休眠の実態」を調査する視点でおこないましょう。

  • 購入履歴:過去の履歴を分析し、休眠期間や顧客が購入した商品やサービスを把握
  • WebやSNSの利用状況:メールやSNSでの反応率や、Webサイトの訪問履歴などから把握
  • ポイント利用履歴:ポイントやマイルなどの利用履歴を確認
  • キャンペーン参加履歴:自社が打ち出したキャンペーンへの参加率を把握
  • 解約状況:顧客が登録した個人情報(電話番号やメールアドレス)の解約状況を確認

この際、企業で導入しているツールやシステム(SFAとCRM)を活用すれば、効率的に精度の高い抽出が可能になります。

休眠顧客を分類する

休眠顧客を見つけたのち、一定条件で顧客を分類する必要があります。条件としては、たとえば下記の視点が挙げられるでしょう。

  • 購入履歴にもとづいて分類
  • 休眠期間にもとづいて分類
  • 顧客属性にもとづいて分類
  • 顧客ニーズにもとづいて分類

1つめの「購入履歴にもとづいて分類」とは、休眠顧客が購入した商品やサービスごとにグループわけすることを指します。

「休眠期間にもとづいて分類」する場合は、たとえば1年以上の休眠なのか、2年以上の休眠期間なのかでわけます。

「顧客属性にもとづいて分類」とは、顧客の属性(年齢や性別、職業など)によって休眠顧客をグループ化することを指します。たとえば1年以上の休眠顧客であっても、20代の男性か50代の女性かでは、アプローチの仕方も変わるでしょう。

最後の「顧客ニーズにもとづいて分類」する場合は、休眠する前に把握した顧客のニーズや悩みごとにわけます。競合他社の利用がわかれば求める商品やサービスの傾向ごとに類型化できます。

休眠顧客を分類する際は、お伝えしてきたようにAIツールを適宜活用しましょう。またSFAやCRMの活用のほか、競合他社のデータを使って休眠顧客の予想される足取りを探ったり、競合他社の売れ筋を分析したりして休眠の理由を明確にできます。

SNSやリサーチサイト、同じ業界や地域のデータベースなどを利用して休眠顧客の購買行動を入手できれば「なぜ自社商品やサービスから人が離れていくのか」も見えてきます。

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以上のように人間による分析だけでなく各種ツールを活用することで、休眠顧客との温度差、顧客の興味やライフスタイルなどの内面的な要素についても把握できます。つまり、より高確度の顧客リスト作成が可能になるのです。

では、次章で「高確度の顧客リストを作成する方法」を解説します。

高確度の顧客リスト作成の手順

前章で紹介したように、顧客の情報収集・分析から休眠顧客を特定し類型化することで高確度の顧客リストを作成できます。具体的にどうやってリストアップするのか、手順や留意点などを紹介します。

手順1:目的を明確化

まずは、リストを作成する目的を明確にします。目的が「休眠顧客と接触すること」なのか「休眠顧客の再購入(利用)率の向上」なのかによっても、顧客リストの様相が異なってきます。

目的に応じて、どのような期間・条件で休眠顧客として分類するかを定め、作成するリストの範囲をきちんと設定することが重要です。

手順2:データの収集

次に、データの収集(名前、住所、電話番号、メールアドレス、購入履歴など)を行います。すでに詳細な分析や類型化がされているため、多くの作業を必要としませんが「現時点でもっとも新しいデータの収集」を念頭におきましょう。

手順3:データの整理

収集したデータを整理したり修正をしたりすることで、リスト内のエラーや重複を取り除き正確なリストを作成できます。

たとえば同じ住所で複数の休眠顧客がいる場合は、各顧客の氏名や購入履歴、ニーズなどをしっかり記載しましょう。家族であっても年代や世代、求める要素などが微妙に異なるためです。

もちろん、電話番号やメールアドレスの確認や個人情報のアップデートも必要です。

手順4:クラスタリング

ある類似点にもとづいて顧客データを類型化することで、休眠顧客のなかでも優先度や再購入率の高いグループを見つけ出せます。

休眠顧客の購入履歴やサイトにおける滞在時間、購入金額などの情報を活用しながら、休眠期間に応じてランク付けをしましょう。

※メール配信で販促を仕掛ける場合は、ランクに応じてメール内容を変えたり、メール配信の回数を増やしたりするなどの工夫をします。

手順5:顧客に合ったアプローチ方法を選ぶ

最初に目的を明確にし、ターゲットとなる休眠顧客の特徴を把握すれば顧客に合わせたアプローチ方法を選べます

顧客によっては、電話や直接訪問を通じて商品の説明を受けたほうが良い場合もあれば、メールやDM(手紙やはがき)、SNSの活用を通してアプローチしたほうが効果的である場合もあります。

また、休眠期間や整理したデータをもとに、アプローチのタイミングを図ったり販促の内容を工夫したりするなど、一人ひとりの顧客に合う対応を念頭におきましょう。

高確度顧客へ送るメールの作成ポイント

ここでは精度の高い顧客リストを作成後「このグループはメールでのアプローチがもっとも良い」と判断した場合の、効果的なメール作成の方法について解説します。

カスタマイズ

カスタマイズとは、顧客ニーズに応じて商品やサービスを調整を図ることを指します。休眠顧客にアプローチする際は、それぞれの顧客の特性や要望に合う提案をおこないましょう

メールの件名や内容、おすすめしたい商品・サービス、キャンペーン内容など、一通のメールのなかにはカスタマイズできる要素がたくさんあります。

商品購入時に得た顧客の悩みを解決する方法を盛り込むのも、休眠顧客がメリットを感じやすく「しっかり要望に応えてくれそうだ」と好感をもってもらえます。

再購入や再利用のきっかけを作る

休眠顧客が自社商品やサービスを購入(利用)しなくなった理由を把握したうえで、顧客に合う商品やサービスの情報を提供すると興味づけができるでしょう。

また、顧客が以前購入した商品が高価なもので長年利用できる場合は、休眠しているからといって新商品を案内しづらいでしょう。その際は、メンテナンスや保証期間の延長サービスを案内します。

休眠顧客を「休眠のまま」にさせるのではなく、定期的に連絡をしたり接触の機会を設定したりすることで顧客との信頼関係を築いていきましょう。

メリットを強調

自社商品やサービスを再購入(利用)することで、どのようなメリットが得られるのかしっかり理解してもらう必要があります。

単なる商品案内やサービス情報を伝えるだけでは、顧客に関心をもってもらえません。顧客情報をもとにカスタマイズされた商品やサービスを案内し、顧客がメリットを感じやすくします。

また「再購入でボーナスポイントの付与」「期間限定で無料メンテナンス実施」といったように顧客にとってお得な情報を追加しましょう。

メールで休眠顧客に再購入してもらうコツ

おわりに、休眠顧客に再購入(利用)してもらうコツを紹介します。休眠顧客が再購入を考えて行動に移すまでは、メールを一度送信して終わりではありません。ここで紹介する3つのポイントを念頭におきましょう。

休眠顧客にとって魅力的なメール内容か

休眠顧客が実際に購入するには、既存や優良顧客以上に「商品やサービスを買う(使う)メリット」を感じる必要があります。

次のような提案は通常の販促活動でも使われますが、休眠顧客に対してはよりカスタマイズされた内容になるように工夫します。

  • 期間限定クーポン配布
  • 購入履歴に応じたポイント還元
  • 新商品の先行予約販売情報
  • 顧客限定のカスタマイズ商品の案内
  • 購入商品の無料メンテナンス

このように、休眠顧客の情報を徹底的に調べてリストアップした内容を確認し、特別感や満足感を与えられる提案を考えましょう。

追従型のメールを送る

追従型のメール送信とは、一度送信したメールに対して休眠顧客がどのような反応を示したかによって事後のメール内容を変えていく方法を指します。

追従型メールを送信する際には、以下の点に注意してください。

  • メールの送信頻度やタイミングを調整する
  • メール内で簡単なアクションを促す
  • 迷惑フォルダに入れられないよう言葉遣いに気をつける

再度メールを送る頻度が多すぎると、迷惑フォルダに入れられる可能性があります。はじめのメールで期間限定サービスを案内した場合は、締め切り前にメールで再確認するとよいでしょう。

また、1回目のメールで関心の度合いや相談内容などを簡単に返信できるURLを設置しておくと、休眠顧客の反応がすぐわかりその後の対応に活かせます。

いずれにしても過度でしつこいセールスと受け取られないように、メールの文面や言葉遣いに気をつける姿勢は大切です。

フロー分析で課題解決

フロー分析とは、顧客がどのような経路でどのような行動をとったのか分析することを指します。たとえば休眠顧客にアンケートを依頼した場合、その反応を分析して顧客の悩みや問題、興味などを把握できます。

企業サイトのURLやSNSアカウントを伝えるのも、休眠顧客の反応率を調べるのに有効です。休眠顧客がメール内容に興味をもちWebサイトやSNSに訪問したかどうか、どの商品ページに流入したかによって顧客のニーズが見えてきます。

分析の結果によっては、追従型メールでさりげなくフォローアップできます。また、顧客リストをより高確度に整えられるでしょう。

まとめ

休眠顧客へのメールを作成するには、かなりの準備や多様なツールの活用が必要です。多様で膨大な顧客情報を販促に活かすにはAIツールが欠かせません。今回紹介した内容をもとにツールを有効に活用しながら、営業マンの経験知や感性と融合させていきましょう。

また、高確度の顧客リストを作成して効果の上がるメールを作成・送信できたとしても、事後に何も分析しなければ再購入のチャンスを逃すかもしれません。メールを送ってからも休眠顧客の動向をしっかり把握し、必要に応じて追従型メールを送信しましょう

本記事で解説した「リスト作成のための準備からメール送信後の取り組みまで」の流れを確認し、休眠顧客の再購入を実現させ企業の業績を向上させていきましょう。

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