ゴルフ接待なぜやるの?休日を潰してまで得られるメリットとは?

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ゴルフはコロナ禍で控えられた期間がありましたが、屋外かつプレー中でも三蜜を避けられるスポーツとして再考されているようです。ただ、接待となると別。プライベートやライフワークバランスを重視する人たちには敬遠されるのが実情でしょう。

今回はゴルフ接待の目的、そのメリットとデメリットを洗い出します。その上で「休日を潰してまでやるメリット」と「ゴルフ接待をする際の留意点」を挙げます。

ポストコロナ禍のゴルフ接待に関する内容もお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

そもそもゴルフ接待の目的とは?

「ゴルフ接待は営業の一環だから若手社員も参加すべき」と考える人もいるでしょう。たしかにゴルフ接待がうまくいき、商談がうまくまとまるケースもあります。双方に利益が生まれ、その後の付き合いを続けられるのなら接待の価値は高まります。

ただ、ゴルフ接待はふだんの営業とは異なる価値があると覚えておいた方がいいでしょう。利潤追求の上の即決&直結型でなく、じっくり仕上げる人間関係づくりがゴルフ接待。

日常の営業では双方の価値交換や利潤追求という明確な目的がありますが、ゴルフ接待でその明確さを押し出せば嫌がられるでしょう。何かのタイミングで仕事の話をすることはあっても、ラウンド中の商談はNG!一気に関係が冷めてしまうかもしれません。

ゴルフ接待の目的は「信頼関係づくり」。相手が信頼できるかどうかを見極めて、関係を深めるための接待だと認識しておきましょう。

ゴルフ接待のメリットは何?

ゴルフ接待はたった数時間で終わるものではありません。前日までの準備や当日の段取り、事後のお礼など全体を通して気遣いが必要です。これを聞けば「やっぱり大変だ」と後ずさりしそうですが、この章を読めばゴルフ接待のメリットを感じられるでしょう。

ゴルフ接待で関係が深まる

前章でゴルフ接待の目的をお伝えしました。信頼関係づくりが主な目的だとしたら、メリットに「関係が深まる」は外せません。ただし、その対象は深めたくなる相手に限ります。

まず身なり、服装です。ふだんの格好と称してTシャツ&ジーンズなどカジュアルすぎる服装はよくありません。入場時はビジネスカジュアルと革靴が基本。プレー中はポロシャツやチノパンなどのパンツにゴルフシューズを着用しましょう。

ほかにもルールやマナーがあります。相手がいる場所で素振りをしない、相手がスイングする際は話しかけない、自分が打つ時に時間をかけすぎないなどです。それらは基本中の基本なので心にとめておきましょう。

また、ラウンド中に細かな点で人となりが見えます。「さりげないサポートがいい」「自分をアピールし過ぎず、媚びず…しかし芯がある」「静と動をわきまえている」などです。

こうお伝えすればプレッシャーがかかるかもしれません。関係を深めるどころか緊張し過ぎてちょっとした会話すらできなくなるのは問題です。大切なのはあまり構えすぎないこと。相手目線で誠実に対応すれば大丈夫です。

ゴルフ接待を通してマナーや所作、関係づくりを学べます。失敗もあるでしょうが、その対応次第であなたが評価される可能性もあります。年齢を重ね経験を積んでいけば、おのずと人間性が磨かれるので過度な心配はいりません。


ゴルフ接待で人脈が広がる

ゴルフ接待で人脈が広がるとはどういうことか、少し想像してみてください。

緑豊かな自然の中でゴルフをするだけでも、気持ちが清々しく広々とした心でいられます。人に対しても寛容になれそうです。その環境で見ず知らずの人とゴルフをする機会もあるでしょう。

お得意様が新たな顧客になる(なりそうな)人を連れてきたり、ふだん会えない社長や常務と話をするチャンスを得たりします。素直に心が躍るかもしれません。

改まった席で緊張してもゴルフなら別。比較的リラックスした状態で会話ができます。つまり、ゴルフ接待はプレーしながら自然体で会話ができるというのがメリット。

その解放感からか「○○さんは◇◇会社の人です。よろしかったら紹介しますよ。」「じゃ○○さんにあなたのこと伝えておきますよ」という話が飛び交うかもしれません。ふだんの営業より意外とたやすく人脈を広げるチャンスがゴルフ接待にあるといえるでしょう。


ゴルフ接待で営業力がつく

営業目的を露骨に出すのはゴルフ接待で歓迎されません。しかしふだんの営業力に活かせるのは事実です。ゴルフ接待は次のような営業力を養えます。

たとえば計画性や段取り力。ゴルフ接待当日のスケジュールや幹事を任されれば、計画性、調整力、段取り力がつきます。幹事でなくても、コミュニケーションや間の取り方、立ち振る舞いなどを学べるでしょう。

特にコミュニケーションの取り方は大切です。ふだんの営業でもそうですが、本題に入る前の会話やそのタイミングの取り方にはセンスが要ります。

ゴルフ接待では相手のプレーを妨げないことが鉄則。冗長にしゃべりすぎてもいけないし、かといって反応が薄くても物足りない…。その加減をラウンド中に体得できるのは大きなメリットでしょう。

また、同組の相手や後続に迷惑にならないようなプレーをするとなればプレッシャーがかかります。緩さと緊張感のバランスをうまく保てるのも営業力です。

このようにゴルフそのものが営業力を養うとすれば、ゴルフ接待の価値は高まるのではないでしょうか。

ゴルフ接待のデメリットは何?

この章ではデメリットといわれる2点についてお伝えします。

ゴルフ接待でプライベートな時間がなくなる

これは若い人ほど感じるデメリットではないでしょうか。ゴルフ接待当日は、顧客が到着する前に会場に着き準備をします。だいたいの流れは「出迎え→ハーフプレー→昼食→ハーフプレー→歓談など→見送り」となります。

人によっては「まる一日拘束される」と思うでしょう。休日にゴルフ接待となれば「勤務手当が欲しい」と思いつつ会場に向かわねばなりません。家族に後ろ髪ひかれる思いで家を出ることもあるでしょう。

当日あまり良い気分になれなかったら、休日返上のゴルフ接待に恨み節。メンタルにもよくありません。


ゴルフ接待の”強要”が逆効果になる場合も

前述のような思いを抱きつつのゴルフ接待はつらいです。ただ参加する上司や同僚、顧客が、そうした気持ちを取り除いてくれる場合もあります。「意外と楽しく人間関係も築けた」となれば成功。

しかし、そうとは限らない場合もあります。参加者どうしの会話が弾まず気まずい上、プレーは大失敗で苦笑される…。この場合「早く帰りたいな」「さっさと終わらせたい」とネガティブな感情を抱くのは普通でしょう。

そこへ上司から再びゴルフ接待の”強要”があったら…。断れずいやいやながらのゴルフ接待を続ければ、どうなるでしょうか。「あいつはいつもつまらなそうにしてるから場が暗くなる」と言われかねません。

顧客だけでなく社内評価も悪くなります。そうなれば自身のメンタルを良好に保つことさえ難しくなるでしょう。

なぜ休日にゴルフ接待をするのか?

デメリットがあるのに、なぜ”休日”にゴルフ接待をするのか。この理由として3点挙げます。

休日だからこそ会えない人と会える

休日だから会える人がいるのは事実です。平日にする場合は、本来の業務で忙しい合間をぬってのゴルフ接待となります。気持ちのゆとりも今一つ。また、接待したい人が仕事で来られない場合も考えられます。

「休日だったら○○さんに会えたのに」と思わず愚痴がこぼれてしまうでしょう。ゴルフ接待で人脈を広げ信頼関係を深めるのがメリットなら、会いたい人に会えないゴルフ接待は無意味となります。


休日だからこそ聞けない話が聞ける

休日でリラックスした状態だからこそ本音が聞ける場合があります。平日でゴルフ接待でも悪くはないのですが、休日とは気持ち的に大きく異なるでしょう。解放感や安心感という休日ならではの気持ちのゆとりは会話の質を変えます。

仕事の話、商談などはNGですが、ゴルフ接待では共有する時間が長いので「実はね」という秘密・オフレコの話を聞けるかもしれません。

究極の場合でしょうが、その話を聞くチャンスは平日より休日の方があるのは確かです。

休日だからこそ関係を深められる

会えない人と会え、ふだん聞けない話が聞けるとなれば、人脈が広がるばかりか関係も深められます。平日のゴルフ接待なら仕事の感覚が残り、会話が事務的になるかもしれません。

しかし、休日は違います。何度もお伝えしているように気持ちにゆとりができるからです。本音を聞けますし、どちらかといえばプライベートな話もしやすくなります。

職場で結婚や家族に関する話をしないようにしても、長いラウンド中にプライベートな会話が自然に生まれるかもしれません。プライベートな話ができるというのは、信頼関係づくりの第一歩ではないでしょうか。

ゴルフ接待をする場合の留意点

ゴルフ接待を良好にするための留意点を接待側の視点でお伝えします。

上司が部下にゴルフ接待を”強要”するようなことは避けましょう。ライフワークバランスを大切にする人が多くなりました。仕事とプライベートをきちんと分けている人たちです。

どうしてもゴルフ接待が必要な場合、会社や上司として工夫が必要です。たとえば休日出勤手当基準を明確にする、ローテーションにする、互いに接待を強要しないなどです。

労働者の権利を大切にする視点は欠かせません。ただ、ゴルフ接待にメリットがあるのも事実。それを自然に感じられるようにするのも社員教育の一環でしょう。

また、ゴルフ接待では仕事の話や商談をしないようにします。ビジネスというより人間関係づくりと割り切りるのです。ただ、それもマイナスに働く場合があるので注意しましょう。

もしかしたら純粋にゴルフを楽しむ姿勢でいた方が良い結果を得られそうです。

昭和からポストコロナ禍のゴルフ接待へ

コロナ禍によりゴルフ接待の様相も変わってきました。(株)Tポイント・ジャパンの「第3回ゴルフに関するアンケート調査」によると、興味深い数字が出ていましたので紹介します。

ゴルフをする理由TOP5。NO.1は「趣味」で全体の7割以上でした。コロナ前(2019年)よりコロナ禍(2021年)」の方が若干増えています。

社会的な外出自粛モードが影響しているのは確かです。しかし三蜜を避けられるという理由でゴルフが見直されているのも事実。「趣味」「友人とのコミュニケーション」「体力づくり」「自然の中でのプレー」「ストレス解消」の理由でゴルフをする人は増えています。

ただ「仕事づきあい」とする人はコロナ前36.5%だったのに対し、コロナ禍は24.9%(-12ポイント)というのが気になりました。「仕事づきあい」が12ポイント減少しているのは、やはりコロナ禍がきっかけでしょう。接待方法が見直される機会になったのです。

ゴルフは楽しめてもラウンドデビューにならない若者はいます。そこで職場の先輩から教わるゴルフ接待!となりそうでならないの実情でしょう。なぜなら若者はインドアゴルフやオンラインレッスンなどを駆使するからです。

今後のゴルフ接待は廃れてしまうのか、形を変えて存続するのかは、会社や個人で「ゴルフ接待」をどう価値づけるかによるでしょう。

まとめ

今回はゴルフ接待について解説しました。接待ですから営業とつながります。最終的な目標は、ふだんの営業と同様に自社商品やサービスの購入と会社の利益に結び付けること。

とはいえ、ゴルフ接待で会社や自分のアピールをすれば失敗に終わります。目的が人間関係を深めることにあるなら、その方法は時代に合わせて変わってもいいのです。

ゴルフならではの人脈や関係づくりもあり、自然の中で楽しめるスポーツとして心身ともに健康でいられるのはメリット。もしかしたら”接待”を抜きにしたゴルフそのものを楽しむ感覚こそ必要かもしれません。

自然の中で気持ちにゆとりをもちながら関係づくりを進める…そこに焦りや強要はいりません。ゴルフ接待は昭和的なものでなく令和に合う形に移行していくのがよいのではないでしょうか。

営業力は人間力、そしてその力を養うのにゴルフは適しています。やや大げさかもしれませんが、自分を磨くツールとして捉えるなら”ゴルフ接待”はまだ価値を残しています。

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