ロープレは意味がないと言われる5つの理由|営業力アップのポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

営業スキルを上げるためにロープレを活用している人もいるでしょう。ただ、ロープレに対して否定的な見方をもち、成果を実感できないまま仕方なくおこなっている営業パーソンがいるかもしれません。

本記事ではまず、ロープレの概要を明らかにするとともに、どうしてロープレが意味ないとされるのかその理由を掘り下げます。また、ロープレの効果を再確認するとともに、効果を感じられるロープレの活用法について解説します。

ロープレに対してネガティブなイメージをもつ営業パーソンは、意欲につながる要素を見つけられますので、ぜひ通してお読みください。

ロープレとは何か?

ロープレとはロールプレイングの略語で、役割演技を通じて営業シナリオをもとにリアルな状況での対応や交渉を練習するプロセスを指します。

たとえば、ロープレの価値やメリットとして以下の3点が挙げられます。

  • 実践的なスキルを向上させる
  • 仲間からのフィードバックを得られる
  • 自信や気づきを高められる

ロープレは、より効果的に営業スキルを向上させる手立てとして有効だとされています。

しかし、忙しいなかでロープレに時間を割くことに後ろ向きな営業パーソンもいるでしょう。実際にロープレをやって上司や同僚から厳しく指摘されたり、自信を低下させたりした経験がある人は、ネガティブな印象をもったまま避ける傾向にあります。

次の章では、ロープレの有効性について完全否定できないまでも「ロープレはやっぱり意味がない」と感じてしまう背景について探っていきます。

ロープレは意味がないと言われる理由

ロープレの価値について理解していても、そのメリットを充分に享受できない場合、ロープレの無意味さばかりが目立ってしまいます。営業パーソンが「ロープレが意味ない」と考える理由として、下記の5点が挙げられます

  • 現実的でない
  • 効果が不明確である
  • 不信感がある
  • ストレスをもたらす
  • 単なるルーティンになっている

実際にロープレを経験した営業パーソンのなかには、上記のような感情や見方をもつ場合があります。それぞれについて詳しく解説します。

現実的でない

ロープレをおこなう場合は役割や場面、セリフなどが盛り込まれたシナリオを活用することもあるでしょう。ただし、理想的な状況やモデルに基づいておこなわれることがあり、実際の営業場面とはかけ離れている場合があります。

たとえば自社商品に好意的な顧客層をイメージしたり、顧客の協力的な態度で商談が進んだりする場面を想定するロープレなどです。

実際の商談では、顧客が予期せぬ反応を見せるケースもあります。ロープレで確認したシナリオを使う間もなく、対応や商談を断られる場合もあるでしょう。

限られた時間のなかで、いかに現実的で実践的なロープレを設定できるか」が重要で、よく練られたロープレの遂行が求められます。

効果が不明確である

ロープレが実際の営業にどれほど役に立つのか不確かであると感じる営業パーソンもいます。

たとえば、次のような感情をもつ場合です。

  • 「〇〇のロープレをやっても営業成績につながらない」
  • 「定期的にロープレをおこなっても営業スキルが向上しない」

効果が実証されていない状況では、ロープレに価値を見つけるのは難しいでしょう。

また、目的が定まらず顧客のイメージも明確でない場合、せっかくロープレをやる時間を設定しても無駄、無意味と感じる可能性が高まります。

何を目的として、ロープレからどのような結果や分析を期待するのかなど、理論的なトレーニングをおこなう必要があります。ロープレを通じて効果がはっきり感じられればロープレの価値を認識でき、「忙しい時間を割いてロープレをやっても無駄だ」と考える営業パーソンを減らせます。

不信感がある

「ロープレは単なるタスクの一つでありメリットは少ない」と営業パーソンが考える場合、自身の経験が影響しているかもしれません。ロープレに対する不信感としては、以下の例が挙げられます

  • 上司が定時以降に無理やりロープレの時間を設定する
  • ロープレをやっても実際の仕事にまったく反映されない
  • ロープレどおりにやったら商談で失敗した

以上の経験が多ければ多いほど、ロープレに対する不信感は強まるでしょう。不信感を取り払えなければロープレに対するモチベーションも低下するため、さらに成果やメリットを得られなくなる状況に陥ります

ストレスをもたらす

ロープレが営業パーソンに大きなストレスを与えることも、ロープレに対する否定的な態度につながります。たとえば、次のような要素がストレスの原因になります

  • 上司や先輩から強要されたり叱られたりする
  • ロープレで自尊心を傷つけられる
  • 人前で演じることが恥ずかしい
  • 人から見られるとプレッシャーを感じやすい

性格的に引っ込み思案な人が上司や先輩と対峙しなければならない状況が続けば、精神的なストレスを大きくするでしょう。ストレスとともにプレッシャーがかかる状況では、かえってミスや失敗をしてしまいます。

ミスや失敗が多ければ、再び上司などから厳しい指導を受けることも考えられ、負の連鎖が続いて精神的にも追い込まれる可能性があります。

単なるルーティンになっている

「とにかくロープレをすること」を強要される場合目的や意味も理解できないまま、単なるルーティンになる可能性があります。この状態が続けば心理的に良い影響を与えません。

「何のスキルをどのようなシナリオで身につけるのか」「〇〇の言葉が相手に対してどのような心理的影響を与えるのか」など、ロープレを通じて得たい情報や学びを具体的に描けなければ、ロープレをおこなうモチベーションも低下します。

また「ロープレをやった=実際の営業場面で活きる」といった実感が無い場合、ロープレに対する否定的な感情はぬぐい切れないでしょう。

以上のようにロープレが意味ないとする理由には、ロープレの目的や内容、実施の仕方が大きく関係しています。参加者が「ロープレはやっぱり意味ある」と感じる手立てを打つ必要があります。

たとえば「今回のロープレで得た学びを営業場面に活かしてみたい」「営業の〇〇を解決するために、どのようなロープレ実践が考えられるか」など、ロープレと実際の商談の関係性がリアルに感じられることが重要です。

次章では、ロープレで営業力Upをめざすポイントやコツを解説します。

ロープレで営業力を向上させるポイント

ロープレに対する負の感情や要素を取り除き、意味あるロープレにしていくために必要な要素について紹介します。

目的を明確にする

ロープレの目的設定は重要です。目的を明確にする場合、ロープレ参加者が以下のような課題意識をもてるかどうか吟味しましょう

  • ロープレを通じてどのような営業スキルの向上をめざすのか
  • 新しい商品を提供する際、顧客の心に響くのはどの方法が有効か
  • AパターンとBパターンでは、どのような効果とリスクが想定されるか

商談といっても大勢でおこなうのか、1対1であるのかによってアプローチ法も異なります。また、アイスブレイクの内容やリラックスした雰囲気づくり、クロージングの仕方などを確認するロープレも考えられます。

いずれにしても、ロープレをおこなう目的を明確にし、ロープレの終了時点ではっきりとした成果を感じられるものにする必要があります。

目的に合わせたリアルなシナリオを作成する

目的が明確になれば、ロープレのシナリオも作成しやすくなります。たとえば、顧客に新しい商品を提案する場面を想定して、ロープレの目的を「新規顧客が関心をもち質問をしてくれるようなアプローチ法を見い出す」としましょう。

まず、いくつかのロープレシナリオを作成し試行します。商品を提示するタイミングや見せ方、資料を渡すタイミング、とくにおすすめのポイントなど具体的な要素が含まれたシナリオを作ります。

具体的な顧客イメージがある場合は、細かな視点(性格や姿勢、価値観、言葉遣いなど)を取り入れてリアルな状況設定をおこないます。

顧客役に当たった人はそれぞれの立場になり切るとともに、客観的な視点で役の心情を分析します。自身の気持ちや行動に影響を与えた「営業パーソンの言葉や態度は何か」を具体的に抽出することが重要です。

以上のポイントを念頭におきながらロープレシナリオを作成しておいたほうが、事後における評価や分析をする際に役立ちます。

フィードバックを活用する

ロープレをおこなう場合、当事者にあたる数人とは限りません。研修の機会としてロープレを設定する場合は、ある程度の人数が観察者となります。いずれにしても、第三者の立場でフィードバックできるロープレをおこなったほうが、効果やデメリットなどを測定しやすいでしょう。

フィードバックでは客観的な分析をもとに効果を示したり、改善点を洗い出し適切な提案をおこなったりすることが大切です。

実際に演じる人が気づかない効果や改善点が見つかる場合もあります。また、演じた人のクセなどを適切にとらえてさりげなく助言する姿勢も重要です。

ロープレによって成果を実感できることで、ロープレに対して「意味ない」とする感情を抑制できます

継続的なトレーニングと評価をおこなう

ロープレを継続的なプロセスとしてとらえ、成果を分析、測定するなど成長の機会を逃さないようにする姿勢も大切です。ロープレの内容や結果によっては、厳しい指摘を受けてショックを受ける場合もあるでしょう。

ロープレで失敗し恥ずかしい思いをするなどの挫折があっても、事後のフィードバックや評価、継続的なトレーニングを通じて営業スキルを向上させられる場合もあります。

上司や同僚に相談したり助言をもらったりしながら実際の営業場面に活かしたり、別のロープレをみずからお願いしたりするなどポジティブな姿勢に変えていきましょう。

ロープレと同様に重要な営業スキル

ロープレ以外にも、営業パーソンが成功するためのスキルやアプローチがあります。ロープレをおこなう際もとくに意識しておくと良いポイントを紹介します。

顧客理解とリサーチ

営業パーソンとして顧客リサーチはしっかりおこない、より現実に近いシナリオを作成するようにしましょう。顧客の姿が具体的に思い描かれ対話をカスタマイズできれば、よりリアルなロープレが可能になります。

また、業界研究や市場動向の把握も必須です。業界や市場動向を見通してシナリオ作りをするのは、知識をアウトプットして定着させる良い機会となります。

コミュニケーションスキルの向上

ロープレを通して、自身の話し方や声のトーン、言葉のチョイスやクセなどが把握しやすくなります。

ロープレに対してポジティブなイメージをもっていれば細かな改善点を洗い出し、非言語コミュニケーションや説明力、質問力なども分析しながらコミュニケーション力を向上できます。

営業スキルを向上させる一つの手段としてロープレを積極的に活用しましょう。

タイムマネジメント

営業活動は多くのタスクと顧客からの要望などに適切に対応しなければなりません。ロープレで時間設定や優先順位などを瞬時にできるようにしておくと、実際の業務で重要なポイントに絞って会話を進められ、時間を有効に使えるようになります。

つまり、ロープレを通じて、調査や分析能力、会話、問題解決力、対応力、忍耐力、などさまざまな要素を客観的に把握し改善できるのです。

一つのロープレで、すべてを可能にするシナリオは難しいかもしれません。このため、一つのロープレにおける目的を明確にして、ロープレを通じて得られるメリットを享受できるような形を目指しましょう。これを意識すれば継続的な学習が可能となり、営業パーソンとして成長を実感できるロープレに変えられます。

まとめ

ロープレが意味がないと感じる人々の背後にある理由に焦点を当て、その誤解や不信感を解消する方法についても説明しました。ロープレが意味をもつためには、目的の明確化やシナリオ作り、フィードバックなどのポイントが重要です。

また、ロープレ以外にも営業スキルの向上に役立つ要素があるため、いずれにしても無駄だとは思わずロープレをポジティブに捉える必要があります。

ロープレの内容ややり方を改善すれば、営業に必要なスキルを向上させ営業パーソンとして成長できます。継続的な学習と努力が欠かせないことを忘れずに、自身のスキル向上に取り組んでいきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*