インサイドセールスに向いてる人はどんな人?5つのチェックポイント

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インサイドセールスをご存じでしょうか。日本語では内部営業と訳されます。向いている人と聞かれて「インドア派」「直接会うのが苦手な人」「IT精通者」と答える人がいるかもしれません。

最初にお伝えすると、インサイドセールスに向いてる人は「コミュニケーション力」「迅速さ」「正確さ」「チャレンジ精神」「継続力」の5要素をもった人。

その解説の前に、フィールドセールスやテレアポと比べながらインサイドセールスの概要をお伝えします。さらに歴史的背景や現状をお伝えしたのち「向いてる人」の5要素を解説!

「とにかく5要素を早く知りたい」と思う方は飛ばして読んでもOKです!。”向いてないかもしれない”と不安で、概要や歴史などを把握したい方は通してお読みください。

インサイドセールスとは?

インサイドセールスは「社内で内勤として営業活動を行うこと」をさします。この章ではフィールドセールスやテレアポと比べながら「インサイドセールス」の特徴をお伝えします。

インサイドセールスとフィールドセールスとの違い

フィールドセールスは、外勤で直接会社や個人宅に訪問する営業。両者の違いは、営業する場所が異なる点です。それぞれメリットとデメリットがあります。

インサイドセールスのメリットは、交通費や時間の節約になり効率的に営業できる点。浮いた時間で営業数を伸ばすのも可能です。デメリットは信頼関係を築きにくい点でしょう。電話、メールでは、相手の顔を見られずコミュニケーションの質が下がるからです。

フィールドセールスは信頼関係を築きやすいといえます。非言語的アプローチで顧客に好感をもってもらえる可能性が高いでしょう。ただ、コストも時間がかかります。割に合う営業成績や業績アップにならないのもデメリット!

このように、両者ともメリットとデメリットがあります。それぞれのよさをうまくブレンドさせた「ハイブリッド化」も有効な営業方法です。

インサイドセールスとテレアポとの違い

以前は内勤営業といえばテレアポでした。テレアポとは、アポイントの獲得目的とする電話営業。インサイドセールスもアプローチ法として電話を使いますが、両者の一番の違いはその目的です。

インサイドセールスは顧客の見込み率を高めるのが目的で、営業の質を重視します。質とは顧客からマーケテイングに役立つ情報を得ること。テレアポはアポイントの獲得数を重視しますから、両者のアプローチの本質が異なるので理解しておきましょう。

またテレアポが電話のみの営業であるのに対し、インサイドセールスは電話やメール、チャット、Webツールを使った営業です。テレアポの対象は不特定多数のイメージ、インサイドセールスはある程度の顧客情報をもとにして選びます。

インサイドセールスが生まれた背景と現状

この章では、インサイドセールスの歴史的背景と現状について解説します。

インサイドセールスが生まれた背景

インサイドセールスは1990年代にアメリカで誕生した営業方法です。アメリカは時差があるほど国土の広いため、フィールドセールスの非効率さを感じる場面が多々ありました。アメリカではインターネットが発達する前からテレアポのようなインサイド的営業法が用いられていました。

インサイドセールスはフィールドセールスより効率的な営業法を模索する中で生まれたのです。そしてその発展もまた、国の事情が関係しています。

アメリカを始め欧米では、ゼネラリストよりスペシャリストを好む傾向があり、インサイドセールスの”専門家”が育ちやすい環境でした。

加えてアメリカでは18歳~48歳までの転職数が平均11.7回といわれます。人の性格やスキル等で左右されやすいフィールドセールスより、確実に見込み客を増やすにはインサイドセールスが合っていました。

インサイドセールスの現状

次に日本のインサイドセールスの現状をお伝えしましょう。日本での歴史は浅く、Googleで検索される回数が増え始めたのは2005年前後ごろからです。

そのため「この道20年以上」というインサイドセールスのスペシャリストは、まだ少ないのが現状です。ただ、危惧されているように少子高齢化は今後ますます進みます。

労働人口が少ない中、今までのようにフィールドセールスだけでは営業数や業績を上げられません。時間・コストを削減しつつ、いかに効率よく見込み客を獲得するのか。この視点に立てばインサイドセールスの導入は自然の流れでしょう。

インサイドセールスに向いてる人とは?

ここまでインサイドセールスと他の営業方法を比較しながら、インサイドセールスの歴史的背景や現状を説明しました。この章では向いてる人の5つのポイントをお伝えします。

インサイドセールスにはコミュニケーションスキル

インサイドセールスに欠かせないのがコミュニケーションスキル。この場合のコミュニケーションスキルはフィールドセールスとは異なる視点がいります。電話やメールなどを使うインサイドセールスでは顧客の話し方や声のトーン、文面から読み取るスキルが重要です。

顧客への伝え方も、冗長にならず要件を適切に伝える必要があります。ただし、あまりにも事務的な対応になれば顧客から「なんだか冷たい感じ」と思われるかもしれません。その匙加減が分かる人に向いています。

伝えるだけでなく、話の聴き方も重要ポイント!インサイドセールスの目的は見込み客の見込み率を高めることです。ただ伝えるだけ、よもやま話を聞くだけでは務まりません。

顧客の悩みや欲を引き出せる聴き方をすれば、次につながる結果を得られます。このように一言でコミュニケーションスキルといっても、さまざまな要素が絡むのです。

インサイドセールスには迅速さ

インサイドセールスには「迅速さ」も大切です。レスポンスが遅いのは致命的!顧客が離れ、見込み客の獲得も難しくなります。「レスポンスが遅くても丁寧にやれば大丈夫」という考え方も時に危険です。

たとえば顧客の質問に対する回答を、即日または翌日にしないで一週間後にメール返信したらどうでしょうか。いくら丁寧に調べて報告したとしても顧客を待たせていたのは事実です。「いまごろ遅い」と思うのが普通です。

また、見込み客の情報入力を、その日のうちにせず後日に回すのもよくありません。即対応した方が情報の有益性を高めます。その日その時が一番正確なのです。「あとでやる」のが習慣化している人はインサイドセールスに向いていません。

インサイドセールスには正確さ

「迅速さ」はインサイドセールスの重要項目ですが、雑では困ります。正確さは必須です。「すぐにやったからいい」「何しろスピード感があればいい」というのはセールスの目的そのものを見失う可能性があるでしょう。

顧客情報のざっくりした情報だけを抜き取るような感じでセールスをおこなうのもよくありません。顧客は「いい加減な人だな」と不信感を抱くでしょう。

また、顧客からの質問に対し分からないのに適当に応えてはいけません。「調べてご連絡します」と返し、即日データを収集して早めに返答する、しかも正確に報告できるスキルが求められます。顧客の信頼を得て商品やサービスの購入につなげられます。

インサイドセールスにはチャレンジ精神

インサイドセールスを始めたころは、スキルを磨くことに懸命になるでしょう。ただし、どんなに一生懸命やっても上手くいかないときもあれば失敗もあります。その際、生きるのはチャレンジ精神です。

「もうだめだ」「自分には向いていない」「○○をやったとしても無理だろう」という否定的な考え方に終始する人は向いていません。代わりに「今回失敗したけど□□してみたらどうだろう」「自分は○○は苦手だけど◇◇はOKだからやってみよう」

そうした発想の転換ができる人がインサイドセールスには向いています。失敗は失敗、開き直って次の施策を講じる方がうまくいきます。失敗は学び!と考え、その改善策を探る人の方が業績を伸ばしていくでしょう。

インサイドセールスには継続力

継続力もインサイドセールスには必要です。見込み客の獲得はそう簡単ではありません。電話を掛ける回数を増やせばいいという話でもないのです。スキル向上を目指しながら努力を重ねても、結果が見えない場合どうでしょう。

「もうだめだ」と思ってあきらめるか、適当にやるか…。それともコツコツと顧客データの分析や情報収集をしては結果を分析し、改善し続けるのか…。後者の方が次のステージへと進めます。

つまり業績や進捗が滞っていても”挑戦”を続けられる人はインサイドセールスに向いています。PDCAサイクルの本質を理解し実践している人です。成果にすく結びつかないインサイドセールスだからこそ、継続する力が重要なのです。

インサイドセールスに向いてない人でもできる?

上記を読んで「やっぱり向いてないかも」と思う方もいるでしょう。この章ではいわゆる”向いてない”と言われる人について解説します。

おとなしい人

まったく話さない人、コミュ障でプレッシャーがかかるのが苦手な人はおすすめできません。人見知りの人は、対面しないインサイドセールスが向いている可能性があります。おとなしくても芯がありコツコツやるのが好きな方はやりやすいでしょう。

のんびりしている人

のんびりやでマイペースな人はあまりおすすめできません。ただ、のんびりした受け答えが顧客に好印象を与える場合もあります。せかせかした感じがなく、やわらかいという理由。

顧客の話を途中で切らず、最後まで聞いてくれる姿勢も好まれます。嫌なことがあっても引きずらないタイプならインサイドセールスに合っているでしょう。

慎重な人

傷つきやすいタイプはおすすめできません。しかし、慎重な人は業務を丁寧にこなす力があるでしょう。神経質な人はどうでしょうか。細かな点に気づきやすいので、見込み客の獲得につながる発見をするかもしれません。また、正確さをキープできるので向いているでしょう。

インサイドセールスを成功させるには?

営業の目的は、顧客の悩みや欲を解決できるような自社の商品・サービスのよさを知ってもらい購入につなげること。その道のりは長いです。

「自分はインサイドセールスに向いてるからOK」という過信はよくありません。この章ではインサイドセールスを本当に成功させるポイントとして次の項目を選びました。人事担当者に伝えたい項目もあります。

・インサイドセールスで効果を発揮する商品やサービスを選定する
・インサイドセールスとフィールドセールスの利点を合わせる
・情報収集や整理、PDCAサイクルなどを駆使し改善しながら実践する
・社内や社外研修内容の刷新し、自社独自のセールス方法を確立する

顧客に何を紹介するのか、その選定は地域や世代、時期などから総合的に判断しましょう。守りに入るだけでなく時には斬新さも必要です。

また、本記事の始めに挙げたフィールドセールスとの違いを加味しながら、ハイブリッド的に両者を有効活用する視点も欠かせません。そのための研修も充実させたいところ。

研修とつながりますが、今回ご紹介した「向いてる人」のみにスポットを当てるのではなく、多様な人材を発掘しましょう。

オタクな人だからといって避けるのでなく、その専門性に着目できる柔軟な思考が求められます。ほかの人にはない専門的知見があり、顧客に魅力を最大限に伝えられそうです。

また「向いてない」と自己判断していても、インサイドセールスに向いている場合があります。会社の人事はフレキシブルな視点で人材を発掘したいものです。

まとめ

「インサイドセールスに向いてないかもしれない」と思っている人が、この記事を読み「もしかしたらいけるかも」と思えたでしょうか。人には向き不向きがあるのは確かですが、それは時と場合によります。記事を読んでも「やっぱりだめかな」と思ったら一度上司や同僚に相談してみましょう。

欠点に見えるものが実は利点に働く場合もあります。それに気づくには、フィールドセールスをしてみるのも一手。人事に掛け合えば対応してくれるかもしれません。インサイドセールスとフィールドセールスのノウハウを共有すれば自分も社内も活気づきます。

今回の記事が”新たな自分を知る”きっかけになれたら幸いです。ほんの少しでいいので自分なりのセールススタイルを確立すべく、今できることを積み重ねていきましょう。


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