販売促進のアイデアに行き詰まったら見るべき5つの成功事例

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販売促進は企業活動において重要な立ち位置にあります。よい商品・サービスがあっても、お客様の手元に届けられなければ意味がありません。いかにお客様の心を捉え、購入につなげられるかは、販売促進の”量”というより”質”にかかっています。

しかし、販売促進を重視していても、実際は開業時と比べて売り上げが落ちていたりお客様の反応が悪かったり…「なんとか上向きにしたいけどなかなか難しい」と悩んでいる方もいるでしょう。

そこで今回は、販売促進で売り上げを向上させたい方に、まずはその概要と重要性を解説します。続いて、販売促進のアイデアと成功事例を紹介します。注意点もお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

販売促進とは?

営業、宣伝、販促、マーケティングなどは、普段から見聞きする言葉です。しかし「販促とマーケティングの違い?実はよく分からない」という方もいます。ここでは各用語の解説をします。

販売促進とは、商品・サービスの購入につなげるアプローチです。対象は商品・サービスそのもので、ヒトではなくモノやコトに焦点をおく活動といえます。

対してマーケティングは、消費者・利用者・顧客というヒトを対象とした活動です。ヒトには「○○が欲しい」という願いや欲があります。掘り下げれば「~だから○○が欲しい」のように理由が見えてきます。

~だから(理由)は消費者自身が気づかないニーズ(潜在ニーズ)である場合が多いです。潜在ニーズが分かれば、何をどのように宣伝・販売すればいいのか見えてきます。マーケティングは、ヒトの購買行動の内実を深く掘り下げる活動といえるのです。

マーケティング活動の一環に販売促進があります。商品・サービスを求める理由が分かったら、いかに消費者の心をつかみ商品・サービスの購入につなげていくのか…そのアイデアと行動が販売促進です。

一方、宣伝は商品・サービスの魅力を顧客層にアピールする活動で、営業は顧客に直接対応し商品・サービスの購入につなげる活動です。そして宣伝から営業までをスムーズにおこなうための潤滑油が販売促進であり、企業の収益化に直結する活動といえます。

販売促進の重要性

販売促進が重要な理由は、昨今の多様化にあります。様々な価値観が認められるようになった現代だからこそ、そのヒトに「最適なモノ・コトを届けられるか」が重要なのです。

またIT化は企業だけでなく、消費者自身の購買行動に影響を与えました。新鮮で多量の情報が日々あふれ、消費者はパソコンやスマホを通して”いつでもどこでも何度でも”商品・サービスの検索ができます。

また商品・サービスの多様性は、消費者の商品・サービスを見る目を養いました。よりよいモノ・コトがあればすぐに拡散されます。逆に”大したものではない”となれば無視されるか低評価が下される場合もあるでしょう。

つまり時代の変化に即した販売促進をおこなえば、商品・サービスの周知・購買につながり、自社の存続と発展に好影響をもたらすのです。

販売促進に行き詰まったら…アイデア5選

早速、販売促進のアイデアについて解説します。販売促進に行き詰っていたとしたら、このアイデア5選の一つでもいいので試してください。

お得感をプラス

子どもだけでなく大人でも「おまけ」がつく、つまりお得感はうれしいものです。

例えば、ドラッグストアにA社液体洗剤を買いに行くとします。店頭にB社の液体洗剤が目に入りました。「香り付柔軟剤の試供品」が付いていたので、思わずかごに入れる…。これは「お得感」からです。

あるいはセール中のアパレル店で「2点お買い上げでさらに10%OFF」となれば、1着だけのつもりが2着購入する方もいるでしょう。

このように「○○を買ったら別の▢▢が付いてくるおまけ」は、購買意欲を促します。

ノベルティ・オリジナルグッズ

ノベルティ・オリジナルグッズは、リピーターやファン層に効果があります

ポイントカードなどを利用して、商品やサービスの価格に応じたスタンプを打ちます。現代ではLINEやアプリでもスタンプ発行は可能です。

スタンプが溜まれば500円分の商品と引換というサービスもありますが、ここではノベルティ・オリジナルグッズの提供を例に挙げます。企業ロゴやキャラクターをあしらったグッズ(文具・日用品・お菓子など)がその一例です。

引換サービスより特別なアイテムをもらえる方がファン層を増やすきっかけになります。また、商品・サービスの購入を続ければゴールとして”ごほうび”がもらえるのは、消費者にとって魅力的です。

毎回異なるアイテムを提供すれば、収集好きな方にとってうれしい販促活動となります。つまり、ノベルティ・オリジナルグッズは顧客を定着させるメリットがあるのです。

コラボレーション

有名人や有名キャラクターとのコラボレーションで生まれた商品・サービスは、顧客を増やすチャンスになります。有名○○のファンであれ商品・サービスのファンであれ、双方にとって欲しいアイテム。

また、コラボ商品はイベント的に楽しみたい顧客にとってもうれしいですから、新たな顧客層を獲得する契機になります。予想外の組み合わせなら話題性があり、消費者の購買意欲にプラスに働きます。

コラボレーションによる販売促進は、人々に「いいね」「面白いね」という正の感情を引き起こし、新たな購買につなげるアイデアです。

消費者参加

○○メーカーやブランドのファンであれば、企業の打ち出す販売促進活動(キャンペーン)に協力したくなります。消費者自身が参加できる企画ものは、ファン層の固定化、リピーターの増加に優位に働きます。

大好きな会社やお店に対して協力したくなるのは、人間の心理として自然です。応援団のように会社のキャンペーンに参加し、商品やサービスの売り上げアップに貢献してくれます。

その際「お礼として○○をプレゼントします」「○○トライアルチケット差し上げます」とあらかじめて伝えておけば参加者も増えます。もともと商品のファンでなくても、お得感や参加型キャンペーンのよさを実感できればファンの一人になるかもしれません。

クーポン券発行

現代は、SNSやアプリ等でお得に買い物する消費者が増えました。クーポン券もその一つ。SNSやアプリを使って登録者限定のクーポン券を発行するのもおすすめです。

自社商品・サービスのファンででなくても、お得感や話題性、楽しさを感じられれば登録しファンになります。クーポン券だけでなく、顧客層の心理をつかむ情報発信をすればアプリの継続頻度が増え、固定客へとつながります。

販売促進のアイデア成功事例5選

ここでは前述のアイデアをもとにした成功事例を解説します。比較的大きな企業の例ですが、中小企業に活かせる視点があるので参考にしてください。

ドミノピザ

ドミノ・ピザは「お得感」を最大限に引き出すサービスを展開しています。皆さんご存じの「お持ち帰り半額」サービスです。

ピザといえば宅配が主流。しかし現在はUber Eatsやdemaecanなどの宅配業が誕生し、ピザ宅配のメリットをそれほど感じなくなったのが現状です。

ドミノピザはテイクアウトにおけるお得感に重心をおき「お持ち帰り半額」を実施。見事に当たったといえます。20%、30%OFFではなく「半額」という点が、お得感をさらにアップさせますね。

山崎製パン

応募シールを所定の枚数集めれば必ずもらえる白いお皿。こちらはノベルティ・オリジナルグッズの一例といえます。

山崎製パンは、「お客様にありがとうの気持ち」と「パンのある暮らしを楽しんでもらう」ために、1981年から「ヤマザキ春のパンまつり」を実施しています。この歴史は公式サイトに特設されており、消費者にも特別な思いをもって受け入れられています。

白い皿のデザインは毎年変わります。希少性があり収集している方もいるでしょう。コンセプトがしっかりしているため、40年たった今も消費者が楽しみにしているイベントの一つ。ファン層の固定化にもつながっています。

日清食品

日清はアニメとのコラボレーションを積極的に導入しています。今年度は「日清のどん兵衛」「日清焼そばU.F.O.」と『SPY×FAMILY』のコラボレーションが実現しました。

実はコラボ商品だけでも販売促進、売上アップにつながりますが、日清食品はもう一つ攻めの販売促進をしています。それが、「一部店舗・ECで対象商品お買い上げで【アーニャのおでけけ♪レジャーシート】プレゼント!」という企画です。

なくなり次第終了ということですが、おそらくレジャーシートめあてで対象商品を購入する方は多いでしょう。人気・有名キャラクターとのコラボ商品は、既存に限らず新規の顧客を獲得するチャンスといえます。

亀田製菓

亀田製菓は2020年に人気商品「亀田の柿の種6袋詰」の柿の種とピーナッツの比率アンケートをとりました。黄金比を会社が決めるのではなく消費者が比率選定に参加する企画です。

アンケートの結果7:3比率が採用され新商品が発売されました。この際、応募者6473名に「旧比率6:4の商品」と「新比率7:3の商品」を1袋ずつプレゼントしています。

2021年には「亀田の柿の種オンラインサミット」を開催しています。300名の亀田の柿の種ファンに開発中商品を先行試食してもらい、意見をオンラインで回収するというイベント。

イベントやキャンペーンを通じて、商品開発に消費者が参加してもらい共によりよいものを創り上げるという発想は参考になります。

無印良品

無印良品はソーシャル活用売上ランキング(日経BP社)で2位に入った過去があります。Facebook、Twitter、Instagramなどのアカウントを育て、フォロワー限定のセールクーポン券を発行するなど工夫しています。

無印良品の戦略は、店舗とSNS、リアルとネットのコラボ。店舗はもちろん、ネットならではの方法で顧客との関係性を築いています。

販売促進として「セールクーポン券」をただ発行するのではなく、常に顧客目線である点を重視しています。つまり、顧客が求める情報提供やコミュニケーションのあり方などを追求しているのです。

この取り組みがユーザーから共感を得ているからこそ、セールクーポン券の価値が上がるといえます。

販売促進をする場合の注意点

販売促進をする場合の留意点があります。「見栄えと販促の落とし穴」という視点です。

まず”見栄えの落とし穴”について解説します。例えばSNSで店舗、とくに飲食店の様子をInstagramに投稿するとします。

見栄えをよくしようと画像編集してお客様に来店を呼びかけました…。しかし、来客が「実際はお店のカラーも雰囲気も違っていた…」と感じれば二度とお店を訪れません。

ご存じのように口コミで「写真と全然違った」と拡散されれば、販売促進どころではなくなります。見栄えばかり気にするのではなく、コンセプトに合う雰囲気づくりと丁寧な接客は基本です。

つぎに”販売促進の落とし穴”とは「販促の”目的”」を忘れないようにという視点です。看板を作ったりのぼりを立てたりするのが、どの顧客に何をどう伝えるためのものなのか常に意識するのが重要です。

販売促進には、看板やのぼり、ノベルティやオリジナルグッズ作成、クーポン券の発行、チラシやDMの配布、SNS・アプリなど実にさまざまなアプローチがあります。場合によっては販売促進そのものが目的になる可能性があります。

大切なのは、誰に向けた商品・サービスであるかということ。消費者に関する情報やデータを収集・分析し、具体的なターゲット層を設定できるか、そこが重要なのです。

顧客のイメージ像がしっかり描ければ、そのイメージに合わせた販売促進ができます。販売促進はマーケティングの一環で、そのマーケティングの対象はヒトです。

消費者自身が何を求め、潜在ニーズは何なのか?この点を明確にした販売促進を心がけてください。

ターゲットを明確に設定して販売促進

今回紹介した成功事例は販売促進の成功以前に、実はターゲット層の設定が明確である点が要因に挙げられます。ターゲットの心理や行動を洗い出せば、販売促進で何をどうしていくのか見えてくるのです。

販売促進がモノ・コトを対象にしているとはいえ、それを購入するのはヒト。見栄えばかりにならないよう内面的な要素を大切にしながら販売促進をおこなうようにしましょう。

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