営業訪問時間のマナーはここが重要!結果を左右する時間帯を把握せよ

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入社してすぐ営業訪問を任される方は少なくないでしょう。ただし、顧客が会社の商品やサービスに興味を持つ→気に入る→購入してもらうまでの道のりは決して簡単なものではありません。

そこで今回は、営業の必須事項「訪問時間のマナー」についてお伝えします。まず営業訪問の目的と基本的なマナーを確認しましょう。

そもそも営業訪問時間のマナーがなぜ重要なのか?

営業訪問時間のマナーがなぜ重要かと言えば、共有する「時間」に対する感覚が合えば営業の目的を達成しやすいからです。もう少し詳しく解説しましょう。

入社後の社員研修や現場で、ビジネスの基本や顧客対応の仕方など基本的なノウハウを教わります。しかし、内容は多岐にわたり”机上の空論”に終わりがち。

しかも「上司に認めてもらいたい」「成果を早く出したい」という思いが先走り、上手くいかなければメンタルに支障をきたすでしょう。まずは、営業の目的を心に留めておく必要があります。

営業の目的は、顧客の悩みや欲などの課題を解決して、会社側に利益をもたらすことです。つまり、自社商品やサービスによって顧客の生活を快適にしたり潤いをもたらしたりすること。

うまくいけば、顧客との信頼関係が築かれ会社のイメージアップにもつながるでしょう。会社と顧客のよりよい関係づくりは社会にも良い影響を与えます。近江商人の「三方よし→売り手によし、買い手によし、世間によし」は、まさに営業の本質です。

1年365日1日24時間。一人ひとりに平等に与えられる「時間」ですが、その使い方や価値は人によって異なります。うまく合えば相手と「時間」を共有できますが、逆に相手の「時間」を奪う場合もあります。

営業はその可能性が高いからこそ難しいのかもしれません。自分と相手の時間をピタリと合わせ、その時間の価値さえ同等にできるなら、営業は成功したといえます。

営業訪問を感覚的に「いい時間」に合わせ、自社商品やサービスの紹介・相談を「いい時間」だと互いに感じられれば契約成立に近くなります。営業の目的を知り営業訪問時間のマナーを体得すれば、ビジネスパーソンとして成長につながるでしょう。

営業訪問時間の基本的なマナーとは?

この章では、次にお伝えする法人や個人宅営業訪問の理想的な時間(特にアポイントあり)に共通する事項をお伝えします。大切な視点なので覚えておきましょう。

営業訪問時間に絶対遅れない!

まず当然ですが「遅れない」は鉄則です。法人営業訪問はアポイント時刻の5分前まで、個人宅訪問なら2,3分前からきっかりの時刻がよいでしょう。

この時間帯に間に合わせるには、ぎりぎりの時間設定ではなく余裕を持たせます。電車やバスの時刻や道路状況などによっては遅れる可能性があるからです。また法人訪問の場合、受付方法や案内のされ方によっては時間がかかります。

万が一に備え、会社や個人宅周辺の到着時刻は早めに設定するのがおすすめです。できたら15~20分くらい早めがいいでしょう。コンビニや喫茶店に立ち寄ったり駐車できる場所で待機したりして、訪問の準備や身だしなみをチェックします。

営業訪問時間に遅刻しそうなら一報を!

本来は避けたいですが、遅刻しそうな場合は必ず電話を入れましょう。「多分間に合うからいいだろう」「2,3分の遅刻なら大丈夫」などという考えは持たない方がいいです。

訪問時間に遅刻しそうな場合も早めの対応がベスト!その際、到着を何分後と伝えるのかが重要になります。たとえば10分後には到着できると伝えたいときは、大目に見積もり「15分後」と伝えましょう。もしかしたら12分後になるかもしれないからです。

「10分後と言ったのに未だ来ない!」とやきもきして顧客が待っている姿を想像してください。待たされる場合、1,2分はかなり長く感じます。いつでもどこでも「自分だったら」と相手の立場になり考え行動するようにしましょう。

法人営業訪問の理想的な時間とは?

法人営業の場合、アポありとアポなしとでは訪問時間が異なります。

法人営業訪問の理想的な時間(アポあり)

法人営業訪問の理想的な時間は、午前でしたら「始業時刻の1時間後~11時半ごろ」午後は「昼食後13時から終業時刻の1時間前」です。打ち合わせや休憩時間、定時退社を意識してアポイントをとるのは顧客目線で重要な視点です。

事前に電話でアポイントを取る場合、法人の顧客によっては「午前中なら大丈夫」「昼過ぎならいつでも」という回答があるかもしれません。法人営業訪問の理想的な時間が頭に入っていると具体的な時刻を提案できます。

たとえば「それでは10時ごろいかがでしょうか」「昼食後13:30頃はよろしいでしょうか」という感じです。顧客によっては「もう少し早めで9:30はいかがでしょうか」「昼食後すぐ13:00でも構いませんよ」という返答があるかもしれません。

「いつでもいい」というのは、便利なようで予想がつかないため互いに不安になります。訪問のタイミングによっては、互いの時間をしばったり無駄にしたりする恐れがあるでしょう。具体的な時刻の提案は、互いの時間を尊重することにつながるので覚えておきたいですね。


法人営業訪問の理想的な時間(アポなし)

アポイントなく法人営業訪問をする際も、先ほどの理想的な時間を念頭におきます。「午前:始業時刻の1時間後~11時半」「午後:13時から終業時刻1時間前」です。

ただ、これについては微妙な計算が入っても構いません。たとえばアポイントで営業訪問に訪れる時間帯を10時前後に予想すれば、アポなしの訪問は始業時刻1時間後、9時から9時半ごろにした方が対応してもらえそうです。

あるいは17時終業時刻の法人企業の場合、16時に訪問するのと15時50分に訪問し「10分だけお時間いただけますか。16時には失礼します」と伝えるのとでは対応も違ってくるでしょう。

ほかに法人営業訪問では、その会社の規模や応対者によって会えそうな時間帯が変わってきます。中小企業の社長に営業訪問する場合、午前中はいるけど午後は社外というパターンもあります。とりあえず新人に応対させる会社もあるでしょう。

しかし、どのような規模であれ誰が応対するのであれ、終業時刻直前の訪問を避けます。「相手の時間を奪わない」の徹底を心がけましょう。

個人宅営業訪問の理想的な時間とは?

続いて個人宅訪問する場合の理想的な時間をお伝えします。個人宅によりますが、共通する視点があるので確かめましょう。

個人宅営業訪問の理想的な時間(アポあり)

個人宅に営業訪問する場合、各家庭のライフスタイルや事情に合わせて約束するのが望ましいです。やはり顧客目線ですね。共働き家庭で平日休みの方がいらっしゃるとします。

朝のうちに洗濯・掃除などの家事を済ませてからとなれば、午前10時ごろがベストでしょう。それ以降になると昼の支度、買い物にかかるかもしれないからです。

また、アポイントを午後に設定する場合、13時以降から15時前までがよいです。こちらもライフスタイルによりますが、15時以降は洗濯の取込み・買い物・夕飯の支度があるからです。

家族構成によっても変わるでしょう。お子さんがいる家庭ですと朝や夕方は子ども園や幼稚園の送り迎えでバタバタしています。お年寄りだけの個人宅に暗くなってからの訪問は、いくら事前に約束するとはいえ避けましょう。

個人宅に訪問する場合のアポイントは、先方のライフスタイルや事情に合わせた時間帯に設定することをおすすめします。

個人宅営業訪問の理想的な時間(アポなし)

今は共働きが多いですから、平日の日中にインターホンを鳴らしても不在宅が多いです。ただ、そうであっても営業訪問する際は「来てほしくない時間帯」に合わせるのは絶対やめましょう。

個人宅営業訪問の場合、事前に家庭のライフスタイルが分かっているか否かで訪問時間も異なります。たとえば共働き家庭の場合、朝や日中より16:00過ぎの方が話を聞いてもらえるかもしれません。

しかし共働き家庭であっても平日休みで在宅の可能があります。その場合はアポありの時間帯「午前10時から11時」「午後13時から15時」を基本に、前後1時間ほど延ばしてもよいでしょう。

休日の場合は、朝ゆっくり起きる方も多いので、9時だと若干早いかもしれません。「朝っぱらから」と追い返される可能性があります。昼前から午後は出かける可能性が高いので、訪問は午前10時ごろ、あるいは午後の15時過ぎがおすすめです。

個人宅の営業訪問は家庭の事情や「高齢者が多い」「ほぼ子育て世代」など地域によります。事前にある程度調べておいた方が時間や労力を無駄にしないでしょう。

ただし、訪問時間の基本マナーを守った上で「とにかく回ってみる」というスタンスも悪くはありません。叱られたり怒られたりする可能性はありますが、経験から学べます。

営業訪問時間に関するその他の重要ポイント

まず、前述しました営業の基本「三方よし」について確認します。売り手、買い手、世間の三方がそれぞれ幸せになれるように…そうした思いで営業をすればビジネスパーソンとして成長できます。

「とにかく営業成績を上げよう」「会社で昇進を目指すには営業をがんばるしかない」という思いが悪いわけではありません。しかし、一歩間違えれば顧客に対して強引な営業をかけることになります。クレームとして報告される可能性もあるので注意しましょう。

実は、訪問営業は違法ではありませんが、営業や販売の方法に関しては「特定商取引法」で細かく規定されています。禁止内容の例をあげると「相手が断っても引き下がらない」「帰ってくださいといわれても居座る」などです。

自分はそのつもりがなくても、顧客が「迷惑だ!」と感じれば通報されるかもしれません。訪問時間についても同様です。そもそも顧客の立場で考えて行動すれば、とんでもない時間に訪問はしません。

そしてもう1点。何度もご紹介している「三方よし」ですが、売り手、買い手、世間の他に「自分よし」があります。
実は営業マンであると同時に「人として」の視点を入れてみるという意味です。「自分よし」にするには、それなりの努力が必要です。

大切なのはセルフイメージを高めること。まずは営業の目的や「三方よし」をしっかりと理解する、先輩からの教えや顧客からのクレームさえ「自らの学び」として日々研鑽できる、などの姿勢が重要でしょう。

会社や先輩からのアドバイスをまったく聞かない、自分はできると思って顧客の都合に構わず訪問する営業マンはどうでしょうか。逆に「自信がない、基本マナーを守っても実際は会ってくれない」と意気消沈するばかりで先輩にも相談せずの人もいるでしょう。

しかし両者とも、周囲の指導やサポートを受けながら変化・成長するタイミングがどこかであるはずです。時間はかかるでしょうが、訪問時間の”勘”のようなものはやはり経験でしか生まれません。

とにかく、目標をしっかり立て実践や成果を自分なりに分析し改善します。PDCAサイクルですね。「訪問営業時間」に関しても、理想的な時間やタイミング、営業方法を自ら開拓していきましょう。

その姿が「自分よし」。「三方よし」に「自分よし」が加われば社会全体の幸福感へとつながるのではないでしょうか。大げさかもしれません。ただ、このような感覚で働く人、集う人が増えれば実現できそうです。本当の結果はそこかもしれません。

まとめ

今回は営業訪問時間のマナーについて解説しました。まず会社の商品やサービスに興味をもってもらうには、顧客に話を聞いてもらう必要があります。

やはり基本的なマナーは必須。身だしなみや言葉と同じく「営業訪問時間に関する意識改革」をすれば、おのずと成果に結びつきます。

時間設定がうまくいかず落ち込むときもあるでしょう。ただし、顧客の立場になり気持ちよく話を聞いてもらえる時間やタイミングを探してみるのは、間違いではありません。

つまり自分なりに「営業訪問時間」のルール化を試みます。そのためにある「時間」をどう使うのか…。今に徹して改善を図り誠実に対応していけば、自ずと見えてくるものがあるはずです。

この過程や経験は最大の宝となり営業に活かされるでしょう。営業は優れたビジネスパーソンになるための基本だと捉え、その営業力の「時間」感覚を磨いていきましょう。


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